名古屋市美術館
『モネ それからの100年』(2018年)
つまり、モネは印象派ではなく、
あらゆる現代美術の生みの親ではないのか?
フランスのシュルレアリスト、
アンドレ・マッソン(1896-1987)。
彼の1975年のインタビューでの言葉を検証し、
実証している展覧会です。
クロード・モネ(1840-1926)が現代アートに遺したものとは……
これ、今までにない切り口じゃない??と期待度Max
会場は、4月に開館30周年を迎えた名古屋市美術館
(今展の開催地は、名古屋と横浜の2か所のみです)
混雑を予想してGW前に出かけましたよ。
ではでは、章ごとに、
お気に入りのモネ作品&現代アート作品を紹介しまーす
(全4章、モネ26点+26作家63点)
◆ Ⅰ 新しい絵画へ―立ちあがる色彩と筆触
画業前半の作品を手がかりに、モネが現代アートの先駆けになっていることを再確認する章です。
クロード・モネ
《海辺の船》
キャンバスに油彩 1881年 82×60
東京富士美術館
展示室の作品解説にもありますが、
光が当たった砂浜のキラキラした描写が美しい〜
クロード・モネ
《モンソー公園》(5月22日から展示)
キャンバスに油彩 1876年 56×69.5
泉屋博古館分館
見るからにイイ雰囲気の作品なのに、
観られず残念だった…
堂本尚郎
《1960-5》
キャンバスに油彩 1960年 130.7×97.2
いわき市立美術館
このダイナミックさが素敵
宇宙的規模の躍動と広がりを感じます。
◆ Ⅱ 形なきものへの眼差し―光、大気、水
形のないもの、常に変化し続けるものをモチーフにしたモネの作品と、同じ課題に挑戦した現代アートの作品を紹介しています。
クロード・モネ
《ジヴェルニー近くのリメツの草原》
キャンバスに油彩 1888年 65×92
公益財団法人 吉野石膏美術新興財団
(山形美術館に寄託)
こちらも空気と草原のキラキラ感が素晴らしい〜
今回展示されていたモネ作品でのイチ押しです
クロード・モネ
《ジヴェルニーの積みわら、夕日》
キャンバスに油彩 1888-89年 65×92
埼玉県立近代美術館
モネの「積みわら」は、ほんと心和みますなぁ
松本陽子
《振動する風景的画面 Ⅲ》
キャンバスにアクリル 1993年 182×227
倉敷市立美術館
晩年、モネがこういう感じの、
まるで現代アートな「睡蓮の池」を描いていたのを思い出しました
◆ Ⅲ モネへのオマージュ―さまざまな「引用」のかたち
モネの絵画にインスピレーションを得た現代アートを紹介。
(この章は、現代の作家さんの作品で構成されています)
湯浅克俊
《Light garden #1》
紙に油性木版(1版1色)
2009年 100×150
作家蔵
なんと木版画ですよ!
実物は、もっとずっとシャープな印象。
色の濃淡だけで、ここまで表現してみせるとは。
またモノクロだからこそ、かえって鮮やかな色彩が想像できるというか。。。
今回の現代アート部門でのイチ押しです〜
平松礼二
《夏の気流(モネの池)》
雲肌麻紙に岩絵具 1998年 53×72.7
個人蔵
日本画の画材で印象派に挑戦した、
このかたの作品も忘れてはなりませぬ。
(個人的に大ファン)
ロイ・リキテンスタイン
《日本の橋のある睡蓮》(名古屋不出品)
エナメルによるスクリーンプリント、ステンレス、彩色した額
1992年 211.5×147.3×4.5
国立国際美術館
リキテンスタインの「積みわら」作品もあったけれど、
こちらも観たかった
◆ Ⅳ フレームを越えて―拡張するイメージと空間
「睡蓮」の連作を中心とした画業後期の作品から、反復の表現・異質なイメージの重ね合わせ・空間への拡がりといったキーワードをもとに、モネと現代アートとの接点を探る章です。
クロード・モネ
《睡蓮》
キャンバスに油彩 1897-98年 73.7×100
個人蔵
クロード・モネ
《睡蓮》
キャンバスに油彩 1906年 81×92
吉野石膏株式会社(山形美術館に寄託)
クロード・モネ
《睡蓮の池》(6月10日まで展示)
キャンバスに油彩 1907年 100×81
和泉市久保惣記念美術館
クロード・モネ
《睡蓮、水草の反映》
キャンバスに油彩 1914-17年 130×200
ナーマッド・コレクション(モナコ)
この一角は「睡蓮」コーナーになっております
福田美蘭
《睡蓮の池》
パネルに貼った綿布にアクリル
2018年 227.2×181.8
作家蔵
ビルの高層階にあるレストランにて。
窓ガラスに映る店内の様子と外の夜景が重なり合う、
不思議な光景を再現したものです。
鈴木理策
《水鏡 14, WM-77》(左)
《水鏡 14, WM-79》(右)
発色現像方式印画 2014年 120×155
作家蔵
まさに水の鏡!
