名古屋ボストン美術館
『ボストン美術館 ヴェネツィア展 魅惑の都市の500年』(2015-16年)



4年ぶりの『ヴェネツィア展』が名古屋に音符

前回の『世界遺産 ヴェネツィア展』はヴェネツィアの美術館のコレクションがメインで、工芸品の展示が多かったけれど、今回はアメリカ・ボストン美術館のコレクション。
絵画と版画がたくさん来てます。
(全4章、展示総数約130点)


遅くなりましたが、開幕初日(9月19日)に行ってきました~。
ではでは、章ごとにお気に入りをご紹介ピンクハート


◆ 第1章 比類なき都市

イタリア半島の付け根に位置するヴェネツィアは、アドリア海に面する群島とラグーナと呼ばれる干潟の上につくられた、水の都。
イタリア(特にヴェネツィア)出身の画家たちが描いた都市の姿と、肖像画を紹介しています。


ヤコポ・デ・バルバリ(イタリア)
《ヴェネツィア鳥瞰図》
紙に木版 1500年 177.2×323.9
ボストン美術館


「富の橋(Ponte della Moneta)」
(のちのリアルト橋)付近の拡大図

この版画、4年前にも観たけど、当時の家々が一戸一戸描かれていてすごすぎっポーン
大運河のさざ波や航跡まで細かく表現されているし、ほんと鳥になって上空から眺めたとしか思えない!目


現在のリアルト橋付近(参考画像)


ヴェネツィアの衛星写真(参考画像)

ヴェネツィアのライブカメラ →
(サン・マルコ広場ほか)


フランチェスコ・グアルディ(イタリア/ヴェネツィア)
《サン・マルコ沖を行くゴンドラの列》
キャンバスに油彩
1780-93年頃 98.1×138.1
ボストン美術館

1782年にローマ教皇ピウス6世がヴェネツィアを訪問した際の様子を記録した作品かも?とのことです。


エットレ・ティート(イタリア/ヴェネツィア)
《陽気な日のヴェネツィアの街角》
キャンバスに油彩 1891-99年 54×80.6
ボストン美術館

ヴェネツィアの町はいつも陽気で、たびたびカーニバルが開かれてるような印象があるけど、実際は年に一度なんですよねタラー


◆ 第2章 描かれた祈り

今回の目玉は16世紀ヴェネツィア・ルネサンスの三大巨匠、ティツィアーノ、ティントレット、ヴェロネーゼの作品。
けれども、個人的な好みでこちらをイチ押し!キラキラ


ロレンツォ・ロット(イタリア/ヴェネツィア)
《聖母子と聖ヒエロニムス、トレンティーノの聖ニコラウス》
パネルに油彩 1523-24年 94.3×77.8
ボストン美術館

故郷のヴェネツィアではパトロンに恵まれず、
生涯単身でイタリア各地を放浪し続けたという孤高の画家、ロレンツォ・ロット。

【ロレンツォ・ロット作品集】



そして、こちら↓がニ押し!キラキラ


フランチェスコ・カペッラ(イタリア/ヴェネツィア)
《聖家族とパオラの聖フランチェスコ、聖ルイージ(アロイシウス)・ゴンザーガ》
キャンバスに油彩
1760年代初期 167.3×121.9
ボストン美術館

イエズス会の聖堂のために制作されたと推定される作品です。

どちらも神々しい~!
特にロレンツォ・ロットは、4年前の『ヴェネツィア展』では名古屋に作品が来なかったので……
今回、最前列からかぶりつきで拝見しましたラブ


◆ 第3章 ヴェネツィア様式

ヴェネツィアの人々が好んだ絹織物やレース、ガラス製品、また邸宅内の様子を描いた絵画や写真を紹介しています。


マティアス・シャラー(ドイツ)
《ベンゾン邸》(連作「ファサードの裏側」より)
写真、アルミニウム板に印画紙
2007年 180×180
ボストン美術館


ビザール・デザインによるサーモン色の絹織
フランスもしくはイタリア(ヴェネツィア?)製
絹糸と金糸で浮織を施したシルク・ダマスク織
1700-10年 113×53.3
ボストン美術館


緑色のヴェネツィア・ビーズのネックレス
アメリカもしくはヨーロッパ製
ガラス・ビーズ、ガラスをつなぎ合わせた環状のタッセル
1925年頃 55.5×6×0.6
ボストン美術館

このネックレスと一緒に展示されている、マリアーノ・フォルティーニ デザインの「デルフォス」ドレス(1930年代)も素敵でしたピンクハート
プリーツの美しさにうっとり……


◆ 第4章 芸術家たちを魅了する町

19世紀以降、異邦人たちが見出した「ヴェネツィア」を紹介しています。


ウィリアム・グラハム(アメリカ)
《雪の日のサンティ・ジョヴァンニ・エ・パオロ広場》
キャンバスに油彩 1879年 33.6×60
ボストン美術館

ヴェネツィアに雪…ってピンとこなかったから、ちょいとびっくり 目
夏も冬も、東京より気温が低いんですね。


ジェームズ・アボット・マクニール・ホイッスラー(アメリカ〔イギリスで活動〕)
《ノクターン》(「第一ヴェネツィア連作」より)
紙にエッチング 1879-80年 21.1×29.7
ボストン美術館


クロード・モネ(フランス)
《ヴェネツィアの大運河》
キャンバスに油彩 1908年 73.7×92.4
ボストン美術館

あらゆるものが虹色に輝く夕暮れ時の、夢見る色彩。
この章の目玉ですな~キラキラ


アベラルド・モレル(アメリカ)
《サンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂》
ゼラチン・シルバー・プリント 2006年
ボストン美術館

摩訶不思議なのが面白いわ音譜


4年前の展覧会と比べると、内容の "濃さ" という点ではちょっと…だけども、ロットとカペッラの「聖母子」に出会えてワタシは満足~~ピンクハートであります。


『ボストン美術館 ヴェネツィア展 魅惑の都市の500年』
◆2015年9月19日(土)-2016年2月21日(日)
 名古屋ボストン美術館
ひろしま美術館佐川美術館(滋賀)、新潟県立近代美術館に回ります)
【名古屋ボストン美術館は2018年10月8日にて閉館しました】

ヴェネツィア市公式サイト →
ヴェネツィアのライブカメラ →
(サン・マルコ広場ほか)


ボストン美術館 →

・テーマ「海外の歴史・文明」の記事一覧 →