「育休概論~育児休業を取得した男の人のお話~」⑤ | 海上寮ブログ「今日ものんびり」

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千葉県旭市の、海の近くの精神科病院です。海上寮のことを紹介しつつ、気持ちが沈みがちな時でも何となく読むことができる、そんなブログを目指しています。海上寮(http://rosario.jp/kaijoryo/)もよろしくね。

 みなさんこんにちは、

海上寮ブログ番外編『今日もじゃぶくってる(旭弁)』です。

 

 暑い暑い!けれど、今日も良い波(ビックウェーブ)が来ていてうれしい!

育休ブログなのに、まだ産まれたエピソードが

始まらないと嘆いているそこのあなた!

前回に引き続き、海上寮男性職員の私が、

育休、育児などについて、お話をしたいと思います。

 

 第4話『嘆きの鼓動』

 

 ある日、子供が産まれたのである。

 

(出産前後の感動秘話については、

『魁け!浜の育休男外伝(2019海上寮社)』[非売品]をご覧ください)

 

 出産後の入院期間は4日程度、この入院期間中に、

育児に関わる知識や手技を身に付けなければならない。

私は仕事を終えた後、病院へ行き、

看護師さんの親切丁寧な指導を受けた。

看護師さんはやさしかった、

それは海上寮も同じであると、声を大にして言っておきたい。

 

 そして、退院し、帰宅した。

初めてというものは、誰しも不安になる。

しかし現代は情報社会、情報は大きな武器になる、

と思っていたが誤算だった。

『新生児は18時間以上眠る』という情報を得ていたが、

それは一体誰のことを指していたのか。

うちの赤子のことは、どの教科書にも載っていないではないか。

 

 精神科において、『睡眠』は非常に重要な意味を持つ。

それは赤子に関しても同様だと学んだ。

前述の18時間云々に関して、

うちの赤子はその半分も寝なかった。

 

 トライアンドエラーの末、良眠を得るには、

空腹でないこと、おむつが清潔であること、

室温等の環境が整っていること、

精神的に安心していること、が重要なのだと知った。

しかし、簡単なようで難しい、

成功のカギはタイミングが握っていた。

例えば、授乳と排泄、この2つのタイミングが合っていれば、

連続した睡眠が得られるが、ズレが生じている場合は、

容易に睡眠が中断されてしまう。

授乳後、入眠したとしても、その30分後に排泄がきたら、

すぐに覚醒してしまう、といった具合に。

 

 これは、精神保健福祉的に言うと、

自立支援医療(精神通院)の更新と、

精神障害者保健福祉手帳の更新時期がズレている場合に、

自立支援医療(精神通院)の有効期間を短縮し、

精神障害者保健福祉手帳の更新時期と合わせることにより、

同時申請が可能になる、ということと同じようなことである。

 

 また、睡眠導入に関してもテクニックが必要である。

赤子は一人では寝ない。数十分は抱っこして、

寝かしつける必要がある。また、授乳やミルクを与え、

睡眠を誘う技術もある。

これは、精神科的に言うと、眠剤の頓服と似ている。

 

 寝たとしても、昼夜関係なく、2~3時間おきには起きるため、

その都度、授乳、ミルク、抱っこ等を行う。

親の睡眠はめちゃくちゃになるのだと知った。

疲れてくると嘆きたくなる。抱っこは横揺れがいいのか、

縦揺れがいいのか、4ビートがいいのか、

8ビートがいいのか誰か教えてほしい、と。

そして、いつしか、「ミルクを頓服、じきに満腹、

できるか一服、たまには欲しいよ親への忖度」などと

縦揺れで呟いてしまうのだった。

 

 次回、感動のビックウェーブ!もう涙が止まらない!