いつまでも元気な人はいない。

みんな「死」へ向かっている。

その途中で、病気が進み、体が少しずつ機能を失っていく。


そして、「その時」が近づいてきたと感じられるようになる頃、

施設としては家族に「看取り契約」の話をする。


だが、時にそれを受け入れられない家族がいる。

普段は全く顔を見せないのに、

“特変(状態の変化)”が起こると決まってこう言う。


「絶対に病院で治療してください!」


ーー愛情ではない。

年金だ。


その入金が止まらないように、

「命」を繋ぎ止めたいだけの家族がいる。


その薄汚い打算を見るたびに、胸の奥がひどく冷える。






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