名古屋市美術館
『コレクションを極める』(2010年)

風景写真 カメラ1


こんにちは、クマ太郎ですくま

このところの不況で予算削減の美術館。
地方では学芸員の皆さんの苦闘が続いていると思いますが、どうか頑張ってください。




名古屋市美術館の特別展、『コレクションを極める』に行ってきました。
同美術館がこれまでに蒐集した作品から「人物」「風景」「静物」という3つのキーワードで90点を選んで展示しています。
今回の面白さはキャプションと解説、そしてボランティアスタッフによるギャラリートークです。

最近の美術館が変わったなぁ…と思うのは、解説やキャプションの解りやすさです。平易というだけでなく、その展覧会で観て欲しいポイントを示してくれたり、こんなところに気づいてました?というものもあって、あ~、楽しいなと感じます。このごろは解説を丁寧に読むようになりました。今回も良かったですよ。

それから小さな驚きは、ボランティアスタッフによるギャラリートーク。
クマ太郎は山のけものなので対人恐怖症です。だから特別展のほうはパスしましたけど、地下の常設展でもやっていたので思い切ってお願いしてみました。

このギャラリートークは専門的なことを解説するというのではなく、ボランティアの方と一緒になって作品を観て、お互いの感じたことを話しながら作品を読み解いてゆく…みたいな、そう、一種のセラピーにも似た感のある試みだと思いました。
オイラも自分の感じたことを話すうちに、自分の考えがより具体的に言葉で伝えられた気がしました。
なるほど…これは良いことだと思いましたね。
ボランティアの皆さん、ありがとうございます。

さてさて、前置きが長くなってしまいました。
『コレクションを極める』、今回のイチ押し×3は、こんなんです。


コンスタンティン・ブランクーシ
《うぶごえ》
ブロンズ 1917年 17×26×18
名古屋市美術館
風景写真 レンズ1

まずは「人物」のジャンルから、コンスタンティン・ブランクーシ。
頭部のみを表現した彫刻です。
あ~、赤ん坊ってこんな感じだと納得。
金ピカなんだけど、単純なフォルムは元気な赤ちゃんを思い出させます。


中村正義
《風景》
紙本着彩 1946年 124.6×154.9
名古屋市美術館
風景

お次は「風景」のジャンルから、中村正義。
この田園牧歌的な雰囲気、なんだか遠くから曲が聴こえてきそうな……
画面手前の牛くんの表情も最高。
田舎の春先の風景ってのは、まさにこんなんです。
クマ太郎は、幼なじみのカッパのキューちゃんや猫のニャン吉くんを思い出しました。
みんな元気かなぁ……


リサ・ミルロイ
《皿》
キャンバスに油彩 1992年 188×243.8
名古屋市美術館
風景写真 レンズ1

最後は「静物」のジャンルから、リサ・ミルロイ。
このリアル感は面白いですね。
技法の妙だとは判っているのですが、なんとも不思議な……
こういう技術はいろんな時代でいろんな民族が持っていると思うのです。
この作家の凄いところは、脳と視点をいろんなカメラやレンズを通して観るよう切り替えられること。
お~、これは28ミリ。あー、50ミリだわ…みたいな。
単純に楽しい作家さんです。

名古屋を訪れたら、ぜひこの展覧会に来てみてください。
ちなみにボランティアさんのギャラリートーク、特別展のほうは日にちが決まっているので、あらかじめ市美術館に問い合わせるか、同美術館のWebサイト(ホーム→展覧会→『コレクションを極める』→イベント案内)で調べてからお越しくださいね。
こういう試みに愛知県美術館はどうするのか?
楽しみだなぁ、県美術館も頑張ってるから。


『コレクションを極める』
◆2010年2月6日(土)-3月28日(日)
 名古屋市美術館
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名古屋市美術館 →
(名古屋市中区栄2-17-25 白川公園内)

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