介護施設づくりの基礎知識 その16「居室洗面」 | 介護環境快適化講座

介護施設づくりの基礎知識 その16「居室洗面」

 
介護環境デザイナーの間瀬樹省です。


介護施設は自宅とは違って共同生活。


ですので、スペースの使い勝手はそこに暮らす皆様方なるべく多くの方が使いやすいようにという視点で設計を行います。


でもそれと違うのは個人の専用スペースである居室、個室の計画です。


共用のスペースと違って、そこに住む方に最大限使いやすくなるよう環境を整えることができるはずです。


とは言っても、入居者が変わるたびに洗面やクローゼットを作り変えるという訳にもいかない…


ではどうしたらよいかということになりますが、入居する方に合わせた可変性をもたせておくということになるでしょう。


ベッドの位置は、そこに住む方が一番使いやすい向きにしたい、となればナースコールの位置が変更できるいいですね。
(これについては別の機会にお伝えしますね)


同様に洗面も大柄な方が立って使用するのと小柄な方が車椅子で使うのは全然違うので使いやすい高さに合わせる必要があるでしょう。


この洗面ですが、高さが可変できるようなものを整備している例は非常に少ないです。


一般的に、可動式の洗面は非常に高価であると思われています。


その原因は、可動式洗面の多くが電動式だからでしょう。


でも入居者の入れ替わりはそんなに頻繁ではないはず。だったら電動ですぐに高さを変更できなくてもいいはずです。


私が過去に設計した例では、手動で高さ変更する洗面を計画しました。


20150522_居室1
手動で高さが変更できる洗面


高さを変更する場合は、二人掛かりで少々手間がかかります。


それでも利用者ご自身がご自分で使用できるということはご自身の自立や満足度を高め、介護の軽減にもつながります。


洗面についてさらに言えば、居室での生活行為は洗顔や歯磨き、うがいだけではないはず。


飲み物を作ったり、軽食を用意したり、洗い物をしたり…
せっかくならそんな行為にも使用できるものにしたいですね。


高さの可変については、例えばクローゼットのハンガーパイプなども同様の配慮が可能だと思います。


そこにお住まいになる方に合わせた快適な環境を提供するために設計時にはこれらのことに配慮して欲しいと思います。


介護施設の計画時には、様々なことに配慮ができるはず。より快適で自立した生活を設計の工夫で実現したいものです。


実際に計画を進める際や設計上でのご質問などあればメール等でお問合せください。


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>ケアスタディ株式会社


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