名古屋市美術館
『だまし絵Ⅱ』(2015年)



だまし絵展、再び~~高島忠夫イエーイキラキラ

2009年の『だまし絵』が傑作ぞろいだったので、
期待しつつ出かけましたよ音符

前回は19世紀以前のだまし絵がメインでしたが、
今回は20世紀以降のバラエティ豊かなだまし絵がメインです。
(全5章、52作家、展示総数76点。会期中に入れ替えあり)


で、、、イチ押しは!
美術館地下1階「常設展示室3」で上映されている、
ハンス・オプ・デ・ベーク(ベルギー : 1969-)の
《ステージング・サイレンス(2)》
モノクロ、フルハイビジョン映像
2013年 20分48秒キラキラ


二組の手が、小物を用いたジオラマを作っては片付け、作っては片付け。
次にどうなるのか目が離せず、すっかり見入ってしまいました!
ラストの、角砂糖を積み上げて摩天楼を作り(それだけでも、かなりの労力…)、
熱いコーヒー(?)を注いで破壊するシーンはシュール~目

その映像が、こちら。

【ステージング・サイレンス(2) 角砂糖の摩天楼】

ハンス・オプ・デ・ベークのサイト →

「黒い雨」と「廃墟」は、核兵器使用後のイメージ…??
これはもう、全編視聴しなくちゃ損!
上記のサイト↑からも作品が見られますよ。


And、そのほかの展示作品~音符


◆ プロローグ

古典的なトロンプルイユを紹介しています。
「トロンプルイユ」とは、フランス語で「目をだます」という意味。
「事物が本物そっくりに、かつ眼前に存在するかのように描かれた絵画」を指します。


クリストフェル・ピアーソン
《鷹狩道具のある壁龕》
キャンバスに油彩
1660年代(推定) 80.5×64.5
ワシントン・ナショナル・ギャラリー

奥行き感がリアルな壁龕(へきがん)。


◆ 第1章 トロンプルイユ

20世紀後半以降に登場した、
新しいトロンプルイユを紹介しています。


杉本博司
《Hyena-Jackal-Vulture》
ゼラチンシルバープリント
1976年 119.4×149.2

杉本博司のサイト →

リアルすぎるジオラマ。


福田美蘭
《Copyright原画》
イラストボードにアクリル(5点組)
1999年 36.5×51.5
作家蔵

これは「くまのプーさん」ですが、、、
原画そっくりに描こうとすればするほど、
著作権上の問題が浮上して描けなくなる…という皮肉を表現したものですタラー


◆ 第2章 シャドウ、シルエット&ミラー・イメージ

文字通り「影」「シルエット」「鏡」を使った、だまし絵です。


高松次郎
《赤ん坊の影 No.122》
キャンバスにラッカー 1965年 182×227
豊田市美術館
風景写真 レンズ3

リアルすぎる影(の絵)。


ラリー・ケイガン
《トカゲ》
鋼、影 2008年 83.8×121.9×25.4
トニー&リンダ・ブルーム・コレクション

ラリー・ケイガンのサイト →

無造作に針金を曲げてるようにしか見えないのに、
美しい影絵になるのは素晴らしい!グッ


◆ 第3章 オプ・イリュージョン

オプティカル・アート(通称 : オプ・アート)。
幾何学的形態や色彩の相互作用によって、
画面上に凹凸、振動、明滅などの錯視的効果を発生させる表現です。


ヤーコブ・アガム
《幸福な結婚》
紙にリトグラフ、アクリル板
1990年 34.6×31.8
北海道立近代美術館

見る角度によって、違ったイメージが見える作品。
昔のカバヤのジューCのフタを思い出す~音符


パトリック・ヒューズ
《広重とヒューズ》
組立ボードに油彩 2013年 48×134×17
作家蔵

パトリック・ヒューズのサイト →

2009年の『だまし絵』でたまげた《水の都》に続き、
またまた登場!
この作品、遠近感がわかりにくくなるように薄暗い場所で展示すると「おおっ!」と楽しめるんですが、、、
今回は展示室の照明が明るいため、簡単にネタバレしてますタラー


◆ 第4章 アナモルフォーズ・メタモルフォーズ

アナモルフォーズ(歪像画)、メタモルフォーズ(イメージの変容)、ダブル・イメージなど、さまざまな手法を用いただまし絵を紹介しています。


ルネ・マグリット
《赤いモデル》
キャンバスに油彩 1953年 38×46
BNPパリバ・フォルティス・コレクション

足の形をした靴? 靴の形をした足?


M.C.エッシャーの《メタモルフォーシスⅡ》
紙に木版 1939-40年 19.5×400
三重県立美術館
もありますよ↓↓↓

【メタモルフォーシスⅡ】



また、2階展示室のエレベーター前では、
スティーブ・バロン(アイルランド : 1956-)の
a-ha「テイク・オン・ミー」ミュージックビデオ
1985年 3分42秒
ワーナー・ミュージック・ジャパン
を上映音符

【テイク・オン・ミー】

スティーブ・バロン(Wikipedia)→


6年前のインパクトが強すぎたせいか、そんなにギョッ!とする作品はなかったけれど、今回も楽しくだまされました~高島忠夫イエーイキラキラ

次回『だまし絵Ⅲ』は、21世紀以降の、
さらに進化しただまし絵をメインでお願いします!ピンクハート


『だまし絵Ⅱ』
◆2015年1月10日(土)-2月15日(日)【前期】
 2015年2月17日(火)-3月22日(日)【後期】
 名古屋市美術館
・Twitter →
(名古屋が最終会場です)


名古屋市美術館 →
(名古屋市中区栄2-17-25 白川公園内)

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・『だまし絵Ⅱ』① と常設展(2014年)
・『だまし絵Ⅱ』②(2015年)

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