特別養護老人ホームでのお話。
ここは、一定期間お預かりする場所ではなく
老人がずーっと住んでいる場所、つまり家です。
パッと見、顔も体もしっかりとしていて
いかりや長介氏に似ている(女性です)彼女、
いかり子さん(仮名)は声も宝塚ばりに
よく通る大声。話しかけると
「はいっ」
「わかりました!」
「どうもありがとう!!!」
部屋の端まで聞こえそうな良い返事。
歌も上手そうだなーと思ってたらやっぱりそうだった。
カラオケタイムでは、歌詞カードも見ずに
そらで悠々と歌謡曲・軍歌を歌い上げる。
この人が施設に来る必要ってあるのかな・・?
と思っていた矢先、
いかり子さんの古い友人が彼女に会いにやってきた。
通常サバサバさっぱりしているいかり子さんの目が
いっきに充血した。
「わあ!来てくれたの!」 涙ぐむいかり子さん。
そんないかり子さんを見るのは、他の人にとっても初めてだったようで
よほど仲がイイヒトだったんだろうね~と話していた。
ひとしきりお部屋でお話をして、別れ際も
「また来てね!
」
「また来るよ!
」
手を取り合って。
その後おやつの時間になり、従業員がお菓子とお茶を出しながら
いかり子さんに話しかけた。
「良かったですね、いかり子さん。ご友人、仲良しだったのかな?」
いかり子さんは、いつものサッパリいかり子さんに戻っていて。
そして言った。
「・・・え? 誰か来たの?」
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これが脳の病気なのか・・・
・・・
見た目元気なだけに、かえって悲しい。
刹那に生きる人々よ。
本人は覚えてないから平気だが、周りがショックを受けている
…