名古屋ボストン美術館
『ボストン美術館 華麗なるジャポニスム展 印象派を魅了した日本の美』(2015年)
19世紀後半から20世紀初頭にかけて、西洋では浮世絵をはじめとする日本美術が大流行しました。
その大胆な構図と色使い、独特の装飾模様は西洋の美意識に根本的な変革をもたらし、ジャポニスムという現象が生まれました。
(展覧会のチラシより)
というわけで、"華麗なる" ジャポニスム作品を見てまいりましたよ~
章ごとに、お気に入りを紹介しますね。
(全5章、展示総数148点)
◆ 第1章 日本趣味(ジャポネズリー)
西洋の芸術家たちが日本美術をそのまま模倣し、取り込んだ作品は「ジャポネズリー」と呼ばれています。
欧米で絶賛された浮世絵や日本の工芸品とともに、日本美術がそのまま写されたジャポネズリーの工芸品を紹介しています。
この章では、日本刀の鐔(つば)に魅せられました!
平田就亮(ひらた・なりすけ : 日本)
《虫図七宝鐔》(むしずしっぽうつば)
赤銅石目地、金、七宝
江戸時代(18世紀後半-19世紀前半)
7.1×6.3×0.4
ボストン美術館
(表)
(裏)
大規模な戦乱が滅多に起きない泰平の世では、刀剣の需要も減るわけですが、その一方で、刀のパーツである刀装具の装飾は発展していったのだそうです。
◆ 第2章 女性
浮世絵に描かれている女性同士の親密な空間や、親子の愛情あふれる光景は、日常生活の情景をありのままに表現しようとする印象派・ポスト印象派の画家たちに、深い共感をもって受け入れられました。
着物姿のきれいなお姉さん、素敵ですワ
アルフレッド・ステヴァンス(ベルギー→フランス)
《瞑想》
キャンバスに油彩 1872年頃 40.7×32.4
ボストン美術館
で、、、章の最後に今回の目玉が展示されてます
展覧会の開催にあたり、絵具が剥がれそうな箇所を安定させる、作品表面の古いニスやワックスを取り除くなどの修復をおこなった、この作品
クロード・モネ(フランス)
《ラ・ジャポネーズ(着物をまとうカミーユ・モネ)》
キャンバスに油彩 1876年 231.8×142.3
ボストン美術館
額装するとタテ3メートル近くにもなる大作。
ちなみに、修復前の《ラ・ジャポネーズ》は↓こんな感じ??
『モネと印象派 ボストン美術館展』(1992-93年)より
クロード・モネ
《ラ・ジャポネーズ(日本の着物をまとったカミーユ・モネ)》(参考画像)
友だちが送ってくれたポストカードです。
20年以上前のものなので印刷技術に差が出るでしょうが、
画面の明るさや色鮮やかさが違う
「Camille Monet in Japanese Costume」の日本語訳も、
今とは微妙に違ってたんですねー。
真っ赤な打掛に描かれている武者ともみじの図柄は、
能の演目「紅葉狩」をデザイン化したものでは?との説があるらしい。
この "赤" と強く対比させるため、
モネは妻のカミーユに "金髪" のかつらを付けさせたそうな。
それにしても、着物・うちわ・扇子・ござ…と、
ものすごい日本趣味じゃあ~。
あっぱれ!
3階ロビー(ミュージアムショップ横)には、
カミーユの打掛を再現した品が展示されてますよ
(写真撮影OKです)
◆ 第3章 シティ・ライフ
19世紀……パリ、ロンドン、ニューヨークなど欧米の都市は、大きく変貌します。
浮世絵に描かれた江戸庶民の生活は、都市生活を生き生きと描き出したいと望む画家たちに、深い共感をもって迎えられました。
ロバート・アール・ヘンライ(アメリカ)
《サイドウォーク・カフェ》
キャンバスに油彩 1899年頃 81.6×65.7
ボストン美術館
太い木の幹で画面を大胆に分割する構図は、
ヘンライが浮世絵から取り入れたものだそうな。
◆ 第4章 自然
「日本美術は、我々に自然への回帰を促す」
日本の美術の随所にみられる、自然(動植物)に対する細やかな観察と愛着は、西洋人にとって感嘆すべきものだったようです。
浮世絵や工芸に、自然が豊かに美しく、また精緻に表されていることによって、彼らは、日本では芸術が生活に溶け込んでいると信じたのでした。
三代歌川広重(日本)
『百猫画譜』(ひゃくみょうがふ)より9図
活版摺画文集より抜粋
1878年(明治11年) 44.8×30.3
ボストン美術館
もう、見ているだけで和むニャ~
チャールズ・キャリル・コールマン(アメリカ)
《つつじと林檎の花のある静物》
キャンバスに油彩 1878年 180.3×62.9
ボストン美術館
掛け軸を意識したようなサイズといい、
下の方にある短冊型の書き込みや丸紋といい……
そのうえ、金色の額の四隅に「三つ葉葵」の紋。
同じく額の上下左右の縁に「菊の御紋」がびっしり。
これまた、あっぱれでございます~
ステューベン・ガラス工房(アメリカ)
《ブルー・オリーン扇形花瓶》
デザイン : フレデリック・C. カーダー
虹彩ガラス
1927年頃 21.59×17.78×10.16
ボストン美術館
このマリンブルーがたまらん!
