夫はリビングでテレビが見やすいようにベッドを配置していて、

いつも大好きなテレビ番組を見ている。

スピーカーをベッド上に置き、

Bluetoothで飛ばして準備万端、

視聴予約に録画予約、

日中は看護師さんやヘルパーさんまでが

チャンネルを変えたり、録画番組を見せたり、

とにかく夫はテレビが大好き。

寝たきりになる前に夫が私に

「俺、動かれへんようになっても大丈夫かも知れへん、好きなテレビをずっと見れるからな!」と

言ってたのは本心だったんだなと思う。

それは本当に良かったと心から思っているが、

とにかくチャンネル権を譲ってくれない。

夜や、日曜日、二人で過ごしている時、

私もリビングにいて、

仕事で見れなかった録画番組を見たいと言っても、

自分が見たい番組があったら絶対見せてくれない。

夫には夫のテレビスケジュールがあるらしい。

「なんで?録画して日中見たらええやん!

私、いつも見られへんやん!」「お願い!」

と訴えても、

あかんとばかりに目を👀とNOのリアクションをする。

それはそれは意地悪な目だ。

娘たちに愚痴ってもなぜか

「良かったな!」

「ママはスマホがあるからTVerで見ればいいやん」と言われ、

とてもとても腹が立って、ぶつぶつ文句を言っている私をよそに、夫はテレビを満足そうに見ている。


でも、怒りながらも本当は嬉しい私がどこかにいる。