名古屋市美術館
『いのちの煌めき 田渕俊夫展』(2012年)



今回ご紹介するのは、
日本画家の田渕俊夫さん(1941-)キラキラ
(かつて20年ほど愛知の長久手に住み、
愛知県立芸術大学で教鞭を執り…と、愛知ゆかりのひとでもあります)

田渕さんは大学院を修了したのち、
ナイジェリアに約10か月間滞在しました。
内戦のさなかの地で、過酷な自然環境に生きる植物の生命力の凄まじさを見せつけられ、そのたくましさに感動し、
「生命の連鎖性」を描くことを終生のテーマに定めたんだそうな。


帰国後すぐに描いた作品が、こちら。


田渕俊夫
《ヨルバの花》
紙本着彩 1968年 130×160
名古屋市美術館


で。田渕さんと言えば、
愛知県美術館の《青木ヶ原》(1969年)もなじみ深いですが、、、
最近ずーっと目がお疲れモードのワタシには、
植物たちの「緑」はホント心地よかったですピンクハート


繊細な筆致で描かれる、草木のしなやかな強靭さ。


田渕俊夫
《灼熱の夢》
紙本着彩 1970年 123×76.8
大川美術館


田渕俊夫
《秋詩》
紙本着彩 1970年 90×102
個人蔵


田渕俊夫
《やまはぜの頃》
紙本着彩 1974年 116.5×72.5
今治市大三島美術館


田渕俊夫
《叢叢讃歌》
紙本着彩 1985年 170×220
成川美術館


田渕俊夫
《春萌ゆ》
紙本着彩、屏風(四曲一隻)
1987年 165×338
成川美術館


田渕俊夫
《流転》
紙本着彩 1982年 170×220
成川美術館

ひとつの画面に並べられた、すすきの一生。


田渕俊夫
《流転》
紙本着彩 1983年 170×217
成川美術館

刈り取られ山積みされてもなお、花を咲かせる朝顔。

生と死の営みを繰り返しつつ、
命の鎖は未来へと繋がってゆくんですね。


田渕俊夫
《収穫の頃》
紙本着彩 1988年 116.5×91
セレネ美術館

こういう牧歌的な情景にも和みますなぁ……
(場所は長久手です)


こちらは20世紀末の名古屋の夜景。


田渕俊夫
《刻》
紙本着彩 1989年 145.5×112.5
名古屋市


そして、幽玄な水墨画の世界をたっぷりと堪能キラキラ


田渕俊夫
《めだけ》
紙本墨画、屏風(四曲一隻)
2007年 171.4×364
個人蔵


田渕俊夫
《爛漫》
紙本墨画、屏風(四曲一隻)
2003年 171.4×364
今治市大三島美術館

このしだれ桜は墨一色で描かれてます。
なのに、花びらがほんのりと桜色に見えてくる(!?)から凄いっ目


ほかにも絵巻、スケッチ…と、展示作品は計60点。
(名古屋での展示は、そのうち50点)
東日本大震災の被災地への鎮魂、再生の願いを込めた新作《惶 Ⅰ》《惶 Ⅱ》(2012年)も展示されています。

お近くのかたは、
ぜひぜひ実物をご覧くださいませキラキラ


『いのちの煌めき 田渕俊夫展』
◆2012年4月7日(土)-5月20日(日)
 名古屋市美術館
・Twitter →
渋谷区立松濤美術館(東京)、富山県水墨美術館福島県立美術館に回ります)


名古屋市美術館 →
(名古屋市中区栄2-17-25 白川公園内)

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・『田渕俊夫展』②(2012年)


【画業60年 田渕俊夫展@日本橋三越本店(2021年)】



また、こちらでも個人展を開催中~音符

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『田渕俊夫展 技のひみつ』
◆2012年4月7日(土)-6月17日(日)
 メナード美術館(愛知)
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メナード美術館 →
(愛知県小牧市小牧5-250)

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