陳腐な言い回しになっちゃいますが、
現実だけど夢のように美しい。。。
現代アート部門でのニ押しです〜
ほかに、刻一刻と移ろう水面をとらえた映像作品、
絶え間なく焦点を変えることによって風景の中に見えてくるものを追い求めた映像作品もあります。
モネの影響を受けた現代アートの魅力と、
現代アートの視点から見たモネの魅力
そして、モネへの愛とリスペクトにあふれた内容になってますよ
初めて観る作家さんの作品がたくさんあって勉強になったし、
とにかく面白かった〜
市美、グッジョブ!
『モネ それからの100年』
◆2018年4月25日(水)-7月1日(日)
名古屋市美術館
・Twitter →
(横浜美術館に回ります)
★ 名古屋市美術館 →
(名古屋市中区栄2-17-25 白川公園内)
【モネ それからの100年(名古屋展)】
・テーマ「20世紀~ 前衛芸術」の記事一覧 →
『モネ それからの100年』(2018年)
つまり、モネは印象派ではなく、
あらゆる現代美術の生みの親ではないのか?
フランスのシュルレアリスト、
アンドレ・マッソン(1896-1987)。
彼の1975年のインタビューでの言葉を検証し、
実証している展覧会です。
クロード・モネ(1840-1926)が現代アートに遺したものとは……
これ、今までにない切り口じゃない??と期待度Max
会場は、4月に開館30周年を迎えた名古屋市美術館
(今展の開催地は、名古屋と横浜の2か所のみです)
混雑を予想してGW前に出かけましたよ。
ではでは、章ごとに、
お気に入りのモネ作品&現代アート作品を紹介しまーす
(全4章、モネ26点+26作家63点)
◆ Ⅰ 新しい絵画へ―立ちあがる色彩と筆触
画業前半の作品を手がかりに、モネが現代アートの先駆けになっていることを再確認する章です。
クロード・モネ
《海辺の船》
キャンバスに油彩 1881年 82×60
東京富士美術館
展示室の作品解説にもありますが、
光が当たった砂浜のキラキラした描写が美しい〜
クロード・モネ
《モンソー公園》(5月22日から展示)
キャンバスに油彩 1876年 56×69.5
泉屋博古館分館
見るからにイイ雰囲気の作品なのに、
観られず残念だった…
堂本尚郎
《1960-5》
キャンバスに油彩 1960年 130.7×97.2
いわき市立美術館
このダイナミックさが素敵
宇宙的規模の躍動と広がりを感じます。
◆ Ⅱ 形なきものへの眼差し―光、大気、水
形のないもの、常に変化し続けるものをモチーフにしたモネの作品と、同じ課題に挑戦した現代アートの作品を紹介しています。
クロード・モネ
《ジヴェルニー近くのリメツの草原》
キャンバスに油彩 1888年 65×92
公益財団法人 吉野石膏美術新興財団
(山形美術館に寄託)
こちらも空気と草原のキラキラ感が素晴らしい〜
今回展示されていたモネ作品でのイチ押しです
クロード・モネ
《ジヴェルニーの積みわら、夕日》
キャンバスに油彩 1888-89年 65×92
埼玉県立近代美術館
モネの「積みわら」は、ほんと心和みますなぁ
松本陽子
《振動する風景的画面 Ⅲ》
キャンバスにアクリル 1993年 182×227
倉敷市立美術館
晩年、モネがこういう感じの、
まるで現代アートな「睡蓮の池」を描いていたのを思い出しました
◆ Ⅲ モネへのオマージュ―さまざまな「引用」のかたち
モネの絵画にインスピレーションを得た現代アートを紹介。
(この章は、現代の作家さんの作品で構成されています)
湯浅克俊
《Light garden #1》
紙に油性木版(1版1色)
2009年 100×150
作家蔵
なんと木版画ですよ!
