あまり多くはありませんが、こういう利用者さんって、たま~にいるんですよ。なんか勘違いしてしまっている人。

 

 

 私たちは、召使いではありませんパー

 

 

 ……それが、分からない人。

 

 

 

 

 橋本さん(74歳・女性)はパーキンソン病を患っています。

 70代での施設入居はかなり早い方。そして認知機能障害は見られず、頭もしっかりとされており、「私は他の利用者とは違う」と自ら一線を引いて、ほとんど居室から出てこられません。

 

 

 またこの橋本さん、人使いが荒い。

 

 

 ナースコールでスタッフを呼びつけては、

「ちょっと、喉乾いたからジュース持って来て。」

 ……さっきおやつの時間にいらないって言ったくせに。

 

「顔洗うの面倒だから、蒸しタオル作ってきてちょうだい。」

 ……みんな、やりたいことも妥協して生活しているんですよ。

 

「ちょっと、あれとって。」

 

 

……私たちは、召使いではありません。

 

 

 

 もちろん全ての利用者さんに、できる限り自由に、やりたいことをやって生活して欲しいとは思っていますが、残念ながら現実はそうはいきません。

 

 残念ながら私たちは常に手いっぱいで、ひとりのわがままを許したら、他の誰かの権利を侵害してしまう、そんな状況。

 

 

 

 それでも私たちはできる限りの努力をしました。しかし橋本さんは、なかなか言う通りに動かないスタッフにさんざんゴネて、ご家族さんを通してクレームも挙げ、それでも結局満足ができず、紆余曲折の末に、他の“高級”有料老人ホームに移動されました。

 

 

 正直、心底ホッとしました。

 

 

 でも、橋本さんがその後どうされたのやら少し心配。だっていくら“高級”だろうが、どこの老人ホームにも、召使いはおりませんので……。