告知されたばかりの頃、

前の職場の忘年会の帰り、

イルミネーションを見ながら

「なんでなん?」「何で旦那なん?」

って何回も言い、ひとり泣きながら家に帰った。


綺麗なイルミネーションが違う色に見えて、

行き交う人がみんな羨ましくて、

自分がひとり違う世界にいるみたいだった。

イルミネーションを見ると心がズンと痛くなった。

あんなにキラキラ綺麗な、誰もが癒されるイルミネーションが辛かった。

綺麗だなぁと思うが、

辛く悲しかった。


あの頃、

テレビでイルミネーションが点灯したと言うニュースを見て夫が

「綺麗やなあ、なんか辛いなぁ」

と呟いた。

「私も思ってた。

イルミネーションを見て辛いなんて、私ひとりだけと思ってた。」

そう言うと、


「そんなことないで、

辛い気持ちで見てる人も中にはいてると思う。

いろんな思いで見てる人もいてると思う。

めっちゃ綺麗もんなぁ」

夫はそう言った。


イルミネーションはみんなを楽しませたり癒やしたり、時には辛くなったり、

見る人の気持ちで見え方が違うんだなぁと。。


あれから何年か経ち、最近は、

綺麗で楽しくて、

いろんなイルミネーションの写真を撮り、

夫に見せて二人で喜んでいる。


あの時の話をすると覚えていないと、笑った。

なんでも忘れてしまう夫に

「なんで覚えてないの?」と言いながらも、

辛かった思いがすーっと軽くなっていく。


今年は忙しくてまだ見に行けていない。

なんとか撮りに行って見せてあげないと、

と思う。

夫も楽しみしている。