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介護マップ ブログ

共同メディアが発行する、愛知・三重・静岡の
地域介護支援マップ、介護マップのブログです

2025年問題をはじめ、介護において一番の問題となっているのが人材の確保。新しい人材への求人はもちろん、今現場にいる人材に長く活躍してもらうことも重要です。そこで、事業者にも現場のリーダーにも、今後介護事業への進出を検討中の人にも役立つ研究をご紹介。


【介護事業研究会 平成28年度第五回例会】
介護事業者や運営を目指す個人、法人などを対象に、3か月に1度ほどの頻度で開催されている研究会です。「第5回例会」は、5/24(火)に名古屋市中区栄で開催。
「介護管理者が行う、離職を防ぐ職場づくり・人間関係づくり」をテーマに、人が辞めない職場環境の整備や、人間関係を円滑にする組織づくり、コミュニケーション術ややる気を引き出す教育制度など、介護の現場での成功例や失敗例に学び、意見を交換します。
講師は介護福祉士養成の教員であり、介護、障がい児からコミュニケーション術まで数多くのセミナーも手掛ける西井敏子さんです。

日時 :5/24(火)午後5:00~7:00
会場 :名古屋市中区錦3-25-11 日生村瀬ビル会議室
交通 :地下鉄栄駅6番出口より徒歩1分
費用 :1,000円(資料代)

なお研究会終了後、「居酒屋Dining Vearth」で懇親会を開催。懇親会参加費:4,000円程度を予定しています。

お問い合わせは、福田社会保険労務士事務所(柴田)まで。
電話 :052-304-8169
FAX  :052-302-8269
mail :info@fukuta.info

詳しい内容はこちら
http://fukuta.info

皆様お久しぶりです。初めに約1か月間、更新できなかったことをお詫びいたします。ごめんなさい。m(_ _)m


この間、熊本大地震が起き、現在も避難生活を続ける人がたくさんいます。被災された方と被災地域の方に心よりお見舞い申し上げます
被災による苦労は並大抵ではないですが、要介護者さんやご家族はさらなる困難に合うことも少なくありません。そこで地震などに備えた事前準備を2つ紹介します。

●薬などの情報はケータイで保存
要介護者や病気持ちの方が被災して困るのが、服用していた薬などの医療情報がわからなくなること。服用薬を避難時に持ち出せればよいですが、混乱のうちに紛失することが多いようです。ところが意外とケータイなどのタブレット端末は肌身離さず持ち出す人が多いので、お薬手帳診察券などの写真をケータイなどに保存するのがおススメです。本当は保険証やマイナンバーなどの写真も残すと良いのですが、今度はケータイを盗まれた時などに犯罪に使われる危険性が増すので、気を付けましょう。

●福祉避難所を事前に確認
全国の約2/3の自治体では、一般の避難所とは別に介護施設などを福祉避難所に指定しています。まずは一時避難所に避難するとしても、要介護者さんは可能な限り早く医療や介護の設備、人員がそろう福祉避難所に移るのが望ましいです。熊本では混乱を避けるため積極的な情報通知はなされなかったそうなので、自分の住んでいる地域や周辺市町村の福祉避難所事前に調べておくことが重要。
愛知県でも春日井市(16か所)のようにHPで指定福祉避難所の情報を告知している市もあれば、名古屋市(103か所)のように市民だよりや議会報告などでひっそり告知している市もあります。一宮市のようにHPでの報告のない市やそもそも指定が1か所もない市町村もあり、指定の現状は自治体によりバラバラ。一度役所の窓口で尋ねてみるのが良いでしょう。

明確な基準が定まってきたら、私たちの介護マップ(http://kaigomap.com/)や医療MAP(http://www.iryou-map.co.jp/)でも、現在掲載中の一時避難所広域避難所同様に福祉避難所を地図に掲載できるよう、情報収集に努めたいと思います。
●介護スタッフに多いロボットアレルギー
囲碁のトップ棋士が人工知能に敗れて話題になり、複雑な思いの囲碁好き高齢者も少なくないでしょう。人工知能がますます進化し、介護の現場でも人手不足を補う手段として、ロボットの普及が期待されています。


ところがどうも多くの現場でロボット化は歓迎されていないようです。「自分たちの仕事を奪われる」心配だけでなく、そもそも「こころ」がないロボットでは良い介護が提供できないという不安が大きいようです。

●ロボットの得意分野で人をサポート
現場の不安はもっともで、ロボットが苦手「突発的な問題」は日常的に起こりますし、個々の問題の解決解順位の決定や、性格や家族、相性など、多様な背景を「総合的に」判断することもロボットには難しい。また大小の問題が起きた時に、感情的なしこりを含めた解決(謝罪とか誠意とか…)は100年後でもロボットには無理かもしれません。

