日本が誇るコメディアン、志村けんさんが亡くなって、1年以上の月日が流れました。やはり志村さんのコントをたくさん見て育ってきた私にとって、その突然の訃報はとてもショックなものであり、1周年で放送された特別番組を見てまた、その死を惜しんでいます。
しかし志村さんのことを思うと、どうしても同時に頭に浮かんでしまう人が、私にはいるんですよ。それは我が老人ホームの志村けん。呼び名は……爺村さんにしときましょう(笑)
爺村さん(85歳・男性)はパーキンソン病を患っています。まだなんとか歩行が可能で、食事や整容も、ゆっくりですがご自身でできています。
しかし途中で動きが止まって固まってしまったり、うまくできないことも多い為、全てにおいて補助が必要な状態です。
爺村さん。驚く程に、志村さんに似ているんですよ。志村さんと言っても普段の志村さんではなく、コントでお爺さん(いやあれはお婆さんか)を演じている時の志村さんです。
声なんて本当にそっくりだし、話し方の抑揚の付け方やちょっと震えた感じもいかにも志村さん。
パーキンソン病には“仮面様顔貌”という、無表情になってしまう症状があるのですが、まるで志村さんな顔のまま固まっています。歩き方や首の角度も志村さん。“振戦”による手の震えも、志村さんを思い起こします。
元々お顔や声質が少し似ていることも、もちろん大きく関係してはいますが、これなかなかスゴイことだと思うんですよ。なにがって、志村さんの演技力が。
勉強熱心で努力を惜しまない方だったということですから、高齢者を演じるにあたっても、多分とても観察と研究をされたんだろうなぁと思います。
それにしても、もしかしたら志村さんは爺村さんを見て役作りをしたのではないかとすら思うこのそっくりさ。ある日のこと、私は爺村さんに伺いました。
「爺村さん、志村けんさんって会ったことあります?」
するといつも無表情な爺村さんが、かすかにニヤッと笑って言いました。
『あんだって!?』
……まさか爺村さん、寄せてるんじゃ![]()