「介護の仕事って大変でしょう。」

 

 介護の仕事をしていると話すと、十中八九そう言われるものですが、実は私、業務自体にはそこまで大変と感じたことはありません。まぁ、夜勤があるから体には負担が大きいし、認知症介護はストレス溜まるし、汚物の処理なんかも避けて通れない仕事ではありますが。

 でも、仕事って、どんな仕事でもそれぞれ大変さがあるじゃないですか。介護が特別に大変なんて言うことは、全然ないと思います。

 

 

 そんな私が、介護職で一番大変で、厄介だと思うことがひとつ。それは、施設介護は、“完全にチームプレイである”ということです。

 

 単純なことで例を挙げると、スタッフAがオムツ交換を雑に行えば、漏れてしまって大変な後処理を行うのはスタッフB。スタッフAが業務をやり残したら、その分スタッフBの業務が増えます。

 早番→日勤→遅番→夜勤と担当がひとりずつ順繰りになっていくため、自分の前の担当がいい加減なスタッフだった場合、業務が倍増するのです。

 

 でもそんなことより困ること。それはカンファレンスで「こうしよう!」と決まったことを無視して勝手な事を行ったり、取り組みをまるで無視するスタッフも中にはいるということ。

 

 例えば「○○さんのこの介助は手を貸さずに見守りのみ!」と決めたのに、『手伝った方が早いから』とスタッフAが手伝ってしまった結果、過剰介護をしない為に“真面目に”見守っているスタッフBが、利用者さんから不親切だと拒否されてしまったり。

 例えば「○○さんの排尿のアセスメントの為に、まずデータをとろう!」とみんなで排尿チェックや排泄量の計測を頑張っているのに、スタッフAがそれをやらず、他のスタッフの苦労を無駄にしてしまったり。

 

 “ケアの統一” は絶対にしなければならないことです。もしスタッフがひとりひとり違うことをやってしまえば、利用者さんは混乱し、その混乱が場合によっては危険に繋がり、またせっかくの問題改善への取り組みが台無しになります。その為に、毎週毎週ケアカンファレンスを行っているというのに。

 

 

 

 

 ……当然、他の業種でも、同じような悩みを持つ仕事はあると思います。でも、介護の場合、ちょっと特殊ではないかと思うのは、これだけ完全なチームプレイなのにも関わらず、各スタッフのスキルとやる気が違いすぎるということ。

 

 まずスキルに関してですが、完全な初心者も歓迎で求人募集している業種なので、介護の“か”の字も知らずに入ってくる新人と業務をすることが多いということが、第一の大変ポイントです。

 離職率が高い=人がすぐ辞めてしまう仕事なので、その分新人が入ってくることも多く、“新人”と呼ばれる人がいないことの方が珍しいこの世界。

 

 普段の2倍大変な思いをしながら頑張って教育し、そろそろ育ったかと思ったら、あっさり辞めていかれる。その、ひたすらの繰り返し、繰り返し……。

 

 そしてやる気。介護職は、学歴も経験も不問・年齢も不問採用試験もなく、言わば“誰でも入れる”広き門なので、本当にいろんなタイプの人が入社してきます。

 例えば、『最近まで引きこもっていました』的な、社会の常識を全く知らない若者が入ってきたり。全く違う業種の会社でリストラにあった、冴えない50代男性が入ってきたり。

 介護がやりたいから入ったわけではなく、『他に入れなかったから』入ったような人も、少なからずやってきます。

 

 本当であれば面接で落とすべきようなタイプの人材でも、人がどんどん辞めていき、求人応募の数は少ないこの業界、贅沢は言わずに雇うしかないのです。

 “利用者さん〇人につきスタッフ〇人必要”という決められた割合を割り込んでしまえば、施設として営業を継続できなくなりますから。介護業界全体は、もう何年も前から、そんな逼迫した状態です。

 

 というわけで、いろんな人=全くやる気もなく、学ぶ気もなく、無断欠勤だって平気でするような人も時には入ってしまうわけで……。ひとり欠けただけでも回らないシフトになっているのに……。

 

 

 

 

 大変ですよ。そういう意味では、本当に、大変です。

 

 せっかくやる気を持って真摯にこの仕事に取組む“プロの介護士”が頑張っても、『ただオムツ替えればいいんでしょ』と入ってくる一部の人たちによって、引っ掻き回され、壊される。そしてそれを繰り返すうちに、プロの介護士たちはどんどん気力を失っていく……。

 

 この事態をなんとかできるのは、各施設の施設長ではありません。国がなんとかするしかないのです。本当に、なんとかしてほしい。

 

 

 

 ……ちょっと愚痴でスミマセン。

 

 

 

私たちはただオムツのオムツ替え要員ではありません↓↓↓