まだまだ親は元気だし
介護なんて先の話・・・
しかし、
親が70歳を超えてくると、
将来、介護を必要とする日が来るのかなと
思い始めるのではないのでしょうか?
年代別の人口に占める要介護認定者の割合は、
40~64歳では0.4%、65~69歳では2.9%ですが、
加齢とともに急速に高まり、
80~84歳では26.4%、85歳以上では59.8%となっています。
グラフを見て分かるように、
80~84歳までに比べて
85歳以上になると一気に介護が必要な方が増えます。
そこで、
親に介護が必要になった、
そのとき問題となるのは、
どのくらいの費用がかかるのか、
そしてその資金をどこから出すのかです。
今回のブログでは、
介護費用は誰が負担するのがいいのか?
もし、足りなくなりそうなときはどう対処すればいいのか?について解説します。
目次
・介護にはどいのくらいお金がかかるの?・介護費用は誰がふたんするの?・介護資金が不足しそうな時はどうする?
介護にはどれくらいお金がかかるのか?
生命保険文化センターが行った「生命保険に関する全国実態調査」の結果をお伝えすると、
介護に要した費用の平均は、
一時的な費用が74万円、
月々の費用が8.3万円です。
介護期間の平均は61.1ヶ月ですから、
そこから計算すると介護に要した費用の総額は約580万円となります。
月々の費用の平均は8.3万円ですが、
15万円以上かかったという人も16.3%います。
また介護期間が10年以上という人も17.6%います。
<生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査」/2021(令和3)年度>
介護中の人はこれまでの介護期間による回答ということなので、実際には介護期間の平均は5年よりも長いのかもしれません。
ですから、平均費用だけを見て、費用の見通しを立てるのは禁物です。
介護費用は誰が負担するの?
親の介護が始まるとき、
多くの人にとって初めての経験で、
どのような費用が
どのようにかかるか分からず、
迷うことも多いでしょう。
家族で意見が分かれるという話も多いです。
基本的に、介護にかかる費用は
親の貯蓄と年金から賄うと考えましょう。
もちろん、親の介護費用を助けてあげたいと考える人もいらっしゃるでしょう。
それは当然の気持ちなのかもしれませんが、無理をしてはいけません。
最初は小さな負担でも、
介護期間が長くなって
費用がかさんでいったら、
負担が重く感じられることもあるでしょう。
親の介護費用の負担で
自分たちの生活費や老後資金を削ることは、
介護を受ける親も望まないことでしょう。
まずは、
親の貯蓄と月々の年金額を調べ、
できるだけその範囲で賄えるよう、
担当のケアマネジャーに相談して、ケアプランを考えてもらいます。
ケアマネジャーは
介護に関する豊富な知識を持っていますから、
無理のないプランを立てるとともに、
介護費用の負担を軽減できる制度のアドバイスもしてもらえるでしょう。
介護資金が不足しそうなときはどうする?
介護が始まったときは
無理のない負担額だったのに、
要介護度が上がって
必要な在宅介護のサービスが増えたり、
老人ホームへの入所を考えたりして、
介護資金が不足する心配が出てくることもあります。
そのようなときの対策を確認しておくのはとても大切です。
では、資金が不足しそうになった時はどうすればいいでしょうか?
(1) 親の自宅を売却・賃貸を検討する
在宅で介護を続けてきたけれど、施設入所を検討しようという場合、親の持ち家があるなら、売却すれば大きな資金となり入居一時金などに充てることができます。また、賃貸に出せば安定的な収入が得られるので、月々の費用に充てることができます。
(2) リバースモーゲージ
自宅に住み続けながら介護を続けたい、売却まではしたくないという場合、自宅を担保にして資金を借り入れるリバースモーゲージが候補になります。借りられる額は売却した場合よりも少なくなりますが、借入期間中は利息のみ支払えばよく、借りている人が亡くなったら担保となっている自宅を売却するなどして返済します。 取り扱う金融機関によって、対象となる不動産や借り入れの条件などが異なるのでよく調べて検討しましょう。市区町村の社会福祉協議会の不動産担保貸付制度も同じような制度ですが、福祉的意味合いが強く、借入額はより少なくなります。
(3)世帯分離
親子で同世帯となっていて、親の収入は年金のみという場合、世帯分離で住民票の別世帯になることで、介護保険の自己負担割合や高額介護サービス費などの限度額が下がる可能性があります。ただし、夫婦の世帯分離など、申請しても認められないケースや、子と別世帯になることのデメリットもあるので、よく検討して利用するようにしましょう。
(4) 生活保護
いろいろ対策を講じたけれど、年金は少ないし貯蓄も底をついてきたという場合は、生活保護を検討することになるでしょう。生活保護を受給しながら在宅での介護サービス利用や老人ホームへの入居も可能です。 ただし、申請すれば必ず認められるというものではありません。生活保護は最後の手段ですから、そうなる前の段階で、ケアマネジャーや市区町村の福祉窓口で相談しましょう。
まとめ
親の介護費用は、親の貯蓄や年金で賄うのが基本です。
子が援助することもあると思いますが、介護が長引いても無理のない範囲の援助にとどめましょう。
親の介護が始まりそうになったら、まずは介護保険や自治体のサービスを調べることが重要です。
介護費用の負担を抑えられる制度はできるだけ使い、介護期間が長くなっても不安のないプランを検討しましょう。
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介護支援コンサルタント
秦邦仁