名古屋市博物館
『世界遺産 ヴェネツィア展 魅惑の芸術―千年の都』(2011-12年)
最近知ったんですが、
ヴェネツィアって「島」だったのね
「アドリア海の女王」と讃えられたヴェネツィア共和国の首都であり、東洋と西洋を結ぶ海上都市として栄えたヴェネツィア、1000年の歴史に迫る展覧会でございます。
(全3章、展示総数143点)
◆ 第1章 黄金期
ヴェネツィアの都市構造や国家機関を紹介し、海運国として経済的・宗教的・文化的に発展していったヴェネツィアの黄金期の歴史をたどる内容です。
(個人的には、この章が一番好き)
まず、木製の《聖マルコのライオン》がお出迎え~
アルヴィーゼ・ビアンコと協力者
《聖マルコのライオン》
1490年頃
コッレール美術館
「聖書を持った有翼の獅子」はヴェネツィアの守護聖人サン・マルコのシンボルだそうで、同時にヴェネツィアそのものを象徴する存在なんだとか。
展覧会のチラシ↑になってるヴィットーレ・カルパッチョの《サン・マルコのライオン》も併せて展示されてるけれど、
ワタシは「木彫り」の獅子像のほうに惹かれました
獅子像の隣りには《1500年のヴェネツィア》《ヴェネツィアの眺望》という、島内の家々が一戸一戸(!)細か~~く描かれている景観図が
で、、、
ここでのイチ押しは、
アルブレヒト・デューラーの星図を元にした
真鍮製の「機械仕掛け天球・地球儀」!
星座が透かし彫りされた天球儀の中に
地球儀が入ってるんです~。
その地球儀にはゼンマイ式の時計が内蔵されていて、
時間・月日・太陽の位置がわかるようになってるんです~。
しかもコンパス(磁針)付き。
うっひゃ~~、めっちゃ欲しいっ
ほかにも「天体観測リング」「天体観測儀」「円筒状日時計」「地球儀」(↓こちら)「望遠鏡」「世界航海図」「地中海の海図」といった海運国家ならではの品々は、見ていて飽きませんなぁ
ヴィンチェンツォ・コロネッリ
地球儀
1688年
コッレール美術館
ちゃんと日本も描かれてますよー。
北海道は大陸と繋がってしまってるけど……
あとは、「ガレー船の模型」とか、サン・マルコの財務官が着てた緋色の長衣とか、その緋色の長衣姿のイケメン財務官ヴィンチェンツォ・クエリーニの肖像画とか、「真実の口」(密告用投書箱)とか、「ゴンドラ用フェッロ」(船尾用鉄製部品)とか、「ブロンズ製ノッカー(ネプトゥヌス)」が良かったですねぇ
And、ヴェネツィアの有名な橋と言えば!
ジュゼッペ・ボルサート
《リアルト橋》
キャンバスに油彩 1819年
コッレール美術館
橋の上にアーケードがあるデザインです
現在のリアルト橋(参考画像)
★ リアルト橋のライブカメラ →
◆ 第2章 華麗なる貴族
黄金期を迎えたヴェネツィアの人々の生活と、その華麗なる日々を紹介しています。
ここでのイチ押しは、なんといっても
「カ・レッツォーニコ」様式のシャンデリア 」!
