【一枚の絵・34】

愛知 岡崎市美術館
『ベル・エポックの光彩 ジュール・シェレ展』(1991年)より
ジュール・シェレ
《黄色いドミノ》(タピスリーの下絵)
キャンバスに油彩
1908年 290×200



19世紀末から第一次世界大戦勃発までの繁栄と逸楽の時代を、フランスでは「ベル・エポック」(古き良き時代)と呼ぶのだそうです。

しかしながら、その繁栄と逸楽の陰にはまた、不安と緊張が潜んでいたのでした。
喜びよりも憂いを、甘美さよりも苦さを選んでベル・エポックの裏面を描いた画家たちに対し、ひたすら生の喜びを描き続けたのが、このジュール・シェレです。

印刷工の家に生まれ、カラー・ポスターの創始者となった彼は、50歳以降「画家」の道を歩み始め、その油彩画、水彩画、パステル画には生きることへの喜びが満ちあふれています。

この《黄色いドミノ》も290×200cmの大画面に、ロココ風の絵柄と鮮やかな色彩。
外側の枠にも花や楽器や楽しげな人々の顔が並んで、もう底抜けに明るい!
なにより、女性の左手の「うちわ」にご注目をドキドキ
ジャポニスム万歳!ですよん。
(注 : ドミノとは、フードのついた長くゆるやかな仮装用の衣装のことです音譜
(1991年8月)


『ベル・エポックの光彩 ジュール・シェレ展』
◆1991年8月7日(水)-25日(日)
 岡崎市美術館(愛知)


岡崎市美術館 →
(愛知県岡崎市明大寺町茶園11-3)


【2010年・追記】
そのほかの展示作品は、こちらキラキラ

ジュール・シェレ
《大気》
キャンバスに油彩
1900年 158×220


ジュール・シェレ
《大地》
キャンバスに油彩
1900年頃 158×220


ジュール・シェレ
《ファジェット》
キャンバスにパステル
1901年 110×63


ジュール・シェレ
《遊び : 太鼓とらっぱ》
キャンバスにパステル
118×40
風景写真 レンズ4


ジュール・シェレ
《遊び : 人形》
キャンバスにパステル
118×40
風景写真 レンズ5


ジュール・シェレ
《遊び : 小舟》
キャンバスにパステル
118×40
風景写真 レンズ6


ジュール・シェレ
《女性頭部の5つの習作》
キャンバスにパステル
1909年 61×80


ジュール・シェレ
《ヴィッタ男爵夫人の肖像》
キャンバスにパステル
1910年 177×78


ジュール・シェレ
《セレナード》
キャンバスにパステル
1912年 104×55


ジュール・シェレ
《キャンティを一杯》
キャンバスにパステル
1912年頃 104×55


ジュール・シェレ
《夏》
キャンバスに油彩
1914年 70×26
風景写真 レンズ1


ジュール・シェレ
《秋》
キャンバスに油彩
1914年 70×26
風景写真 レンズ2


ジュール・シェレ
《鳩》
キャンバスにパステル
1921年 65×80


【ジュール・シェレ作品集】


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