04 介護の場は利用者に向けにつくるべきか職員向けにつくるべきか | 介護環境快適化講座

04 介護の場は利用者に向けにつくるべきか職員向けにつくるべきか

介護環境デザイナーの間瀬樹省です。

 

 

12月5日〜6日に高齢者住宅フェスタというイベントがありました。


私はその中の「未来の高齢者住宅をハードから考える」というセッションでパネラーを務めさせていただきました。





座長はスターコンサルティングの糠谷社長、パネラーはシルバーウッドの下河原社長や大手介護事業者さん、設計事務所さんと私の合計4名。


それぞれの会社の取り組みついて発表したのち、座長から質問をされました。


「間瀬さんは介護施設の設計を専門にされていますが、スタッフが働きやすくするためにどのような工夫をされていますか」


私は色々と答えを用意していたのですが、時間もあまりなく要約して喋ろうとしたら一つのことしか言えなくなってしまいました。


それは「利用者さんがご自分でできることを増やす」ための工夫を行うということです。


介護施設の設計を行う際には、色々なことを考えます。


利用者、介護職員、物品の移動という動線の計画。

洗面やトイレ、浴室等の機能的空間のレイアウトや設備の計画。

色や素材などの居心地やわかりやすさの計画。


どれも大切なのですが、結局判断の基準は「利用者がいかに使いやすくわかりやすいか」になっています。


利用者が心地よく利用でき、ご自分でできることが増えれば、介護でサポートすることは少なくて済みます。


そうすれば結果的に介護が楽になるので、職員にとっても良い空間であるということが言えるわけです。


色々な工夫のポイントはあるのですが、結局判断基準は一つなのです。


当日は「入居者に喜ばれるハードは」という質問もあったのですが、結局同じようなことを答えてしまいました。


なんだか、視野が狭い人間に思われてしまったようで少々反省もありますが、自分の姿勢が伝えられたことは良かったと思っています。


*****


設計者として打合せをしていると、事業者さんから「とにかく職員が働きやすい場にして欲しい」と言われることがあります。


でもそれは「利用者が暮らしやすい住まいを作る」ことと同じであると思っています。


おそらく一般的な「職員が働きやすい」場とは、利用者を管理しやすい場のことを指しているのでしょう。


でもそれをやっていると、利用者の暮らしは上向かず、ご自分で出来ることが減る一方で職員が大変になるだけです。


日々増える作業をひたすらこなす職場になり、職員は燃え尽きて辞めていきます。


悪循環ですね。


そうでなく、利用者が元気になり職員が目標とやりがいを持って働くことのできる職場をつくり、好循環をつくらないといけません。


すでに、介護施設の供給は需要に対し十分満たされつつあると感じます。


今後は、利用者の満足度がより大切になり、ご家族が「ここだったらうちのばあちゃんも元気に暮らせそう」と思える場所にすることは必要です。


そして当然優秀な職員の確保が不可欠で、そのためにはやりがいを持って働くことのできる職場にしておくことが大切なのです。


そうしないと今後生き残っていけません…


介護の場創りは事業者の考え方を反映しますし、選ばれる施設運営を行う上で不可欠なツールなのです。


年末が近づいてきましたが、来年はぜひ介護の場をどのようにすべきかを考え実行する一年としてください。


必要なお手伝いはさせていただきますのでお気軽にご連絡ください!

 

 

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