小さい子供ってそうじゃないですか。

 

お父さんやお母さんから仕事を任されたら、なんでもないことでも途端に張り切る。自主性や継続性、力もなにもないように見えた子でも、人に頼られた瞬間から、なんだかやたらと頑張って、成長する。

 

「人の役に立ちたい。」

「自分はできるって示したい。」

「僕が存在する価値を見出したい。」

 

…それって、人間の本質だと思うんです。

 

 

 

 

 

 

 大抵の高齢者が抱える辛さとはなにか。

 

“友人との繋がりも潰え、他人との関りが減り、孤独に陥ること。”

これを前回挙げました。

 

 

 

その他で、非常に大きなこと。

 

・仕事を辞め(主婦による家事を含む)、社会的役割を失うこと

・できなくなることが増え、自信を喪失。自分に価値が見いだせなくなること

 

 

 

 

 利用者さんで、よくいらっしゃるのですよ。ほんの些細なことでもいいから、スタッフの仕事を手伝いたいとおっしゃる方。本当につまらない些細な作業が、時に利用者さんから取り合いになります。

 例えば清拭タオルを畳む作業。例えば食事前に各テーブルにティッシュケースを置く作業。例えば食後にお盆を拭く作業。

 

 どれも、ものの数分で終わる、簡単な作業。それが、驚くなかれ、取り合いになります。そこまで、皆さん、“役割”を持ちたいんです。少しでもいいから人の役に立って、自身に価値を見出したいんですよ。

 

 

 

 

 “老人ホーム入居のメリット”という表題で書いている割にこんなことを言ってしまうのですが、高齢者の方に“役割”を与えることは、家庭内でも充分に可能なことだと思います。

 

“自分でやった方が楽だから”

と、全ての仕事を、高齢者から奪ってしまってはいませんか?

 

“あなたにはもはや存在意義はない”

と、思わせてしまってはいませんか?

 

 

 

……ありがちなことだと思います。

 

 

 たとえ重度の認知症の方でも、きっとどこかに、“人間の本質”は残ってるんです。当たり前です。人間なんですから。

 

 

 

 

 

 “老人ホーム入居のメリット”。改めて本題に戻ります。

 基本的な人権を守ること。これは、他人だからこそ、真剣に考えられるケースもあるのではないか思います。

 認知症などの障害により、自分で自分を守ることができなくなってしまった方の人権。それは、悪気はなくとも、家族だからこそ、身内だからこそ、蔑ろにしてしまうこともあるのではないでしょうか。

 

 

人が、人として健やかに、

最期を迎えるために。

 

 

家族ではない第三者を介することが、もしかしたら、最良なのかもしれません。