前回季節のイベントについて紹介しましたが、季節に関わらず行われるイベントも、もちろんあります。定期的に行われるのは、例えば訪問販売。お菓子や小物、ちょっとした洋服などがズラリと並べられ、自ら買い物に出られなくなってしまった方々、特に女性陣は目を輝かせます。
それに訪問理美容サービスも、ある意味イベントみたいなものでしょうか。近所の美容院がサービスで来てくださる為、散髪にも困りません。大抵の場合はただ散髪して整えるだけですが、希望次第でカラーリングやパーマもOK。ちょっとイメチェンした方は、やっぱりどこか、得意げです。
そして、年に1度程度しか行われないのですが、とても好評なのが、“アニマルセラピー”。犬が3匹ほど、遊びに来てくれます。
もちろん中には苦手な方もいらっしゃるのですが、ほとんどの方はやっぱりワンコ大好き!
すごい効果ですよ。普段無表情でただただぼーっと過ごしている方も、かわいい小型犬を抱かせたらたちまち笑顔に。ほとんど発語がない方も、手を舐められたら嬉しそうに声を上げられます。認知症もないお元気な方ももちろん、とても楽しそうに遊ばれます。
施設主催の季節のイベントで、いくら私たちスタッフが苦労して準備をしても、残念ながらアニマルセラピーほど笑顔は引き出せないんですよね。これにはちょっと複雑な想いです。
近年、ご自身の飼っていた犬や猫と一緒に入居できる介護施設というのもあるそうですが、動物を飼っている介護施設というのも稀にあるそうです。
これ、本当に良いと思うんですよ。確かに、世話をしなければいけない分、スタッフの負担は増えるかもしれません。鳴き声やアレルギーなどの問題も、もしかしたら出ることもあるでしょう。
でも、例えばただ犬を一匹飼うだけで、どれほど大きな楽しみと安らぎを、たくさんの利用者さんに与えられるか。味気ない施設生活に、どれほど彩りが加えられるか。
そんな大げな!と思われる方もあるかもしれませんが、例えば居室から見える草木の変化を日々楽しみにされている方も結構いらっしゃるんですよ。特段きれいでもなんでもない、ただの木でも。
ほとんど変化のない毎日で、あまり楽しみがない毎日で、多分ただの木でも気にしてしまうのでしょう。
それにもし、認知症がない方だけでも、犬の世話を当番制などにして、一緒に面倒を見ることができたら?
介護施設に入居するような高齢者の多くは、“社会的役割”を喪失して、がっくりときてしまっているもの。ただの犬の世話でも、それはもしかしたら、“生きがい”と言えるほどになるかもしれません。
残念ながら私の施設も動物は飼っていませんし、飼っている施設はほんのわずかだと思います。でも例えば引退した高齢の盲導犬や聴導犬を引き取って、最期を共に生活することができたら?
絶っっ対、素晴らしいと思いませんか???