名古屋市美術館
『ランス美術館展』(2017年)



2017年10月20日(金)、名古屋市はランス市と姉妹都市提携を結びました〜乙女のトキメキ乙女のトキメキ


フランス北東部、シャンパーニュ地方に位置する古都ランス。
シャンパンの一大産地で、街の中心にあるノートルダム大聖堂は、25人の歴代フランス国王が戴冠式を行った場所(世界遺産)として知られています。

今展は、200年以上の歴史を誇るランス美術館所蔵の
17世紀〜20世紀にかけてのフランス絵画と
ランスゆかりの画家レオナール・フジタ(1886-1968)の作品を紹介するものですキラキラ

展示構成は、
1 国王たちの時代(バロック・ロココ)
2 近代の幕開けを告げる革命の中から
(新古典派、ロマン派、バルビゾン派、レアリスム)
3 モデルニテをめぐって(印象派、ポスト印象派)
4 フジタ、ランスの特別コレクション
(展示総数71点)


まず、今回のイチ押し〜ピンクハート


ウジェーヌ=ルイ・ブーダン
《ベルク、漁船の帰還》
キャンバスに油彩 1890年 79.3×109.3
ランス美術館

姉妹都市提携を記念して名古屋展のみに出品されている
3点の絵画のうちの一枚。
暮れゆく空の、明るさに侘びしさが入り混じる、何とも言えない雰囲気がよいわ〜まったり
港や海の絵で知られるブーダンですが、前に、野原と空だけが描かれている作品を見たとき、あっ、このひとは空の画家なんだ…と気づいたのでした。


ちなみに、特別出品の残り2点はこちら↓


ウジェーヌ・ドラクロワ
《父の呪詛を受けるデズデモーナ》
キャンバスに油彩 1850年頃 61.4×50.5
ランス美術館


ラファエル・コラン
《思春期》
キャンバスに油彩 1889年 81.9×59.8
ランス美術館


そして、今回のニ押し〜ピンクハート


ジャン=バティスト・カミーユ・コロー
《川辺の木陰で読む女》
キャンバスに油彩
1865年から1870年の間 55.6×46.3
ランス美術館

絵の中の世界に入り込みたくなる一枚まったり
これ、もしも風景だけの絵だったら、どこかのきれいな景色ね…で終わってる。。。
画面左下の女性のおかげで一気に現実味が出て、この場所に行ってみたーい!と思えるんですね、ワタシには。


ではでは、そのほかのお気に入り作品もどうぞ音符


ジャック=ルイ・ダヴィッド(および工房)
《マラーの死》
キャンバスに油彩 
1793年7月13日以降 111.3×86.1
ランス美術館

今回の目玉、その1〜キラキラ
ジャン・ポール・マラー(1743-1793)は、急進的かつ過激な言論で市民の支持を得ていたジャーナリスト。
フランス革命さなかの1793年7月13日の夕方、彼と対立していたジロンド派を支持する女性に、入浴中に暗殺されたそう。
左手には、マラーに会うために女性が出した手紙が。
右下の木箱には「私を貶められぬが故に、彼らは私を暗殺した」との文章が。
親友だったダヴィッドは、マラーを「革命の英雄」として描いたのでした。


シャルル・ランデル
《タンジールのユダヤ人の女》
キャンバスに油彩
1866年以降 61.4×50.6
ランス美術館

作品の解説はなかったけれど、
今展でのイチ押し美女でございますおとめ座


ウジェーヌ=ルイ・ブーダン
《ダンケルク周辺の農家の一角》
キャンバスに油彩 1889年 46.8×65.5
ランス美術館

ダンケルクはフランス北部、ベルギーとの国境に近い、
海に面した都市なのだそう。


ルイ・パヴィオ
《トリニテ広場》
キャンバスに油彩 1900年 81×116
ランス美術館

パリ9区にある広場とのことです。


カミーユ・ピサロ
《オペラ座通り、テアトル・フランセ広場》
キャンバスに油彩 1898年 73.3×92.3
ランス美術館

今回の目玉、その2〜キラキラ
これはルーヴル美術館側から見た風景らしい。
画面手前に大きく広がっているのがオペラ座通りで、
道の奥にはオペラ座が霞んで見えています。


そして、そして、
美術館の2階は「フジタ・ワールド」(作品数26点)になってますよ!


レオナール・フジタ(藤田嗣治)
《猫》
キャンバスに油彩 1963年 62.7×76.5
ランス美術館

フジタの猫好きは有名ですにゃ三毛猫


レオナール・フジタ(藤田嗣治)
《授乳の聖母》
キャンバスに油彩
1964年7月11日 64.9×54.2
ランス美術館

キツツキの巣を手に持ち、幼子イエスに乳を与える聖母マリア。
周囲にはカンガルーやコアラの親子、ライオンやオオカミの家族といった、育児に携わるさまざまな動物の姿が。
ここでは聖母の神性よりも、母性が強調されております。


レオナール・フジタ(藤田嗣治)
《奇跡の聖母》
キャンバスに油彩
1964年6月6日 65.3×54.1
ランス美術館

聖母マリアが病人や身体の不自由な人たちに治癒の奇跡を施す…という、キリスト教図像の伝統的な主題を用いた作品。
聖母のもとには人生の苛酷を背負った者、女性、子どもが集まり、彼女は彼ら全員を包み込むようにひときわ大きく描かれています。


あと、フジタの構想によってランスに建てられた平和の聖母礼拝堂(1966年秋に完成。フジタ夫妻はここに眠っています)。
ランスで洗礼を受けたフジタが礼拝堂のために制作したフレスコ画とステンドグラスの写真パネル、そしてフレスコ画のための素描も展示されてますよ音符

会期終了が迫ってきています。お見逃しのないよう〜!


『ランス美術館展』
◆2017年10月7日(土)-12月3日(日)
 名古屋市美術館
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(名古屋が最終会場です)


名古屋市美術館 →
(名古屋市中区栄2-17-25 白川公園内)

ランス美術館 →

平和の聖母礼拝堂(フジタ礼拝堂) →

【平和の聖母礼拝堂(フジタ礼拝堂)】


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