ではロボットにはなにができるのか
1)同じ作業の繰り返し。これは食器洗浄などの単純作業にとどまらず、カラオケや体操の提案などを、1日何度でも利用者が変わるたびに繰り返し行うといったレクリエーションで一番の強みを発揮します。今話題のPepperなどのコミュニケーションロボットも、こうした使われ方で人以上の成果を挙げています。

2)肉体労働の軽減。いわゆるパワードスーツや機械浴室の多目的リフトなどです。介護業界を離職する人の理由で「腰痛」は常に1~3位に入ってきます。すべてを機械任にするのではなく、作業負担を軽減する補助装置は価格も性能もかなり実用的なレベルになっています。

3)事務作業全般。パソコンのさらに進化した形として、今後期待される分野です。音声入力やタブレットとの連携などで地味に時間のかかる事務作業の効率化や、情報の蓄積・共有が図れます。

●ガン発見装置に長年取り組んだ大学教授の体験
今から30年も前にガンを早期発見する人工知能の開発に取り組んだ、某大学の教授から聞いた話です。「人間の医者を超える装置を作ろう」と意気込んでいた研究当初はどの医者からも相手にされず、ガン患者患のカルテすら入手ができず、開発が進まなかったそうです。しかし数年後に「人を超えるのではなく、人が苦手な部分をサポートする装置を作ろう」と発想を変えたところ、驚くほど多くの医者からの協力が得られ、現在は95%以上の制度で臓器の裏側のガン細胞を発見し、医療現場で活躍しているそうです。

介護の現場でも、介護スタッフと介護ロボットが対立するのではなく、互いの苦手分野をサポートしていくことで、2025年問題などこの先の人手不足に対応していく必要があります。

ロボットを使う際、苦手分野=「こころ」、得意分野=「頭脳」というイメージでは多分失敗するでしょう。
ロボットの短所=「融通が利かない、多面的アプローチができない」
ロボットの長所=「飽きない、疲れない、余計なプライドがない」
まずはそんな使いやすい新人を迎えるイメージでロボットとの共存を考えてみてください。

●今年に入って新タイプの認知症保険がトレンドに⁉
認知症の方の列車事故をめぐる損害賠償裁判の時に「認知症対応の保険が増えそう」と書きましたが、生命保険業界のトレンドになりそうな勢いです。


まず3月に太陽生命から登場したのが「ひまわり認知症治療保険」(https://www.taiyo-seimei.co.jp/company/notice/download/press_article/h27/280202.pdf)。

選択緩和型の商品としては業界初!とのことで、病歴や健康状態にかかわらず、つまり高齢者でも加入が簡単な保険です。「器質性認知症」を対象としているので、医者に後天的な「認知症と診断」されたほぼすべての場合に、一時金や治療費などが受け取れます。ただし、「激しい物忘れ」などのボケ症状ではダメです。
加入者の多くが既になんらかの保険に入っていると思われるので「7大成人病」や「骨折」などのサポートは特約で十分だったと思いますが、白内障など高齢者率の高い症状へのサポートはうれしいかも。

●大手生保からはケアマネにもうれしいサービス付き
大手の一角、朝日生命保険が4月に発売開始したのが「安心介護認知症保険」(http://www.asahi-life.co.jp/company/pressrelease/20160322.pdf)。

保険給付時に家族などにとって手間になる「診断書取得代行」サービスが一番の特徴です。ほかにも年金型と一時金型が選べるなど、セレクトの幅が広いようです。ケアマネにとっても診断書取得代行を確実にしてもらえるなら、申請時などの負担が減りそうですね。…だからといって相談もされてないのに勧めるのは問題かも、ですが。

●認知症治療は自分で備える時代に
他の生命保険会社からも認知症をサポート、特化した保険が登場するのは間違いないでしょう。認知症患者の急増とともに、介護負担が金銭的にも肉体、精神的にも一気に増えることが浸透しはじめたと思われます。
保険会社が主催する認知症カフェや認知症サークル、見回りサービスとのセットなどもすぐ出てくると思います。ただ、裁判で注目された、各種の損害賠償まで確実にサポートする保険となると、まだまだ難しいのかも知れません。

●まだまだ盛り上がりを見せる保育園不足のニュース

保育園落ちた」以降、連日保育所の定員不足がニュースになり、保育士不足は「低賃金が主因の一つだから、待遇を改善せよ」という主張も与野党問わず飛んでいます。
野党は「一律5万円UP!」と息巻いていて、その財源を介護を含めた福祉財源に求める声すらあります。少し前まで「2025年問題!介護士を増やせ」なんて言ってたのに、ニュースやSNSの力は怖くすらありますね。


ところでニュースでよく出てきたキーワードとして「保育士の平均給与は社会平均より10万円低い」というものがあります。介護職不足のニュースでも、「介護職の平均給与は社会平均より10万円低い」ということが言われていましたが、では保育士賃金=介護職賃金なのでしょうか?

