最初は二週間に一回通院していた。
夫は左手から、右手、その次に足に症状が出た矢先に舌の筋肉の萎縮も始まった。
その頃、ALSに詳しいと言う人に(何をもって詳しいのか今ではわからない)
うちの夫は進行の早いタイプかも知れないと言われた。
私は怖い話からは逃げるタイプなのでそれ以上は聞かなかった。
ずっと心に引っかかっていたので、思い切って主治医に聞いてみると、
「この病気はいくつかの型に分けられ、その割合や、進行速度のデータはあげられているが、年齢や、環境、さまざまな何かがあるだろうし、まだまだわからないことも多い(当時)ALSは千差万別、ひとりひとりそれぞれ違う、早いタイプとかは結果論で今は関係ない」と言ってくれた。
先生は力強く、私たちが頑張れるように背中を押してくれるような言い方をしてくれた。
いつも明るく診察室に迎え入れて、元気よく声をかけてくれ、真剣に話を聞いてくれた。
受診するのは大変になっていったけど、
難病センターの方もサポートしてくれたり、
通院しながら、ALSでもやっていけるんだと次第に思えるようになっていった。