デイサービスでは、ほとんど皆同じ仕事をしていたが

名称的には「正社員」「契約社員」「派遣社員」「パート」

がいて、もらっている賃金は違っていた。

 

同じ場所で同じことをしているのに、給料は違うとは変な話。

条件が違うから変わっても仕方ないとのこと。

つまりパートは安い賃金だけど、滅多なことでは切られない。

派遣は高いけどいつ切られるか分からない。

 

というのがパートおばさんの言い分。

でもこの状況で従業員を切る余裕があるとは? 思えない。

 

ただ派遣の人は比較的若い人が多かった。

この施設だけに縛られたくない、という意志なのか。

1人、とても優秀な派遣人がいた。

20代の女性だった。

とても1つ1つの動きが的確で、言葉も親切、

周りのおばさまからの信頼も厚く、頼りにされていた。

 

ただ何を考えているのかは分からなかった。

誰とも深く関わりをもたないようにしているかのようだった。

 

なんとなく好奇心で話しかけると、思いがけず個人的なことを話してくれた。

 

そのたった数カ月後、月をまたぐと彼女はいなくなっていた。

より条件の良い場所に移動したらしい。

 

あれほど、彼女を高く買い、頼りにしていた人達が

「何も言わずにいなくなるって何?」

「挨拶も無いなんて、常識ないよね」  

彼女を悪く言った。

 

多分、こういうのが嫌だったんじゃないの?

 

なんて。 

 

思うけど言わない。

 

 

 

ぱんだ

 

 

月が変わるたび、シフトから誰かの名前が消えていく。

 

そんなことにもすぐ慣れていく自分がいた。