【高齢者虐待】

①身体的虐待 ②心理的虐待 ③性的虐待 ④介護・世話の放棄・放任 ⑤経済的虐待

 

 

 介護について学ぶと、必ず上記の5つは覚えることになります。これが、高齢者虐待の定義。我々介護スタッフは、常にこれを忘れずに行動しなければいけません。

 特にこの中でスタッフがやってしまいそうなのは、①と②。介護施設や病院において、よく問題として取り上げられるものに、“身体拘束”があります。

 

 身体拘束とは簡単に言うと、ご自身で解除したくともできない状態にしてしまうことを言います。それを介護者がやってしまうことで、身体的にも心理的にも虐待をしてしまうのです。

 

 

 

 でも、具体的にどういうことが身体拘束とされているか、果たして世の中の人々は本当にご存じなのでしょうか。身体拘束の具体例を挙げましょう。

 

 *無意識にベッドから転落してしまう方のベッドをぐるりと全て柵で囲むこと。

 *無意識に点滴や経管栄養の管を自己抜去してしまう方の手にミトンをはめること。

 *徘徊などを防ぐためにベッド横にセンサーマットを敷くこと。

 *ご自身でオムツを外してしまい汚染がひどい方に、上下が繋がった服を着せること。

 *ご自身でオムツを外してしまい汚染がひどい方のズボンの腰紐を縛ること。

 *ご自身で椅子を引けない方を、ずっとテーブルに向けて座らせておくこと。

 *足が弱くて立ち上がりが困難な方を、柔らかなソファに座らせておくこと。

 等々。

 

 どうでしょう。正直、やっていること、ありません?また、これを高齢者から幼児に置き換えたら、当たり前にやっていることだと思いませんか?

 

 あまり詳しくない方は、“身体拘束”と言ったら、ベッドや椅子に縛り付けることをイメージされるのではないかと思いますが、とんでもありません。もちろんそれらは拘束中の拘束ですが、上記のような事柄も、身体拘束とされてしまうのです。

 

 

 

 

 こんなことあまり声を大にして言えないのですが、実は昔から少し疑問に思っています。

 

「……私ならそれ、逆にやって欲しいけどなぁえー

 

 例えば私が、無意識の体動が多くてベッドから落ちそうなのであれば、落ちてケガをしないように柵を付けて欲しいです。

 例えば私が認知症で、わけもわからないままオムツを外して便まみれになってしまうのなら、つなぎ服だって喜んで着ます。

 

 

 しかし、私が個人的にどう思おうが、それは規則。ダメなものはダメ。それならばと、それをせずにできる限り安全に過ごして頂く方法を模索するわけです。

 例えばベッドから落ちてしまう方なら、ベッドを極力低くした上、下にマットレスを引いて、ケガを最小限に抑えたり。床からの立ち上がりはとても負担が大きくても、ベッドではなく床に布団で寝て頂いたり。

 

 

 もちろん高齢者を虐待から守るために、線引きは絶対に必要です。その重要性はもちろん理解しています。

 

 でも、一部のことに関しては、きれいごとを言いたいがための、やりすぎ感が否めなくて……。

 

 “高齢者を守るため”と言いつつ、逆に高齢者を危険に晒していることも少なくない気がします。

 ダメなものはダメならば、仕方がないので従います。しかしやっぱり、なにかどこかおかしいのではないかと、思ってしまうのです。

 

 

 

 

 普段こんなことは決して口にはできません。それをあえてブログに書いた理由はただひとつ。

 

 “介護スタッフの虐待”という報道が出た時に、『本当にそれは、本当の意味での虐待だったのか?』という疑念を、ほんの少しでもいいから抱いて頂きたい。

 それはもしかすると、“虐待”という強いワードが必ずしも当てはまらないことかもしれません。

 

 これは、切なる願いです。

 

 

 

 

 実際に虐待と報じられた例も書いてます↓↓↓

 

 

 

 

 ※これはもちろん全ての身体拘束を容認するということではありません。

 ※施設でも、“切迫性、非代替性、一時性”という3つの要素をクリアしたことに関しては、身体拘束に当たることでも行えることにはなっています。ですから、ご家族さんに同意書を頂いた上でミトンをはめさせて頂いたり、行動パターンを把握するまでの短期間センサーマットを使わせて頂くことは、珍しいことではありません。