ほしい!!
◆ 第5章 風景
西洋の画家たちは、新しい風景表現を模索する中で、浮世絵からさまざまな手法を取り入れています。
俯瞰構図、前景による遮蔽、近接拡大、画面の端による対象切断、格子状の画面構成など、浮世絵師たちの工夫は、彼らの目に実に新鮮に映ったのでした。
ウィリアム・エドワード・ノートン(アメリカ)
《夜》
キャンバスに油彩 1890年 58.4×76.2
ボストン美術館
帆船~
水面がメインになっている構図と、
月の姿を空ではなく水面に描いてるところがよいわ
アーサー・ウェズリー・ダウ(アメリカ)
《沼地風景》
サイアノタイプ(青写真)
1900年頃 12.7×20.2
ボストン美術館
絵画や工芸品だけじゃありません。
浮世絵に使われている「ベロ藍(プルシアンブルー)」を、写真に取り入れてしまうところがすごい。
章のラストには、
ピサロとモネの風景画がどどん!と並びます。
西洋の作家たちの作品と、その元になった浮世絵とが並べて展示されているので、とてもわかりやすく、納得のいく内容になってますよ
もはや流行ではなく、熱狂であり、狂気である。
(エルネスト・シェノー)
当時のフランスの批評家にそう言わしめた「ジャポニスムの嵐」を、ぜひ体感してくださいね
『ボストン美術館 華麗なるジャポニスム展 印象派を魅了した日本の美』
◆2015年1月2日(金)-5月10日(日)
名古屋ボストン美術館
(2018年10月8日にて閉館しました)
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『ボストン美術館 華麗なるジャポニスム展 印象派を魅了した日本の美』(2015年)
19世紀後半から20世紀初頭にかけて、西洋では浮世絵をはじめとする日本美術が大流行しました。
その大胆な構図と色使い、独特の装飾模様は西洋の美意識に根本的な変革をもたらし、ジャポニスムという現象が生まれました。
(展覧会のチラシより)
というわけで、"華麗なる" ジャポニスム作品を見てまいりましたよ~
章ごとに、お気に入りを紹介しますね。
(全5章、展示総数148点)
◆ 第1章 日本趣味(ジャポネズリー)
西洋の芸術家たちが日本美術をそのまま模倣し、取り込んだ作品は「ジャポネズリー」と呼ばれています。
欧米で絶賛された浮世絵や日本の工芸品とともに、日本美術がそのまま写されたジャポネズリーの工芸品を紹介しています。
この章では、日本刀の鐔(つば)に魅せられました!
平田就亮(ひらた・なりすけ : 日本)
《虫図七宝鐔》(むしずしっぽうつば)
赤銅石目地、金、七宝
江戸時代(18世紀後半-19世紀前半)
7.1×6.3×0.4
ボストン美術館
(表)
(裏)
大規模な戦乱が滅多に起きない泰平の世では、刀剣の需要も減るわけですが、その一方で、刀のパーツである刀装具の装飾は発展していったのだそうです。
◆ 第2章 女性
浮世絵に描かれている女性同士の親密な空間や、親子の愛情あふれる光景は、日常生活の情景をありのままに表現しようとする印象派・ポスト印象派の画家たちに、深い共感をもって受け入れられました。
着物姿のきれいなお姉さん、素敵ですワ
アルフレッド・ステヴァンス(ベルギー→フランス)
《瞑想》
キャンバスに油彩 1872年頃 40.7×32.4
ボストン美術館
で、、、章の最後に今回の目玉が展示されてます
展覧会の開催にあたり、絵具が剥がれそうな箇所を安定させる、作品表面の古いニスやワックスを取り除くなどの修復をおこなった、この作品
クロード・モネ(フランス)
《ラ・ジャポネーズ(着物をまとうカミーユ・モネ)》
キャンバスに油彩 1876年 231.8×142.3
ボストン美術館
額装するとタテ3メートル近くにもなる大作。
ちなみに、修復前の《ラ・ジャポネーズ》は↓こんな感じ??
