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 弄便(ろうべん)と異食をやってしまう、アルツハイマーで統合失調症な、“動ける認知症” 蛍原さん(82歳・女性)。

 

 生理的にイヤなのは弄便だけど、蛍原さんにとって危険度が高いのは異食。24時間の見守りができない以上完全に防ぐことはできずとも、当然、できる限りの対策はしなくてはいけません。

 

 

 

 対策として行ったことは、まず、こまめにおやつを差し上げて、空腹を感じさせないこと。お腹が空きそうなタイミングで異食をされていたことが多かった為、ご家族さん了承の上で特別におやつを用意し、食べてもらうようにしました。

 

 そして、できる限り蛍原さんの居室から、小物を減らすこと。どちらにしろ、もう趣味を楽しむこともできなくなってしまっていた為、ご家族さんに頼んで趣味の道具などを撤去して頂きました。

 蛍原さんには申し訳ないとは思うのですが、安全には替えられません。ティッシュペーパーもどうやら好きだった(食べ物として)ようなので、居室や食事のテーブルからも撤去。壁に飾ってあったお花も撤去。こうして、居室がだいぶ味気なくなりました。

 

 

 

 これらの対策によって、蛍原さんの異食はあまり見られなくなったような気がしました(気付いていないだけ、ではないはず)。よし、対策成功!とスタッフもホッと一安心。

 しかし、そんな頃から、また新たに蛍原さんに他の傾向が見えるようになったのです。

 

 

 それは、“他の利用者さんにくっついていってしまうこと”

 かなり認知症が進んでいるとは言え、どこかまだわかる所も残っている蛍原さん。どうやら、「優しい利用者さんが、〇〇の部屋にいる」と覚えてしまったようです。他のことは覚えられないのに!

 

 ご自分の居室が味気なくなり、居室でやることがなくなってしまったというのが大きな一因なのではないかと思うのですが、ちょこちょこと他の利用者さんの居室を訪ね、長居するようになってしまいました。

 蛍原さんはほとんど会話もできない為、ほぼ無言なのですが、なにをするでもなくちょこんと座って、居座ってしまうのだそうです。そしてその方がリビングに移動する時には一緒に移動し、またちょこんと近くに座ります。

 たまに、居室に入るのを遠慮しているのか、少しだけドアに隙間を空けて外から覗いていたこともあったそうで。

 

そうなるともう “ストーカー”やん……。

 

 

 そんな蛍原さんを受け入れて下さる利用者さんは2人。嫌そうな顔をするでもなく、スタッフに文句を言うでもなく、ただただ一緒にいてくれます。さすが蛍原さんのお眼鏡にかなっただけのことはあり、本当に優しい方々!感謝しかありません!

 

 

 

 

 ただ、文句を言われないから良し、として良いものなのかと悩みどころなのですよね。

 蛍原さん、暴力も暴言もなければ大声を上げることもなく、介護拒否もほとんどなく、本当におとなしい方。弄便と異食をしてしまうだけで、他者に危害を加えることはないばかりか、どこかきちんと礼節もわきまえていると感じる方です。

 

 これは、新たな対策をもって引き離すべきなのか、それとも老人ホームで芽生えたお友達付き合い、とほのぼの考えて良いものか???

 

 

 

 悩んだ結果……様子見です。