何故カイジファイナルゲームの映像化がこんなにも大変だったか《地下帝国編》 | 監督ブログ

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台本は出来た
キャスティングも進んでる
でも最大の難関はその次にあったのです

そもそもカイジシリーズは
福本伸行さんが考えた
奇想天外なゲーム
大胆などんでん返し
精緻を極めるトリック
それらを説得力ある映像で描かなくてはならないのです

CGは、ここぞ!というところにパワーを集中したいので濫用はできません

そして、生身の人間である役者が、その場所でリアルな芝居をしているところを撮りたい!
なーんて風に僕が言ってしまったことで
ミッションはより困難なものになりました

まず第一に
地下帝国、どうしようか、、、、


そう、パート1でカイジ達が強制労働させられていた地下の空間
パート2でもその工事は続いていました

映画カイジは、地下帝国を建設する人々の物語
と言っても過言ではありません
(いえ、言い過ぎです)


兵頭会長の妄執によって建設が続けられている地下帝国は果たして完成したのか?
だとしたら、その一部だけでも見てみたい!

そう思うのは自然ですよね



ファイナルゲームには、大きなカジノが出てきます
最初それは、オリンピック後にウォーターフロントに建設されたカジノという近未来にありそうな設定でした

「いや!これはやっぱり地下帝国にしたい!!!」

そう思ってしまうでしょう?

あれ?もしかしてそんなこと本気で考えてるの僕だけ?みたいな状況になってしまったのには気が付かないふりをして、スタッフと打ち合わせを重ねて行ったのです

限られた予算、スケジュールの中で実現するのは
かなり無理のある命題
打ち合わせは煮詰まりました

その時、制作部のリーダーが言ったのです

「とりあえず、あの場所へ行ってみましょう」

あの場所とはつまり、パート1で実際にロケをした
栃木県の大谷石採石場跡地のことでした





《次回・地下帝国建設編》