実物は、もっとずっとシャープな印象。
色の濃淡だけで、ここまで表現してみせるとは。
またモノクロだからこそ、かえって鮮やかな色彩が想像できるというか。。。
今回の現代アート部門でのイチ押しです〜
平松礼二
《夏の気流(モネの池)》
雲肌麻紙に岩絵具 1998年 53×72.7
個人蔵
日本画の画材で印象派に挑戦した、
このかたの作品も忘れてはなりませぬ。
(個人的に大ファン)
ロイ・リキテンスタイン
《日本の橋のある睡蓮》(名古屋不出品)
エナメルによるスクリーンプリント、ステンレス、彩色した額
1992年 211.5×147.3×4.5
国立国際美術館
リキテンスタインの「積みわら」作品もあったけれど、
こちらも観たかった
◆ Ⅳ フレームを越えて―拡張するイメージと空間
「睡蓮」の連作を中心とした画業後期の作品から、反復の表現・異質なイメージの重ね合わせ・空間への拡がりといったキーワードをもとに、モネと現代アートとの接点を探る章です。
クロード・モネ
《睡蓮》
キャンバスに油彩 1897-98年 73.7×100
個人蔵
クロード・モネ
《睡蓮》
キャンバスに油彩 1906年 81×92
吉野石膏株式会社(山形美術館に寄託)
クロード・モネ
《睡蓮の池》(6月10日まで展示)
キャンバスに油彩 1907年 100×81
和泉市久保惣記念美術館
クロード・モネ
《睡蓮、水草の反映》
キャンバスに油彩 1914-17年 130×200
ナーマッド・コレクション(モナコ)
この一角は「睡蓮」コーナーになっております
福田美蘭
《睡蓮の池》
パネルに貼った綿布にアクリル
2018年 227.2×181.8
作家蔵
ビルの高層階にあるレストランにて。
窓ガラスに映る店内の様子と外の夜景が重なり合う、
不思議な光景を再現したものです。
鈴木理策
《水鏡 14, WM-77》(左)
《水鏡 14, WM-79》(右)
発色現像方式印画 2014年 120×155
作家蔵
まさに水の鏡!
陳腐な言い回しになっちゃいますが、
現実だけど夢のように美しい。。。
現代アート部門でのニ押しです〜
ほかに、刻一刻と移ろう水面をとらえた映像作品、
絶え間なく焦点を変えることによって風景の中に見えてくるものを追い求めた映像作品もあります。
モネの影響を受けた現代アートの魅力と、
現代アートの視点から見たモネの魅力
そして、モネへの愛とリスペクトにあふれた内容になってますよ
初めて観る作家さんの作品がたくさんあって勉強になったし、
とにかく面白かった〜
市美、グッジョブ!
『モネ それからの100年』
◆2018年4月25日(水)-7月1日(日)
名古屋市美術館
・Twitter →
(横浜美術館に回ります)
★ 名古屋市美術館 →
(名古屋市中区栄2-17-25 白川公園内)
【モネ それからの100年(名古屋展)】
・テーマ「20世紀~ 前衛芸術」の記事一覧 →