名古屋市美術館
『シャガール展 三次元の世界 ~キャンヴァスから飛び出す恋人や動物たち~』(2017-18年)



昨年、最後に見たのがこちら。
マルク・シャガール(1887-1985)は画家・版画家なだけでなく、陶芸家・彫刻家でもあったんですよキラキラ
この展覧会では、彼の絵画・版画・陶芸・彫刻をまとめて楽しむことができます音符

展示構成は、
・絵画から彫刻へ―《誕生日》をめぐって
・空間への意識―アヴァンギャルドの影響
・穿たれた形―陶器における研究
・平面と立体の境界
・立体への志向
(絵画95点、版画16点、陶芸16点、彫刻46点)


それでは、ワタシのお気に入り作品を。。。
今回、お子さま向けのJunior Guideがとても素敵だったので、併せてご紹介しまーすニコニコ


◆ 絵画から彫刻へ―《誕生日》をめぐって

マルク・シャガール
《誕生日》
キャンバスに油彩 1923年 81×100.3
AOKIホールディングス

人が空を飛んでいる! 飛んでいるのはシャガール。
花束を持っているのは恋人のベラ。
シャガールの誕生日のお祝いに来ました。
恋人がお祝いに来てくれればうれしいのは当たり前。
体もふわふわと空を飛んでしまいます。

(Junior Guideより)

28年前にイチ押しした作品ですピンクハート
遠距離で久しく会ってない友だちと再会したような気がして、「元気だったー?」と話しかけたくなった…照れ


で、この《誕生日》に関連した彫刻が、こちら↓の2点キラキラ


マルク・シャガール
《誕生日》
大理石 1968年頃 53.3×57.5×8
個人蔵


マルク・シャガール
《ふたつの頭部と手》
大理石 1964年 40×24.5×21
個人蔵


また、不自然なほどにのけぞる男のポーズは、
シャガールのお気に入りだったそうな。


マルク・シャガール
《のけぞる男》
厚紙(合板に貼付)に油彩 1919年 57×47
個人蔵


◆ 穿たれた形―陶器における研究

マルク・シャガール
《青いロバ》
彩色陶器 1954年 31.5×19.8×24
個人蔵


シャガールが自分で土をこねて作りました。
これは何に使うんだろう? 水やワインを入れる?
それとも花をかざる?
ちょっと太ったロバが、両手を腰にあてて、こっちを見ています。
使わなくても見てるだけで楽しいね。

(Junior Guideより)


マルク・シャガール
《散歩》
彩色陶器 1961年 26×22×18
個人蔵

シャガールの陶器作品は前にも見たことがあるけれど、
今回、はちゃめちゃなものもあって、ほんと面白かった!爆  笑


◆ 平面と立体の境界

マルク・シャガール
《逆さ世界のヴァイオリン弾き》
キャンバスに油彩 1929年 92.7×73
吉野石膏株式会社(山形美術館に寄託)
風景写真 レンズ5

椅子にすわってヴァイオリンを弾いています。
でも、後ろの家を見るとさかさまになっています。どっちが正しい向きなんだろう?
「そんなこと、どっちでもいいじゃない」 たぶんシャガールはそういいます。
「見方を変えれば世界も変わる」
シャガールは本当に自由です。

(Junior Guideより)


マルク・シャガール
ハダサ医療センター附属ユダヤ教会堂のステンドグラス《レビの一族》のためのヴァリアント
紙に墨、グワッシュ
1960-62年 101.5×73.3
個人蔵

【ハダサ医療センター附属ユダヤ教会堂のステンドグラス】


ヘブライ大学附属ハダサ医療センター(エルサレム)の敷地内に建つユダヤ教会堂の、ステンドグラス
「イスラエル12部族」をテーマに、シャガールがデザインしたものです。


マルク・シャガール
《画家と妻》
キャンバスに油彩 1969年 92×65
AOKIホールディングス
ポストカード マルク・シャガール 画家と妻


◆ 立体への志向

マルク・シャガール
《黒い手袋》
キャンバスに油彩 1923-48年 111×81.5
個人蔵


マルク・シャガール
《空想の動物》
石膏 1952年 53×80×29
個人蔵


マルク・シャガール
《アダムとイヴ》
大理石 1953年 53.5×23×24
個人蔵

アダムの顔は、シャガール本人になってます。
素朴な味わいがGoodですなグッ


おしまいに、一番しんみりした解説と、
一番ほっこりした解説を。。。

(《通りの魚》(1950年)のJunior Guideより)
シャガールの絵には動物や魚がよくでてきます。
牛やロバは故郷の村でいっしょに暮らした仲間。
そして、魚はお父さんの思い出。お父さんはニシンの倉庫で働いていました。
家族のために毎日へとへとになるまで働いていたお父さん。
魚には貧しさと苦しさの思い出が、こめられています。


(《聖母子》(1952年)のJunior Guideより)
「聖母子」とはふつうキリストとお母さんのマリアのことをいいます。
でもシャガールが表現しているのは、きっとすべてのお母さんと子どものことでしょう。
すこしたくましすぎるぐらいのお母さんですが、
子どもを抱いたお母さんのやさしい気持ちと、強さがつたわってきます。



絵画だけでなく、陶芸や彫刻の作品も見て楽しむ。
それによってシャガールの新たな一面、そして彼の芸術の全貌を知ることができますよ〜キラキラ


『シャガール展 三次元の世界 ~キャンヴァスから飛び出す恋人や動物たち~』
◆2017年12月14日(木)-2018年2月18日(日)
 名古屋市美術館
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青森県立美術館に回ります)


名古屋市美術館 →
(名古屋市中区栄2-17-25 白川公園内)

【マルク・シャガール作品集 : l'amour(愛)】


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