介護認定調査に病院に行ったときのこと。

そこは療養型で、寝たきりの人ばかりがいる。


80後半くらいのおばあさん。

ベッドで寝たきり。

鼻には鼻腔チューブがあり

体は全身硬直し、寝返りも自分では打てない。

会話すらできない。

だんだん悪くなって、この状態で数年になると言う。





前回の調査で下されたのは、

要介護4


ひととおり

介護認定調査を終えた時



会話すらできない母を

ほぼ毎日会いに来ているという息子が

ポツリとつぶやいた。



「これで要介護4なら

『要介護5』ってどんなのですか?」




わたしはそれに何も答えなかった。


おそらく前回と状況がなにも変わっていないので

今回も要介護4だろう。




以前も書いたように

介護度の肝となるのは

「介護の手間」なのである。

つまり、介護にどれくらい世話がかかるか、手を焼くか、なのである。



そういった意味では

このおばあさん。

確かに身体的には

何から何まで世話が必要だが



「問題行動が皆無」である。



つまり

夜中に大声を出す

暴れる

歩けないのに、ベッドから立ち上がり歩こうとするため

常時見守りが必要・・


そういうのがない。





施設職員にとってはとっても





なのだ。



いまの介護制度は

そういう仕組みになっている。