『モネと印象派 ボストン美術館展』(1992-93年)より
クロード・モネ
《ラ・ジャポネーズ(日本の着物をまとったカミーユ・モネ)》(参考画像)
友だちが送ってくれたポストカードです。
20年以上前のものなので印刷技術に差が出るでしょうが、
画面の明るさや色鮮やかさが違う
「Camille Monet in Japanese Costume」の日本語訳も、
今とは微妙に違ってたんですねー。
真っ赤な打掛に描かれている武者ともみじの図柄は、
能の演目「紅葉狩」をデザイン化したものでは?との説があるらしい。
この "赤" と強く対比させるため、
モネは妻のカミーユに "金髪" のかつらを付けさせたそうな。
それにしても、着物・うちわ・扇子・ござ…と、
ものすごい日本趣味じゃあ~。
あっぱれ!

3階ロビー(ミュージアムショップ横)には、
カミーユの打掛を再現した品が展示されてますよ
(写真撮影OKです)
◆ 第3章 シティ・ライフ
19世紀……パリ、ロンドン、ニューヨークなど欧米の都市は、大きく変貌します。
浮世絵に描かれた江戸庶民の生活は、都市生活を生き生きと描き出したいと望む画家たちに、深い共感をもって迎えられました。
ロバート・アール・ヘンライ(アメリカ)
《サイドウォーク・カフェ》
キャンバスに油彩 1899年頃 81.6×65.7
ボストン美術館
太い木の幹で画面を大胆に分割する構図は、
ヘンライが浮世絵から取り入れたものだそうな。
◆ 第4章 自然
「日本美術は、我々に自然への回帰を促す」
日本の美術の随所にみられる、自然(動植物)に対する細やかな観察と愛着は、西洋人にとって感嘆すべきものだったようです。
浮世絵や工芸に、自然が豊かに美しく、また精緻に表されていることによって、彼らは、日本では芸術が生活に溶け込んでいると信じたのでした。
三代歌川広重(日本)
『百猫画譜』(ひゃくみょうがふ)より9図
活版摺画文集より抜粋
1878年(明治11年) 44.8×30.3
ボストン美術館
もう、見ているだけで和むニャ~
チャールズ・キャリル・コールマン(アメリカ)
《つつじと林檎の花のある静物》
キャンバスに油彩 1878年 180.3×62.9
ボストン美術館
掛け軸を意識したようなサイズといい、
下の方にある短冊型の書き込みや丸紋といい……
そのうえ、金色の額の四隅に「三つ葉葵」の紋。
同じく額の上下左右の縁に「菊の御紋」がびっしり。
これまた、あっぱれでございます~
ステューベン・ガラス工房(アメリカ)
《ブルー・オリーン扇形花瓶》
デザイン : フレデリック・C. カーダー
虹彩ガラス
1927年頃 21.59×17.78×10.16
ボストン美術館
このマリンブルーがたまらん!
ほしい!!
◆ 第5章 風景
西洋の画家たちは、新しい風景表現を模索する中で、浮世絵からさまざまな手法を取り入れています。
俯瞰構図、前景による遮蔽、近接拡大、画面の端による対象切断、格子状の画面構成など、浮世絵師たちの工夫は、彼らの目に実に新鮮に映ったのでした。
ウィリアム・エドワード・ノートン(アメリカ)
《夜》
キャンバスに油彩 1890年 58.4×76.2
ボストン美術館
帆船~
水面がメインになっている構図と、
月の姿を空ではなく水面に描いてるところがよいわ
アーサー・ウェズリー・ダウ(アメリカ)
《沼地風景》
サイアノタイプ(青写真)
1900年頃 12.7×20.2
ボストン美術館
絵画や工芸品だけじゃありません。
浮世絵に使われている「ベロ藍(プルシアンブルー)」を、写真に取り入れてしまうところがすごい。
章のラストには、
ピサロとモネの風景画がどどん!と並びます。
西洋の作家たちの作品と、その元になった浮世絵とが並べて展示されているので、とてもわかりやすく、納得のいく内容になってますよ
もはや流行ではなく、熱狂であり、狂気である。
(エルネスト・シェノー)
当時のフランスの批評家にそう言わしめた「ジャポニスムの嵐」を、ぜひ体感してくださいね
『ボストン美術館 華麗なるジャポニスム展 印象派を魅了した日本の美』
◆2015年1月2日(金)-5月10日(日)
名古屋ボストン美術館
(2018年10月8日にて閉館しました)
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