夫はとても運動神経がよく、
子どもの頃はいつもリレーでごぼうぬきだったらしい。
職人になるぐらい手先も器用で丁寧で繊細だった。
何かをするにしてもちゃんと順序立てて無駄がなかった。
そんな夫がALSに罹患し動けなくなった。
あんなに活発だったのに、、
夫を見るたびいつも思う。
明日のことはわからない。
人はいつどうなるかわからない。
だから今も夫に何かあるかもしれないと覚悟もしている。
でも覚悟はしているけれど諦めてもない。
逆に奇跡もおこるかもしれないと真剣に思ったりもする。
何か薬が見つかるかもしれない、
薬がなくても急に進行が止まるかも知れない。
あれ?いつの間にかよくなっていないか?とか。
そんなことを真剣に信じている。
ALSになってしまったように、
何か起こるかもしれない。
それをずっと心に抱いて強く、、とかではないが、
心のどこかで、頭の隅っこで、
そんな気持ちが根付いている。
正気でそんなこと思ってるのか?と言われたこともある。
当然、正気である。
だから頑張れる、思ったもん勝ち。
どんな辛いこともしんどいことも、
ブーブー言いながらやれている。
なのに時にはやるせない気持ちにもなる。
やっぱりダメかと不安でいっぱいになる。
心も病む。
何を夢みたいなこと思ってるんやろって。
いい加減受け入れないとって。
そんな時はいっぱい泣いて、いっぱい嘆いて、
切り替える。
私が頑張れていたり、かと思えば辛くなったり
どんな時でも、
ふと夫を見るといつも変わることなく凛としていて、丁寧に生きている。
そのぶれない生き方にいつも感心する。
だから私も負けずに清々しく充実した人生にしたくて頑張ろうと思える。