以下は、私の経験に基づくものです(東京都下)。

 救急車を呼んでから要介護者の診察に必要な物品を用意しているとそれだけで数分のタイムロス(無駄時間)が発生します。また、介護家族者も夜間の緊急搬送の場合、自分自身の着替えと貴重品(現金、財布、カードなど)の準備を速やかに完了しなければなりません。

 そこで最初からそれらをまとめておくことをお勧めします。要介護者の常用するかばんには、重要物品をいつも入れておきます。他にも常用薬がすぐに取り出せる状態なら、一緒に持っていきます。

 要介護者に入院歴があり、その時の診断書やリハビリ中のリハビリ施設から出された月間報告書(計画書)などの医学情報の資料があれば、それらも書類封筒に入れておいて、携行可能なら一緒に持ち出します。

 介護家族者が外出する時の格好(洋服、ズボン、靴下など)は、いつでもすぐに取り出せる状態にしておきます。時間のある時に実際に着替えを全力で試してみて、2分以内で完了するようにします。カバンは大きめのもので、ザックでも良いです。必要なものを放り込めるものを用意します。

 消火確認、家電品の電源切り、戸締りも迅速にできるようにします。これらも訓練を繰り返し、1分でできるようにします。

 要介護者の救助要請を119番で通報した後、症状から判断してかかりつけの病院に搬送するべきと判断できるのであれば、かかりつけの病院の休日・夜間外来(平日昼間なら代表番号)の電話番号に電話して診察可能か打診して下さい。受け入れ可能であれば、救急隊が到着した時にその旨の報告をして搬送依頼を行います。かかりつけ病院から断られたら、その報告もします。ただし、救急隊による判定により別の病院への搬送を決断した場合には、その判断に従います。かかりつけの病院には別の病院に搬送されたことを後から報告してお詫びしておきます。なお、判断がつかない症状の場合には、無理にかかりつけ病院に電話しないで救急隊員の判定を待ちます。

 要介護者が安全な状態(例:ベットに眠った状態)で救急隊の到着を待っている時、可能なら、介護家族者は要介護者の持ち物の確認・自分自身の着替え・自分自身の持ち物確認・消火確認・電源切り・戸締りのうち、できるところだけでも実施しておきます。要介護者の安全が確保できない場合(体を動かす、けいれん症状、舌を噛む恐れがある、要介護者の状態を観察できる他の同居家族がいない)には、救急隊到着まで要介護者の安全確保に集中します。

 

(電子書籍、「介護はプロジェクト」から一部抜粋)