⑩奥歯上下カミカミ体操(天の体操) | 介護予防体操=新しい元気が湧き出す体操

⑩奥歯上下カミカミ体操(天の体操)

 「ご馳走様」と食事を頂いたことを感謝する言葉には、それを用意して下さった多くの方々に向けての気持ちが詰まっていることでしょう。しかし、自分のからだの部分である顎(あご)の部分が「食べること」に働いてくれたことへの感謝の気持ちも忘れてはならないことだと思います。さらに、絶大な協力器官である舌にも感謝しましょう。
 食べ物を自分の歯で噛んで食べることができる人は、生きている喜びを常に感じていることでしょう。とくに奥歯をしっかりと噛み合わせて、味わい頂くとき、有り難さは天の部分に届きます。
 食べ物をかみ砕くことは咀嚼(そしゃく)といいます。それは奥歯の仕事です。口の奥のほうにある臼歯(きゅうし)は、上下左右で合計20本あります。小臼歯2枚、大臼歯3枚ずつです(B図参照)。その上下を噛み合わせるためには、咀嚼筋(咬筋、側頭筋、内側翼突筋、外側翼突筋の四対)が働きます。


咀嚼筋 側頭筋 咀嚼筋 咬筋
咀嚼筋 内外翼突筋

 
 では奥歯上下カミカミ体操を始めましょう。
 まず、左右の奥歯を噛み合わせることから始めます。奥歯噛みしめ10回です。(作動する筋肉=側頭筋・咬筋・内側翼突筋)


奥歯噛み合わせ
   


 次に下顎を左右に動かします。下顎横ずらし10回です。(作動する筋肉=内側・外側翼突筋)


顎横ずらし
  

 さらに、下顎を前に突き出します。下顎前ずらし10回です。(作動する筋肉=外側翼突筋)


顎前ずらし
   


 最後には、口腔内での舌の体操です。
  上唇と歯肉の間、下唇と歯肉の間、口腔の天井部分(硬口蓋から内部歯肉)、口腔の床部分(口腔底から内部歯肉)、これら4つの部分を舌先で撫で擦るようにして清掃とマッサージを行います。 
口腔前庭 硬口蓋
   

 ハチマルニイマル「8020運動」は、80歳になっても20本以上、自分の歯を保つことを目標とする厚生省と日本歯科医師会のキャンペーンです。せっちゃんはこのキャッチコピーに賛同しています。いつまでも自分の歯で噛んで食べることを喜ぶためには、歯を支える歯茎とその根幹となる下顎の健全性が求められます。同時に食べ物を味わい、上手に嚥下作用をささえる舌の巧緻性が不可欠です。唾液不足で口腔内が乾燥状態にならないためにも、奥歯上下カミカミ体操を行って下さい。自らが行う口腔ケアです。

   
頭蓋骨正面・側面