要介護者の状態が悪化した時に救急隊がどのように動くかはあまり知られていません。どんな準備をしておく必要があるかをもっと積極的に広報されても良さそうなものです。なお、総務省消防庁のホームページには、”救急車を上手に使いましょう”が紹介されています。インターネットで調べて下さい。

 以下は私の経験に基づく、東京消防庁救急隊の対応例です。

 119番通報を行うと、出発した救急車から通報者に詳細な状態についての確認電話が入ります。そこで、現在の状態、119番通報した症状、既往症、など質問された項目について答えていきます。自宅の場所がわかりにくい場合、救急車の進入経路を尋ねられる場合があります。進入経路を説明できる時には説明します。救急隊が到着したのがサイレンなどで分かった時には、玄関を開けて、救急隊員を室内に案内します。

 救急隊員は要救助者の状態確認を始めますので、電話で説明しきれなかった情報をここで簡潔に救急隊員に説明します。特に119番通報した一番の理由を具体的にここで説明します。救急隊により搬送すべきとの判断が下されると要救助者を救急隊員が救急車に搬送します。通報者は、要救助者の保険証、お薬手帳、貴重品(現金、財布、カバンなど)などを速やかに準備して、ガス・ストーブ類の消火確認、家電品の電源切り、戸締りをして救急車に急行します。

 救急隊員は、要介護者のかかりつけの病院があれば、そこから受け入れ可能の打診を始めます。受け入れを拒否された場合には順番に受け入れ可能な病院を探します。

 受け入れ病院が見つかったら、救急車を出発させ、病院に急行します。なお、要救助者の病状が急変して生死の境の状態になった時には、直ちに大学病院などへ向かいます。

 救急車で要救助者を病院に搬送中に既往歴、現在の要介護者の状態についてわかる医学情報を求めてくることがあります。現在通っている病院やリハビリ施設から診断書や現在のリハビリ状況についての報告書(計画書)などがあれば、それらを提示します。

 

(電子書籍、「介護はプロジェクト」から一部抜粋)