【一問一答】2018年度ケアマネ試験:問題32(第21回介護支援専門員実務研修受講試験) | Jさんブログ

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■ケアマネ試験対策一問一答

2018年度介護支援専門員試験 問題32

認知症について適切なものはどれか。3つ選べ。

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1 レビー小体型認知症では、便秘や立ちくらみなどの自律神経症状を伴うことがある。
2 うつ状態が続くと、認知症と診断されてしまうことがある。
3 認知症の初期では、ADLの低下がみられ、進行するとIADLの低下が起こってくる。
4 せん妄は意識障害であり、認知症と区別する必要がある。
5 認知症初期集中支援チームの訪問支援対象者は、初期の認知症患者に限られる。
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………

……



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答え:1,2,4
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認知症に関する問題ですね。

設問5は言葉に惑わされやすかったかもしれませんが、
それ以外の設問は基本ポイントを問う設問だったため
解きやすかったかもしれません。

1…これはその通りですね。

レビー小体型認知症は、三大認知症の一つです。

アルツハイマー型認知症、血管性認知症、レビー小体型認知症、
この三大認知症だけで認知症全体の90%以上を占めるといわれています。

レビー小体型認知症は、脳にレビー小体という特殊なタンパク質の
かたまりができることで、認知機能に異常をきたすというものです。

幻視やパーキンソン症状が現れるのが特徴です。

パーキンソン病になるわけではなく、パーキンソン症状が出るのが
特徴になります。

パーキンソン病には四大症状といわれるものがあります。

安静時振戦、筋固縮、無動、姿勢・歩行障害です。

無動による仮面様顔貌や歩行障害による小刻み歩行、すくみ足、
突進現象、加速歩行などがみられます。

また、パーキンソン病然りですが、レビー小体型認知症では、
起立性低血圧、めまい、体温調節障害や頻尿、便秘といった
自律神経症状を呈することもあります。

2…これはその通りです。

うつ状態になると、気分が沈む、興味や喜びを感じない、食欲が
出ない、眠れない、体がだるい、といった状態が起きてきます。

また、記憶力の低下や判断力の低下といった認知症様の症状が
出現するため、認知症と間違われやすいということがあります。

実際には認知症とは異なるため、治療法が違います。

診断には区別を付ける必要があります。

また、ただ間違われるというだけでなく、うつ状態の発症を
契機に、実際に認知症を引き起こすということもあります。

この点も出題実績がありますので押さえておきましょう。

3…これは誤りです。

一般的には逆ですね。

認知症初期段階における記憶力や判断力の低下に伴って、
交通機関を使っての外出、買い物、食事の準備、請求書の
支払いといったIADLに低下がみられるのが一般的です。

進行に伴って、ADLが低下してくることもあります。

4…これはその通りですね。

せん妄というのは意識障害の一つです。

意識混濁に加えて、錯覚、幻覚、妄想、興奮を伴う状態を
いいます。

認知症と症状が似ているため、間違われることもあります。

せん妄と認知症で違う点は、意識の状態です。

認知症は意識清明で、せん妄は意識混濁です。

ここで区別をつけます。

なお、老年期のせん妄は、脳の器質疾患(脳血管障害、
認知症疾患、脳腫瘍、頭部外傷など)の他、心疾患、
呼吸器疾患、感染症(肺炎、尿路感染症など)、脱水、
骨折、栄養失調、薬剤の副作用といった原因で発症します。

原因は非常に多岐にわたります。

また、せん妄は日内変動が大きいのが特徴です。

夜間せん妄という言葉もあり、夜間に増悪することが
多い疾患です。

併せて押さえておくといいですね。

5…これは誤りです。

認知症初期集中支援チームの訪問対象者は、

「40歳以上で、在宅で生活しており、かつ、認知症が
疑われる人又は認知症の人で以下のいずれかの基準に
該当する人」

と定められています。

基準については以下の通りです。

基準1:
医療・介護サービスを受けていない人、 または
中断している人で以下のいずれかに該当する人

(ア)認知症疾患の臨床診断を受けていない人
(イ)継続的な医療サービスを受けていない人
(ウ)適切な介護保険サービスに結び付いていない人
(エ)診断されたが介護サービスが中断している人

基準2:
医療・介護サービスを受けているが 認知症の行動・
心理症状が顕著なため、対応に苦慮している

このようになっています。

初期の認知症患者を対象としているものではありません。

以上より、この問題の正解は1、2、4の3つになります。

解説は以上です。

J

音声解説はこちら:
http://jsan.jp/qE6j8wXY.mp3

■今日のインデックスカードまとめ

表:
****************************
三大認知症
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裏:
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アルツハイマー、血管性、レビー小体
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表:
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レビー小体 特徴2
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裏:
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幻視、パーキンソン症状
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表:
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パーキンソン病 四大症状
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裏:
****************************
安静時振戦、筋固縮、無動、姿勢・歩行障害
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表:
****************************
せん妄 症状
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裏:
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錯覚、幻覚、妄想、興奮
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表:
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せん妄 原因
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裏:
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多岐(身体疾患合併、感染症、薬剤)
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表:
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せん妄 日内変動
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裏:
****************************
夜間せん妄
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表:
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せん妄 認知症 違い
****************************
裏:
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※意識状態
せん妄=意識清明
認知症=意識混濁
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