愛知県美術館
『大エルミタージュ美術館展 オールドマスター 西洋絵画の巨匠たち』(2017年)
最近は5年に一度、定期的に開かれている『大エルミタージュ美術館展』
展示を観るまで、「オールドマスター」よりも「20世紀以降の画家」を取り上げてくれたらいいのにぃ〜と、無礼なことを考えていたんだけど、
さすがは「大」エルミタージュ、相当楽しめましたです
今展では、16世紀のルネサンス、17・18世紀のバロック、ロココの時代の巨匠の作品を「国別に」わかりやすく紹介してます。
(展示総数85点)
愛知展の特典として、
毎週金曜日は展示室内のすべての作品が写真撮影OK!
また、「プロローグ」の章の《戴冠式のローブを着たエカテリーナ2世の肖像》は、会期中いつでも写真撮影できますよ
ではでは、ワタシのお気に入り作品をどうぞ〜
◆ 1 イタリア : ルネサンスからバロックへ
カルロ・ドルチ
《聖チェチリア》
キャンバスに油彩
1640年代後半 126×99.5
エルミタージュ美術館
今回のイチ押しでございます
ほんにお美しい〜〜!
聖チェチリアのWikipediaによると、
彼女は、音楽家と目の不自由な人々の守護聖人(紀元2世紀頃の人物)。
神を賛美するのに楽器を奏でながら歌ったと言い伝えられていて、芸術作品では楽器とともに描かれることが多いそうな。
古代キリスト教の多くの聖人たちと同じく殉教しているんですが、
斬首の刑で執行人が3度剣を振り下ろしても胴から首を切り離すことができず、刑は中止になり、彼女は首に重傷を負ったまま3日間生き延びた、って…
結局、失血死なんでしょうが、その間の苦痛を想像するだけで気絶しそう
ルカ・カルレヴァリス
《ヴェネツィア、運河に面したドゥカーレ宮殿前の眺め》
キャンバスに油彩 1710年頃 64×121
エルミタージュ美術館
帆船〜
「都市景観図(ヴェドゥータ)」の画家たちの作品もありますよ。
◆ 2 オランダ : 市民絵画の黄金時代
ハブリエル・メツー
《医師の訪問》
キャンバスに油彩 1660-65年 61.5×47.5
エルミタージュ美術館
レンブラントを始め巨匠の作品が並ぶなか、注目してしまったのがこちら
「医師の訪問」は、1660年代のオランダで人気を博した主題だそう。
画面中央には、血の気のない顔をした女性が。
その左で、ガラス瓶(中身はたぶん、女性のお小水…)をかざして、診察するフリをする医者。
実は、女性がかかっているのは深刻な病気ではなく、「恋の病」だとわかっているからなのでした〜、
という内容です
◆ 3 フランドル : バロック的豊穣の時代
ペーテル・ブール
《猫の頭部の4つの習作》
キャンバスに油彩 1650年代 42.5×32.5
エルミタージュ美術館
ブリューゲル、ルーベンス、ヴァン・ダイク…と、この章もスター揃いですが、猫好きにはやはり、こちらが一番にゃ
どうも静物や動物を専門に描いた画家さんのようですな。
野性味たっぷりの表情がグッド
◆ 4 スペイン : 神と聖人の世紀
バルトロメ・エステバン・ムリーリョ
《受胎告知》
キャンバスに油彩 1660年頃 142×107.5
エルミタージュ美術館
厳かというよりもほのぼのとしていて、心温まる一枚
フランシスコ・デ・スルバラン
《聖母マリアの少女時代》
キャンバスに油彩 1660年頃 73.5×53.5
エルミタージュ美術館
少女時代のマリア像って初めて観るかも
神の声に耳を傾けているところ?
◆ 5 フランス : 古典主義的バロックからロココへ
クロード・ロラン(本名 : クロード・ジュレ)
《港》
キャンバスに油彩
1630年代末-1640年代 74×96.5
エルミタージュ美術館
帆船~その2。
ユベール・ロベール
《運河のある建築風景》
キャンバスに油彩 1783年 129×182.5
エルミタージュ美術館
ユベール・ロベール
《ドーリス式神殿の廃墟》
キャンバスに油彩 1783年 129×182.5
エルミタージュ美術館
こちらは廃墟~
「廃墟の画家」ユベール・ロベール。
前回(2012年)も彼の絵が来てたけれど、個人的にイマイチだったので
今回、たっぷりと楽しませてもらいました!
◆ 6 ドイツ・イギリス : 美術大国の狭間で
トマス・ジョーンズ
《嵐、ディドとアイネイアスの物語》
キャンバスに油彩 1769年 137.5×193.5
エルミタージュ美術館
トロイ戦争でギリシャ軍に破れたトロイ一族の王子アイネイアス。
逃亡の途中、彼はカルタゴに漂着し、カルタゴの女王ディドと出逢って恋に落ちる…
というギリシャ神話の物語の中の一場面ね。
でも、やがてアイネイアスはローマへと旅立ち、失意のディドは自ら命を絶つのです。
その悲劇的な結末を、嵐の空が暗示しているんですね
……以上、ほかにも目玉作品があるのだけど、あくまでワタシの好みでもって選んでみました。
では、また5年後(?)に待ってまーす
『大エルミタージュ美術館展 オールドマスター 西洋絵画の巨匠たち』
◆2017年7月1日(土)-9月18日(月・祝)
愛知県美術館
・Twitter →
(兵庫県立美術館に回ります)
★ 愛知県美術館 →
(名古屋市東区東桜1-13-2)
★ エルミタージュ美術館 →
【大エルミタージュ美術館展(東京展)】
・テーマ「海外のミュージアム」の記事一覧 →
『大エルミタージュ美術館展 オールドマスター 西洋絵画の巨匠たち』(2017年)
最近は5年に一度、定期的に開かれている『大エルミタージュ美術館展』
展示を観るまで、「オールドマスター」よりも「20世紀以降の画家」を取り上げてくれたらいいのにぃ〜と、無礼なことを考えていたんだけど、
さすがは「大」エルミタージュ、相当楽しめましたです
今展では、16世紀のルネサンス、17・18世紀のバロック、ロココの時代の巨匠の作品を「国別に」わかりやすく紹介してます。
(展示総数85点)
愛知展の特典として、
毎週金曜日は展示室内のすべての作品が写真撮影OK!
