佐々木日出男先生のプロフィール | 海上寮ブログ「今日ものんびり」

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千葉県旭市の、海の近くの精神科病院です。海上寮のことを紹介しつつ、気持ちが沈みがちな時でも何となく読むことができる、そんなブログを目指しています。海上寮(http://rosario.jp/kaijoryo/)もよろしくね。

 こんばんは、海上寮ブログ「今日ものんびり」です。

 

 昨日、佐々木先生が永眠されたことについて

ブログを書かせて頂きました。

 

 23日のお通夜、24日の葬儀が最後のお別れに

なるのですが、ご存じない方からは、

「ところで佐々木先生って何をした人なの?」

と聞かれそうですので、

先の医療功労賞の時のプロフィール文書を

載せさせて頂きたいと思います。

どうかお付き合い下さい。

 

***************以下転載****************

 

佐々木日出男先生略歴

 

 1932年に福岡県福岡市にて生誕。県立浮羽高校の同窓生(脚本家の布勢博一など)とは「うきは会」で年1回集まります。九州大学医学部卒業後は東大医学部精神科に入局し多くの仲間と研鑽を積みました。

 

 都立松沢病院、群馬大学病院などに在籍しつつ猫の聴覚や脳波、睡眠の研究を行いました。この時仲間と夜通し議論を重ねつつ始めた睡眠学会は、その後アジア睡眠学会設立を主導し、現在では世界の睡眠研究をリードする学会に発展。光代さんと結婚後は、1967年より3年間ハーバード大学に留学、猫の視覚の研究に取り組みました。

 

 帰国後は府中療育センターに勤務しつつ、重症心身障害児が適切な医療・福祉が受けられるよう、都庁に足繁く通い、都と一緒にシステムを作り上げました(写真はパリ視察の団長を務めた時)。現在日本の療育環境は世界に誇るもので北欧からも視察団が来たりしていますが、その基礎はこの活動から作られました。


 なお療育時代の駆け出しの頃、上級医の先生から「お前たちはうすらバカだな」と言われたメンバーで作った「うすら会」、熱気盛んに勉強する若いメンバーたちで作った「フィーバー会」はいろいろな職種で構成され、現在も年1回みんなで集まっています。

 

 1989年からは筑波大学の教授として赴任。佐々木教授の講義は楽しいと人気だったとのこと。のちの教授や学部長になる人も多く育てましたが、一人一人に親しく適切な進路を相談していました。この時代に作られた「リハ連」も今でも年1回集まっています。(写真は最終講義の様子)


 1996年からは千葉県旭市の精神科病院「海上寮療養所」に院長として赴任。障害者と寄り添う医療福祉を目指し、全開放化を定着させました。

 

 また地域の病院にも広く声をかけ、「東総地区精神科懇話会」や「東総地区認知症を考える会」などを立ち上げ、後者では立ち上げ集会に360人余りが結集。認知症の訪問診療で内閣府の認知症初期集中支援などの施策作りに関わった上野秀樹医師などを発掘しました。

 

 全国の市町村数が1724(2018年10月8日現在)、人間国宝の個人認定者がのべ363名(2018年1月1日現在)。今回地域医療における業績のあった人に送られる医療功労賞は今年で計460名ですが、私たちの中では人を惹きつけ育てる魅力のある佐々木先生が一番この賞にふさわしいと思っています。これからもどうぞ親しくお付き合い、ご指導を宜しくお願いいたします。(発起人一同)