19世紀から20世紀にかけての作ということで、
比較的新しいものなんです。
が、500個もの吹きガラスを一分の狂いもなく組み合わせた、その技術力と作品の威容に、ただただ啞然とするばかり……
作者不明
「カ・レッツォーニコ」様式のシャンデリア
19-20世紀
個人蔵
ほかには、「婦人用ドレス」&「男性用礼服」とか、「扇」とか、ヴェネチアングラスとか、マジョルカ焼の壺とか皿とか、ゲーム用の「ルーレット」とか、黒檀製の「キャビネット」が素晴らしかったですねぇ
◆ 第3章 美の殿堂
ヴェネツィア派の創始者でもあるジョヴァンニ・ベッリーニ、「景観画家」として大成功をおさめたカナレットなど、ヴェネツィアが誇る珠玉の絵画が並びます。
今回の目玉は この作品。
ジョヴァンニ・ベッリーニ
《聖母子》
板(19世紀にキャンバスに移し替え)にテンペラ
1470年頃
コッレール美術館
事前にあちこちで目にしてましたが、
「印刷物」と「実物」はやはり雰囲気が違いますな。
背景の空の「青」がとっても印象的
(名古屋のあと、京都、広島で展示されます)
ほかには、、、
ヴィットーレ・カルパッチョ
《聖母子と洗礼者聖ヨハネ》
板にテンペラ、油彩 1485-90年頃
コッレール美術館
セバスティアーノ・リッチ
《ヴィーナスとサテュロスとキューピッド》
キャンバスに油彩 1713-16年頃
カ・レッツォーニコ
ロザルバ・カッリエーラ
《春》
紙にパステル 1720年頃
カ・レッツォーニコ
以下の3点は、カナレット関連。
カナレット工房
《プンタ・デッラ・ドガーナ付近のカナル・グランデ》
キャンバスに油彩 1740年頃
カ・レッツォーニコ
カナレット(本名 : ジョヴァンニ・アントニオ・カナル)
《柱廊のあるカプリッチョ(奇想画)》
キャンバスに油彩 1765年頃
カ・レッツォーニコ
カナレット工房
《サルーテ教会付近のカナル・グランデ》
キャンバスに油彩 1740年頃
カ・レッツォーニコ
ロレンツォ・ロットの《天使より戴冠される聖母子》(仙台、松山で展示)と、ヴィットーレ・カルパッチョの《二人の貴婦人》(東京で展示)も名古屋で見たかったなぁ
館内のロビーの床には現代のヴェネツィアの航空写真(約3×4.5m)が貼ってあるので、そちらもお見逃しなく~
(ワタシはすっかり見落としたけど…)
こういう感じね↓
この展覧会には、
「世界遺産「ヴェネツィア」、まるごと日本上陸。」
というキャッチコピーが付いてますが、
まさに「まるごとキターー!!」ですよ
お近くのかたは、ぜ~ひぜひご覧ください!
『世界遺産 ヴェネツィア展 魅惑の芸術―千年の都』
◆2011年12月22日(木)-2012年3月4日(日)
名古屋市博物館
・Twitter →
・Facebook →
・YouTube →
(宮城県美術館、愛媛県美術館、京都文化博物館、広島県立美術館に回ります)
★ ヴェネツィア市公式サイト →
★ ヴェネツィアのライブカメラ →
(リアルト橋ほか)
★ 名古屋市博物館 →
(名古屋市瑞穂区瑞穂通1-27-1)
「ワタシのイチ押し」 関連記事
・『世界遺産 ヴェネツィア展』②(2011-12年)
・テーマ「海外の歴史・文明」の記事一覧 →
『世界遺産 ヴェネツィア展 魅惑の芸術―千年の都』(2011-12年)
最近知ったんですが、
ヴェネツィアって「島」だったのね
「アドリア海の女王」と讃えられたヴェネツィア共和国の首都であり、東洋と西洋を結ぶ海上都市として栄えたヴェネツィア、1000年の歴史に迫る展覧会でございます。
(全3章、展示総数143点)
◆ 第1章 黄金期
ヴェネツィアの都市構造や国家機関を紹介し、海運国として経済的・宗教的・文化的に発展していったヴェネツィアの黄金期の歴史をたどる内容です。
(個人的には、この章が一番好き)
まず、木製の《聖マルコのライオン》がお出迎え~
アルヴィーゼ・ビアンコと協力者
《聖マルコのライオン》
1490年頃
コッレール美術館
「聖書を持った有翼の獅子」はヴェネツィアの守護聖人サン・マルコのシンボルだそうで、同時にヴェネツィアそのものを象徴する存在なんだとか。
展覧会のチラシ↑になってるヴィットーレ・カルパッチョの《サン・マルコのライオン》も併せて展示されてるけれど、
ワタシは「木彫り」の獅子像のほうに惹かれました
獅子像の隣りには《1500年のヴェネツィア》《ヴェネツィアの眺望》という、島内の家々が一戸一戸(!)細か~~く描かれている景観図が
で、、、
ここでのイチ押しは、
アルブレヒト・デューラーの星図を元にした
真鍮製の「機械仕掛け天球・地球儀」!
星座が透かし彫りされた天球儀の中に
地球儀が入ってるんです~。
その地球儀にはゼンマイ式の時計が内蔵されていて、
時間・月日・太陽の位置がわかるようになってるんです~。
しかもコンパス(磁針)付き。
うっひゃ~~、めっちゃ欲しいっ
ほかにも「天体観測リング」「天体観測儀」「円筒状日時計」「地球儀」(↓こちら)「望遠鏡」「世界航海図」「地中海の海図」といった海運国家ならではの品々は、見ていて飽きませんなぁ
ヴィンチェンツォ・コロネッリ
地球儀
1688年
コッレール美術館
ちゃんと日本も描かれてますよー。
北海道は大陸と繋がってしまってるけど……
あとは、「ガレー船の模型」とか、サン・マルコの財務官が着てた緋色の長衣とか、その緋色の長衣姿のイケメン財務官ヴィンチェンツォ・クエリーニの肖像画とか、「真実の口」(密告用投書箱)とか、「ゴンドラ用フェッロ」(船尾用鉄製部品)とか、「ブロンズ製ノッカー(ネプトゥヌス)」が良かったですねぇ
And、ヴェネツィアの有名な橋と言えば!