厚生労働省「賃金構造基本統計調査」によると保育士の平均年収は約317万円とのこと。全業種平均で約440万円ですので、実際に月10万円ほど安いようです。
一方、介護職約365万円。ただし、従業員に限れば施設系280万円、訪問系260万円というデータもあり、こちらの方が介護の現場で働く方の実感に近いかも知れません。また保育士が勤続年数にほぼ給与が比例するのに対し、介護職はケアマネや施設長から無資格の方まで、様々な人を含んでいます。
ちなみに幼稚園教諭は厚労省の資料で平均347万円です。

●介護職や保育士の給与はなぜ低いのか

まず、数字上低く表れやすいという問題があります。以前のブログ(http://ameblo.jp/kaigomap/entry-12055495856.html)でも紹介した数字ですが、介護職の勤続年数は6年弱です。保育士は8年弱。大手企業ですと20年前後になるので、こうした対象者の違いがまずあります(当然調査対象の平均年齢も異なります)。
また、保育士も介護職も女性比率が高い。数字上は全職種平均で年収が男性524万、女性364万程度ですので、男女比の問題は数字への影響が大きいです。これは男女の格差が社会に根強く残っているのと同時に、男女の平均勤続年数差(就業者の年齢差)も大きく影響しています。
また学歴による賃金格差は大卒以上と短大卒以下年間約170万円にもなり、やはり大卒以上の比率が高い業界ほど、平均賃金も高くなります。
また、従業員が数千、数万を超える超大手が少ないことも、介護や保育業界の賃金が低く表れる一因になっています。

こうしたフィルターを全部とっぱらった場合の数字は、見た目ほど大きくはないはずです。しかし、それでも保育士や介護職が世間の同学歴、同性、同勤続年数の平均に全然届いていないのは確かでしょう。なぜでしょうか?

●職業の専門性を社会にアピールしよう

ここで冒頭の保育士と幼稚園教諭の賃金格差がなぜあるのか、考えてみましょう。
保育士の仕事は育児です。一方、幼稚園教諭は小学校の先生などと同じく、教育が仕事になります。仕事の実態が似ていても、保育士資格は厚労省、幼稚園教諭の資格は文部科学省の管轄となります。介護福祉士も厚労省の管轄ですね。
厚労省が悪いわけではないですが、ここに仕事に対するイメージ差が生まれます。つまり「教育者である幼稚園教諭は専門職である」一方、「保育士や介護職は、本来家庭で行うべき役割を外に出している」という認識です。ハッキリ言えば、「保育士や介護職は誰でもできる仕事をしている」と思っている方が多いということです。
もちろん実際はそんなものではありません。寝たきりの老親の介護に苦労している人から見れば、デイでの素早い入浴介助は魔法を見ているようです。育休中のお母さんにとっては、10人の1歳児が一斉に昼寝している光景は、何かの奇跡を見ているようです。そこに専門職ならではの技術やノウハウ、勉強のあとがあるわけです。

介護職や保育士を広く確保するために、資格のハードルを下げることや「誰でもすぐできます」というような求人も必要でしょう。でも並行して、あるいはそれ以上に、介護職や保育士の仕事は、プロフェッショナルである、という業界全体のアピールが大切なのではないでしょうか。
超少子高齢化問題がある中、幸い世間の耳目は当分介護問題、保育園問題に集まり続けるはずです。労働環境の悪さばかりがマスコミに取り上げられますが、その専門性を取り上げてもらうことが、構造的な低賃金脱却に必要だと思います。

●厚労省の管轄になる業界とは…

もちろん専門性の有無以外にも低賃金の原因はあります。一般に厚労省は、社会のセーフティネットに関わる業界を管轄します。医療を含め、低収入の世帯を含めた全国民がサービスを受けられるように、保険や補助金などの制度があり、お金持ちだけを対象にバンバン儲けることが難しい仕組みになっています。利用者保護の観点からは正しいのですが、現状では現場の従業者にそのしわ寄せが来ているとも言えます。こちらはより難しい問題ではありますが、介護士や保育士の専門性が、学校の先生並みだと認められれば、相応の待遇になっていく、はず…。