認知症が治ると信じる家族。
癌が進行しているのに「母は元気です」と言い張る家族。
もう100歳近くで、ゆるやかにADLが落ちている利用者を見て「可哀想」と言う家族。
むせ込みが激しい人に、お餅を食べさせようとする家族。
――現場で何度も見る光景だ。
「いつまでも元気」な人なんて、いない。
加齢、体力低下、機能低下、病状。
それが“自然”で、“当たり前”のことなのに、
それを納得しない家族が、一定数いる。
本人が望む“穏やかな生活”と、
家族が望む“元気でいてほしい姿”。
このズレが大きいほど、現場は荒れる。
そして厄介なことに、そういう家族ほど「関わろう」として無茶難題を提示。
“死”に向かう姿を受け入れられないのは、
家族の弱さでもあり、優しさでもある。
でも、もう少しだけ――
その「生へのこだわり」を手放してほしい。
少しずつできなくなっていく事を、受け入れて欲しい。
そうしていかないと、
急変があった時に苦しむのは、いつでも家族。
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