デイサービス時、好きだったお婆さんがいる

見るからにお婆さん。97歳くらいだったかな。

 

車椅子に座って、花柄のひざ掛けをいつもしていた。

よって花子さんと呼ぶ。

花子さんはチャキチャキした感じの娘さんと2人暮らし。

おとなしくて口数が少ないけれど、こちらが言ってることは

全部分かっていると思う。

 

花子さんの対応をしていて一番驚いたことは

ここにいる80過ぎの人々ほとんどが、リハビリパンツを当たり前のように

使用しているのに対し、97歳で車椅子の花子さんがそれを使ってないということ。

自分でトイレに行き、誰の手も借りず出てくるということ。

入浴介助をした際、花子さんの布パンツを見て思わず

「えー?すごい!」声をあげてしまった。ニヤニヤ

 

一度、車いすの扱いを私が間違い

花子さんを危険にさらしてしまったことがある(゜д゜;)

花子さんよりも私の方がビックリしてしまい

「わわわわわわ〜〜ごめんなさい!花子さん許して〜〜!」

と叫んだら、いつもは無表情の花子さんが

 

「・・・うふふふふふ♪」 含み笑いをしていたコアラ

 

 

 

しかしフロアにいる時の花子さんは、周りの人と積極的に

話すこともなく、ただウトウト居眠りしていることも多い。

食欲がなく、グッタリしている。

あまりに何も食べようとしないので、せめて飲み物を。となり

栄養が多い専用のドリンクを用意する。

 

周りの職員が「花子さんこれ飲んでー!飲まないとダメよー」と言うと

「要らないわ」「もう大丈夫」と小さな声で断る。

しかし娘さんから「なんとか飲ましてほしい」

と言われているらしく「いいから飲ませろ」と私が?!命令されるえー

 

この施設には若くて可愛い看護師さんと

歳食ってて怖い鬼ばばー看護師がいるのだけど

鬼の方が「飲まないって言ったから、はい分かりましたじゃダメなのよ

飲ませてほしいっていうのが家族の要望なんだからさ」とネチネチうるさい。

鬼が離れた際に、私は花子さんに小声で話しかける。

 

「花子さん、今喉乾いてないですか」

「・・大丈夫」

「これ不味い?」

「そうね、甘すぎる」

「そっか甘いんだね。でもねこの中には栄養がたっぷり入っているんだって」

「そうなの?」

「そうなんだって。だから飲んでほしいな。

 これ一杯飲むともっと元気になるって。あの怖い看護婦さんも言ってるよ」

「そうー」

「少し飲んでみますか?」

「はい」

 

花子さんは素直に差し出したコップに口をつける。

 

するといつの間にか近づいてきた鬼バカが

後ろから大声で「そうそう飲むのよ!飲まなきゃ元気にならないよ!」

とか余計なことを言うので、うるせーなーパンチ!

と舌打ちしていたら(聞こえないように)

 

「どうもありがとう。。。」

 

小さな声で花子さんが呟いた。

 

話せばわかる、説明したら納得するのに

こちらの要望だけを大声で怒鳴るんじゃ、相手もうんざりだろう。

かえって時間と手間がかかることも。

 

ーーーーー

 

この後も花子さんの食欲はあまり復活せず

娘さんも職員も

「食欲がなくなるってことは終わりが近づいてるのかな」

 

なんて話をしたりした。

 

 

が!

 

 

その数ヶ月後、仲良しおばさまから聞いた話だと

彼女は新しく入った男性職員にやたら興味を持ちラブ

 

 

「アンタ、結婚してないでしょ。絶対してないね。私は分かるんだよ!」

 

やたら話しかけ続けてるというのだ。 

 

あの、寝てばかりいた小声の花子さんが?

 

ほんと⁉️

 

 

 

 

女というのは分からないちゅー

 

男によって人格が変わる。

 

人生も変える。

 

 

あと100年くらい生きそうだ花子さん。