介護施設づくりの基礎知識 その12「便器」
介護環境デザイナーの間瀬樹省です。
前回は浴室の浴槽についてお伝えしましたが、今日はトイレの「便器」についてです。
便器にも色々なタイプがありますが、一見しただけでは違いがわかりにくいですね。
私自身もカタログを見ただけではよくわからず、メーカーの方に補足の説明をお願いしているのが実情です。
ここでは、チェックしておいたほうが良い機能についてお知らせしたいと思います。
・流すボタン(レバー)について
一般的な便器の場合、流すボタン(レバー)はタンクの横についていると思います。
介護が必要な方の場合、用を足したあとに振り向いて流すレバーを操作するのは大変です。
ですので、流す操作は壁にリモコンを設置し、そのボタンを押すことで流せるものが良いです。
このボタンですが、お尻の洗浄機能のリモコンと一緒になっているとボタンが多くて分かりにくい…
流すボタンがとてもわかりやすく目立つようになっているか、あるいは流すボタンが別になっているものにすると良いと思います。
・ウォシュレット
TOTOだとウォシュレット、LIXILならシャワートイレという名称のお尻を洗浄する機能。
このリモコンが便座の横についていると操作が大変ですし介助の邪魔にもなりやすいです。
リモコンは壁付けのタイプを選び、なるべくデザインや操作がシンプルで分かりやすいものを選びましょう。
・掃除口付き
介護の現場では、利用者さんが間違ってトイレに何かを流してしまいトイレが詰まる、ということがあると思います。
スッポンってやつ(ラバーカップというそうです)で詰まりが解消できればいいですが、それでも直らなければ修理を頼まなくてはならなくなります。
その間トイレは使えず不便しますし、メンテナンスの費用もかかってしまいます。
そんな時のことを考え、トイレのパイプに詰まった異物を取り出すことのできる「掃除口」が便器の下部についたタイプの便器があります。
そんなに頻繁に詰まることはないと思いますが…保険と思って掃除口付を選んでおくと良いと思います。
・タンクのふた
公共のトイレでは、口径の太い水道が引かれていて水の勢いがあるのでタンクのない「フラッシュバルブ式」が設置できます。
それに対し住宅や施設ではタンクに水を溜めて流すタイプが一般的ですね。
最近は、タンクが便器と一体になっていたり、小さいタンクを併用したフラッシュバルブ式のトイレも発売されています。
タンクにはふたがありますが、気がつくとその中に思いもよらないものが入っていたり、なんてこともあると思います。
そんな心配をしなくていいように、ふたをネジで固定できるタイプの便器も発売されています。
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さて色々と書いてきましたが、私がいつも気になっているのは実は便器の高さです。
排泄がスムーズに行われるためには、足がしっかり床について安定した前傾姿勢をとれることがとても大切です。
でも各社から発売されている便器のサイズ(高さ)はほぼ同じ。小柄なお年寄り向けのサイズは選べないのが実情です。
高さが低いと立ち上がりがやりにくいという意見もありますが、私は排泄がしっかりできることを優先すべきと思います。
この問題は私の中でまだ解決できていない課題の一つです。今後取り組んでいきたいと思います。
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今日は便器について書きましたが、トイレについてはトイレ内のレイアウトや手すり等の配置もとても重要です。
介護施設の設計時には、利用しやすく介助も行いやすい、排泄がスムーズな使いやすいトイレをぜひ計画してください!

掃除口付でタンクがネジで固定できるタイプの便器を使用したトイレ
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