私の働く施設は有料老人ホームですから、特別養護老人ホームに比べて、介護度の低い方も中にはいらっしゃいます。

 このブログで紹介するのは、どうしても介護度が高い方や、ケアが大変な方に偏ってしまうのですが、実際には、ほとんど介助の必要のない方もいらっしゃるのです(城島さん出見婦人など)。今日紹介するのは、そんな“要支援”レベルの方。

 

 

 佐藤さん(80歳・女性)は初期のアルツハイマー型認知症。まだ本当に初期の段階であるため、日常生活にはほとんど問題なく、スタッフが定期的に援助に入るのは服薬介助くらい。

 あとはたまに、失禁で汚してしまった下着などを隠してしまったり、食事やおやつをとっておいて腐らせてしまったりするため、衛生面での援助が必要になる程度です。

 

 この佐藤さん、こちらが心配になるくらい、人に気を使うタイプなんですよ。

 

 我々スタッフにも気を使い、ほんの些細な失敗でも、『申し訳ありませんでした。』と深々頭を下げられます。なにか嬉しいことがあると、我々の時間を気にしつつも、その感動をしっかり伝えてくれます。 (…例えば、ただ佐藤さんの好きそうな本を、市立図書館で借りてきてあげただけなのですが。)

 

 気遣いはもちろん他の入居者さんにも向けられます。お節介にはならない程度に、できることがあったら助け、寂しそうな方に声を掛け、寄り添い、なにかにつけて褒め称える。その姿は我々スタッフも見習わないといけないと思うほどです。

 

 

 でも、なんだか心配になってしまうんですよ。

 たまにご家族が面会に来られると、全く違う顔がのぞく気がして。昔はバリバリと接客の仕事をこなしていたという佐藤さん。あくまで私たちに見せているのは、“営業スマイル”のような気がするのです。

 

 

 老人ホームとは、いわば “終の棲家”

 “家”なんですから、いくら私たちは他人でも、どうぞ実家のように心からくつろいでくださいな。