(2-7)冬季オリンピックと13次5か年計画 | 中国について調べたことを書いています

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1.中国広東省の深セン経済特区の成立過程
2.香港・六七暴動
3.農業生産責任制と一人っ子政策
4.浦東新区から雄安新区へ
5.尖閣問題の解決策を探る
6,台湾は国家か

 2015年7月31日。2022年の冬季オリンピックの開催地が北京に決定した。カザフスタンのアルマトイとの最終投票に勝ち、誘致を成功させた。
 この意味は2つある。ひとつは、2008年の北京オリンピックが、北京、ひいては中国の経済成長と国際的な地位向上に大きな役割を果たしたことは確かである。その後、経済成長は緩やかになってきているが、それを再加速させるいいきっかけにしたいと考えていることは間違いないだろう。
 もうひとつは、このオリンピックは名称は北京オリンピックだが、一部の競技(主にスキー)は河北省の張家口市で行われることである。北京と張家口が一体となっているということが、国際的にもアピールできるし、また両都市間の交通もオリンピックに向けて強化される。
 なお、北京の市内にもスキー場はいくつもある。また、北京市の中心部と張家口のスキー会場は170キロくらい離れている。(ソウルと平昌のほうが近い)そうした条件にもかかわらず、張家口で一部競技を行うということは、やはり何か意味があると考えたほうがいい。当然、それが、京津冀協同発展と関係があると考えることも可能だろう。

 2016年2月15日 国務院が第13次5か年計画(2016~2020年)を発表したが、その中で京津冀国民経済和社会発展規画(“十三五”时期京津冀国民经济和社会发展规划)について触れた。
 特に目新しい内容ではなく、すでに「綱要」で提出されている2020年までに北京の人口を2300万人以内に抑えるといったことが述べられている。また、十三五期の京津冀地区の任務として9つの事項があげられている。

 

・国際的に一流の航空ハブを作る
・世界レベルの現代的な群(都市群のことか?)を作る
・環首都公園の建設を加速する
・河北の脱貧困作戦に勝利する
・健全な区域安全連動制御システムを構築し健全化する
・首都サービス国際交流のソフト・ハードを全面的にレベルアップする
・長江経済ベルト地帯との連動を強化する
・統一規格の市場体系を構築する
・行政管理協同メカニズム、生態環境保護メカニズム、産業と科学技術革新協同メカニズムを探索する

 この中で気になるのは「河北省の脱貧困」である。これまで、河北省については、様々に言われてきたが、改めてこのようにはっきりと「貧困」というのには、やはりそれなりの意味があるのだろう。

 2016年2月29日に国務院が専題会議を開き、集中引き受け地を研究したという
 ここまで党中央が中心となってこの計画を進めてきたが、ここで国務院が出てくる。おそらくは、この時点ですでに党中央では集中引き受け地が雄安に決まっており、それを国務院が追認するような形になるのだろう。