ジュゼッペ・ボルサート
《リアルト橋》
キャンバスに油彩 1819年
コッレール美術館
橋の上にアーケードがあるデザインです
現在のリアルト橋(参考画像)
★ リアルト橋のライブカメラ →
◆ 第2章 華麗なる貴族
黄金期を迎えたヴェネツィアの人々の生活と、その華麗なる日々を紹介しています。
ここでのイチ押しは、なんといっても
「カ・レッツォーニコ」様式のシャンデリア 」!
19世紀から20世紀にかけての作ということで、
比較的新しいものなんです。
が、500個もの吹きガラスを一分の狂いもなく組み合わせた、その技術力と作品の威容に、ただただ啞然とするばかり……
作者不明
「カ・レッツォーニコ」様式のシャンデリア
19-20世紀
個人蔵
ほかには、「婦人用ドレス」&「男性用礼服」とか、「扇」とか、ヴェネチアングラスとか、マジョルカ焼の壺とか皿とか、ゲーム用の「ルーレット」とか、黒檀製の「キャビネット」が素晴らしかったですねぇ
◆ 第3章 美の殿堂
ヴェネツィア派の創始者でもあるジョヴァンニ・ベッリーニ、「景観画家」として大成功をおさめたカナレットなど、ヴェネツィアが誇る珠玉の絵画が並びます。
今回の目玉は この作品。
ジョヴァンニ・ベッリーニ
《聖母子》
板(19世紀にキャンバスに移し替え)にテンペラ
1470年頃
コッレール美術館
事前にあちこちで目にしてましたが、
「印刷物」と「実物」はやはり雰囲気が違いますな。
背景の空の「青」がとっても印象的
(名古屋のあと、京都、広島で展示されます)
ほかには、、、
ヴィットーレ・カルパッチョ
《聖母子と洗礼者聖ヨハネ》
板にテンペラ、油彩 1485-90年頃
コッレール美術館
セバスティアーノ・リッチ
《ヴィーナスとサテュロスとキューピッド》
キャンバスに油彩 1713-16年頃
カ・レッツォーニコ
ロザルバ・カッリエーラ
《春》
紙にパステル 1720年頃
カ・レッツォーニコ
以下の3点は、カナレット関連。
カナレット工房
《プンタ・デッラ・ドガーナ付近のカナル・グランデ》
キャンバスに油彩 1740年頃
カ・レッツォーニコ
カナレット(本名 : ジョヴァンニ・アントニオ・カナル)
《柱廊のあるカプリッチョ(奇想画)》
キャンバスに油彩 1765年頃
カ・レッツォーニコ
カナレット工房
《サルーテ教会付近のカナル・グランデ》
キャンバスに油彩 1740年頃
カ・レッツォーニコ
ロレンツォ・ロットの《天使より戴冠される聖母子》(仙台、松山で展示)と、ヴィットーレ・カルパッチョの《二人の貴婦人》(東京で展示)も名古屋で見たかったなぁ
館内のロビーの床には現代のヴェネツィアの航空写真(約3×4.5m)が貼ってあるので、そちらもお見逃しなく~
(ワタシはすっかり見落としたけど…)
こういう感じね↓
この展覧会には、
「世界遺産「ヴェネツィア」、まるごと日本上陸。」
というキャッチコピーが付いてますが、
まさに「まるごとキターー!!」ですよ
お近くのかたは、ぜ~ひぜひご覧ください!
『世界遺産 ヴェネツィア展 魅惑の芸術―千年の都』
◆2011年12月22日(木)-2012年3月4日(日)
名古屋市博物館
・Twitter →
・Facebook →
・YouTube →
(宮城県美術館、愛媛県美術館、京都文化博物館、広島県立美術館に回ります)
★ ヴェネツィア市公式サイト →
★ ヴェネツィアのライブカメラ →
(リアルト橋ほか)
★ 名古屋市博物館 →
(名古屋市瑞穂区瑞穂通1-27-1)
「ワタシのイチ押し」 関連記事
・『世界遺産 ヴェネツィア展』②(2011-12年)
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