80代の女性利用者が2人、ソファーに並んで座っていた。
「あたし、背が低いのにこんなに足が太いんだよ」
「そんなことないわよ、あなた色が白くて綺麗じゃない! 私は細いけど色が黒いんだから」
「いやいや、あんたもいい足してるじゃないかい」
「そう? あなたも綺麗よ」
――何歳になっても、女同士の会話は変わらない。
褒め合い、牽制し合い、ちょっとマウントを取り合いながら。
ここ最近は「介護美容」なるものも聞くようになってきた。私の働いている施設でもレクリエーションで、ネイルをする、というのがある。
キレイになると楽しくなる。
テンションが上がる。
それは20代でも80代でも変わらないのだ。
女は老いても女。