また、「プロローグ」の章の《戴冠式のローブを着たエカテリーナ2世の肖像》は、会期中いつでも写真撮影できますよ
ではでは、ワタシのお気に入り作品をどうぞ〜
◆ 1 イタリア : ルネサンスからバロックへ
カルロ・ドルチ
《聖チェチリア》
キャンバスに油彩
1640年代後半 126×99.5
エルミタージュ美術館
今回のイチ押しでございます
ほんにお美しい〜〜!
聖チェチリアのWikipediaによると、
彼女は、音楽家と目の不自由な人々の守護聖人(紀元2世紀頃の人物)。
神を賛美するのに楽器を奏でながら歌ったと言い伝えられていて、芸術作品では楽器とともに描かれることが多いそうな。
古代キリスト教の多くの聖人たちと同じく殉教しているんですが、
斬首の刑で執行人が3度剣を振り下ろしても胴から首を切り離すことができず、刑は中止になり、彼女は首に重傷を負ったまま3日間生き延びた、って…
結局、失血死なんでしょうが、その間の苦痛を想像するだけで気絶しそう
ルカ・カルレヴァリス
《ヴェネツィア、運河に面したドゥカーレ宮殿前の眺め》
キャンバスに油彩 1710年頃 64×121
エルミタージュ美術館
帆船〜
「都市景観図(ヴェドゥータ)」の画家たちの作品もありますよ。
◆ 2 オランダ : 市民絵画の黄金時代
ハブリエル・メツー
《医師の訪問》
キャンバスに油彩 1660-65年 61.5×47.5
エルミタージュ美術館
レンブラントを始め巨匠の作品が並ぶなか、注目してしまったのがこちら
「医師の訪問」は、1660年代のオランダで人気を博した主題だそう。
画面中央には、血の気のない顔をした女性が。
その左で、ガラス瓶(中身はたぶん、女性のお小水…)をかざして、診察するフリをする医者。
実は、女性がかかっているのは深刻な病気ではなく、「恋の病」だとわかっているからなのでした〜、
という内容です
◆ 3 フランドル : バロック的豊穣の時代
ペーテル・ブール
《猫の頭部の4つの習作》
キャンバスに油彩 1650年代 42.5×32.5
エルミタージュ美術館
ブリューゲル、ルーベンス、ヴァン・ダイク…と、この章もスター揃いですが、猫好きにはやはり、こちらが一番にゃ
どうも静物や動物を専門に描いた画家さんのようですな。
野性味たっぷりの表情がグッド
◆ 4 スペイン : 神と聖人の世紀
バルトロメ・エステバン・ムリーリョ
《受胎告知》
キャンバスに油彩 1660年頃 142×107.5
エルミタージュ美術館
厳かというよりもほのぼのとしていて、心温まる一枚
フランシスコ・デ・スルバラン
《聖母マリアの少女時代》
キャンバスに油彩 1660年頃 73.5×53.5
エルミタージュ美術館
少女時代のマリア像って初めて観るかも
神の声に耳を傾けているところ?
◆ 5 フランス : 古典主義的バロックからロココへ
クロード・ロラン(本名 : クロード・ジュレ)
《港》
キャンバスに油彩
1630年代末-1640年代 74×96.5
エルミタージュ美術館
帆船~その2。
ユベール・ロベール
《運河のある建築風景》
キャンバスに油彩 1783年 129×182.5
エルミタージュ美術館
ユベール・ロベール
《ドーリス式神殿の廃墟》
キャンバスに油彩 1783年 129×182.5
エルミタージュ美術館
こちらは廃墟~
「廃墟の画家」ユベール・ロベール。
前回(2012年)も彼の絵が来てたけれど、個人的にイマイチだったので
今回、たっぷりと楽しませてもらいました!
◆ 6 ドイツ・イギリス : 美術大国の狭間で
トマス・ジョーンズ
《嵐、ディドとアイネイアスの物語》
キャンバスに油彩 1769年 137.5×193.5
エルミタージュ美術館
トロイ戦争でギリシャ軍に破れたトロイ一族の王子アイネイアス。
逃亡の途中、彼はカルタゴに漂着し、カルタゴの女王ディドと出逢って恋に落ちる…
というギリシャ神話の物語の中の一場面ね。
でも、やがてアイネイアスはローマへと旅立ち、失意のディドは自ら命を絶つのです。
その悲劇的な結末を、嵐の空が暗示しているんですね
……以上、ほかにも目玉作品があるのだけど、あくまでワタシの好みでもって選んでみました。
では、また5年後(?)に待ってまーす
『大エルミタージュ美術館展 オールドマスター 西洋絵画の巨匠たち』
◆2017年7月1日(土)-9月18日(月・祝)
愛知県美術館
・Twitter →
(兵庫県立美術館に回ります)
★ 愛知県美術館 →
(名古屋市東区東桜1-13-2)
★ エルミタージュ美術館 →
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