愛知 豊田市美術館
『デトロイト美術館展 大西洋を渡ったヨーロッパの名画たち』(2016年)



昨年10月にリニューアルオープンした
豊田市美術館へ出かけました~音符
お題は『デトロイト美術館展』。
豊田市とデトロイト市は "クルマつながりの姉妹都市" ってことで、豊田展が巡回のトップです車


で、、、この豊田展ではなんと!
平日に限り「展示室内での写真撮影OK」ですよ。
(非営利かつ私的使用目的のみ)
平日であれば、全作品撮り放題!カメラ 
撮影マナーを守ってね。
(ただ、一部の作品は、
SNSなど不特定多数への公開が禁止されています)

展示構成は、
・1章 印象派
・2章 ポスト印象派
・3章 20世紀のドイツ絵画
・4章 20世紀のフランス絵画
(全31作家、展示総数52点。うち日本初公開15点)
とシンプル。

クマ太郎さんが「20世紀のドイツ絵画」を取り上げたので、ワタシは残りの3つの章からお気に入りを紹介しまーすおねがい


まずは、今回のイチ押し!(2点あります)
「ポスト印象派」の章から、こちらキラキラ


オディロン・ルドン
《心に浮かぶ蝶》
キャンバスに油彩
1910-12年頃 55.2×41.3
デトロイト美術館

スピリチュアルな一枚。

蝶はギリシャ語で「精神」を意味するのだとか。
キリスト教的な価値観では、生命・死・復活の象徴らしい。
20世紀の初めには、蝶は魂を暗示するもので、
死後に肉体を離れる魂を擬人化したものとも見なされたそうです。

【オディロン・ルドン作品集】



そしてもう1点、「印象派」の章から、こちらキラキラ


アンリ・ジェルヴェクス
《パリのカフェにて》
キャンバスに油彩 1877年 100.6×135.9
デトロイト美術館

初めて名前を知ったひとです。
印象派というよりアカデミズムの画家さんですね。
大胆に画面の右端を切り取っていて「おおっ」と注目してしまった。
このアンバランスさがよいですグッ

フランスではジャポニスムの嵐が吹き荒れていた時代。
こういう画面の切り方は浮世絵の影響を受けたのでは、
とのこと。
左から二人目の人物は、当時25歳の作者本人だそうで。

【アンリ・ジェルヴェクス作品集】



And、目を引いたそのほかの作品~ピンクハート


クロード・モネ
《グラジオラス》
キャンバスに油彩 1876年頃 55.9×82.6
デトロイト美術館

温度も湿度も高め。風はほとんどなく、強い日射しの中、
花の香りがムッとたちこめている…
というのを、まざまざと感じますな。
日傘の女性は、モネの妻カミーユです。


エドガー・ドガ
《楽屋の踊り子たち》
キャンバスに油彩 1879年頃 40.6×87.6
デトロイト美術館

この、ひどく横長の画面構成は
日本美術の影響を受けているらしい。


ピエール=オーギュスト・ルノワール
《座る浴女》
キャンバスに油彩
1903-06年 116.2×88.9
デトロイト美術館


ピエール=オーギュスト・ルノワール
《白い服の道化師》
キャンバスに油彩 1901-02年 79.1×61.9
デトロイト美術館

さすがルノワールというか、どちらも抜群の安定感。
穏やかな気分で観ていられますね。


カロリュス=デュラン
《喜び楽しむ人々》
キャンバスに油彩 1870年 90.2×139.7
デトロイト美術館

ノーマン・ロックウェルの作品を、ふと思い出した。


フィンセント・ファン・ゴッホ
《自画像》
板に貼り付けたキャンバスに油彩
1887年 34.9×26.7
デトロイト美術館

服の部分に、指で絵具を塗り付けた跡がある…
作者の顔が白い炎に包まれているように見えたわメラメラ


ポール・セザンヌ
《三つの髑髏》
キャンバスに油彩 1900年頃 34.9×61
デトロイト美術館

「メメント・モリ」の絵?
(↑今日は無事でも明日はどうなるかわからないことから、「自分が必ず死ぬことを忘れるな」という意味のラテン語の警句)
セザンヌにはこういうモチーフの作品もあったのね 目


シャイム・スーティン
《赤いグラジオラス》
キャンバスに油彩 1919年頃 54.6×45.7
デトロイト美術館

作者の情熱が内へ内へと向かっているような…
もう、怨念のように咲いてるところがよいわ~。


あと、ピカソの《アルルカンの頭部》(1905年)と《肘掛け椅子の女性》(1923年)も好みだけど、彼の作品はすべて「SNSなどへの投稿禁止」になっていて残念タラータラー

初めて観るものばかりでしたが、わかりやすい内容で、
全体的に手堅くまとめてあるな~という印象です。
ぎょっ!とするような意外な作品があったら、
さらに楽しめたかな…
でも、一見の価値アリですぞ!ウインクキラキラ


『デトロイト美術館展 大西洋を渡ったヨーロッパの名画たち』
◆2016年4月27日(水)-6月26日(日)
 豊田市美術館(愛知)
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大阪市立美術館上野の森美術館(東京)に回ります)


豊田市美術館 →
(愛知県豊田市小坂本町8-5-1)

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【デトロイト美術館展@大阪市立美術館】


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