兵庫県立美術館
『奇跡のクラーク・コレクション―ルノワールとフランス絵画の傑作』(2013年)



アメリカ、マサチューセッツ州の最西端、学園都市ウィリアムズタウンにあるクラーク美術館キラキラ
夫スターリング、妻フランシーヌのクラーク夫妻によって1955年に創設され、印象派、とりわけルノワールの絵画で有名なんだそうな。
このたび、同美術館の改修工事により日本初のコレクション展が実現。
改修工事……これは狙い目ですよ!
出展作品の充実度が高いですよ!


……というわけで、帰省中、猛暑でバテながらも行き当たりばったりで兵庫県立美術館へ。
会期末に近かったせいもあり、入口には開館前から長蛇の列がタラータラー
こりゃ入場制限アリかっ!?と青ざめたけれど、
ここの美術館は展示スペースが広めでして、意外にゆったりと見て回ることができましたチョキ

今展の内容は、
・戸外に出た絵描きたち―バルビゾン派、外光派
・光をとらえる―印象派
・日常へのまなざし―ドーミエ、マネ、ドガ
・伝統を受け継ぎ、技を磨く―アカデミスム
・クラーク美術館のルノワール
(全25作家、展示総数73点)

このうち、59点が初来日の作品。
目玉はもちろん、ラストのルノワール(全22点)でしょ!ってことで、混み合う前にルノワールの元へGO~音符

ここはもう、まるっと一室がほぼ彼の絵で埋まっております。
その展示室をざっと見渡して、一番、目を引いたのは、


ピエール=オーギュスト・ルノワール
《シャクヤク》
キャンバスに油彩 1880年頃 55.3×65.7
クラーク美術館

いや~、色鮮やか!
一部、画面からはみ出ているあたりにも植物の力強い生命力を感じますね。

花を描くとき、
ルノワールは、人間のモデルを描くときのように緊張することなく、自由に「色彩の実験」を試みていたそうです。


そして、展覧会のチラシにもなっているのがこちらキラキラ


ピエール=オーギュスト・ルノワール
《鳥と少女(アルジェリアの民族衣装をつけたフルーリー嬢)》
キャンバスに油彩 1882年 126.4×78.1
クラーク美術館

今回、イチ押しのキュートな一枚ピンクハート
似合うかどうかは別にして、この衣装をワタシも着てみたい!
女の子の右手にとまっているのはハヤブサだそうで。
(手乗りハヤブサ?)


And、きれいなお姉さまたちおとめ座


ピエール=オーギュスト・ルノワール
《かぎ針編みをする少女》
キャンバスに油彩 1875年頃 73.5×60.3
クラーク美術館


ピエール=オーギュスト・ルノワール
《うちわを持つ少女》
キャンバスに油彩 1879年頃 65.4×54
クラーク美術館


ピエール=オーギュスト・ルノワール
《劇場の桟敷席(音楽会にて)》
キャンバスに油彩 1880年 99.4×80.7
クラーク美術館


ほかにもいろんな作風が楽しめ、まるでプチ個人展状態目

しかしながら、、、
この部屋にはルノワール以外にも珠玉の傑作がありましたっ。


アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック
《待つ》
キャンバスに油彩 1888年頃 56.2×47
クラーク美術館

ルノワール三昧のあと、会場の最後の最後にひっそり(?)飾られていたトゥールーズ=ロートレック。
展示は控えめでもインパクトは大!
この女性、なんだかすごーく気になるんですけど。
今回の二押しですねグッ


それでは、そのほかの作品~~キラキラということで、
ふりだし(一番始めの展示室)に戻る……


ジャン=バティスト・カミーユ・コロー
《ボッロメーオ諸島の浴女たち》
キャンバスに油彩 1865-70年 79.1×56.7
クラーク美術館


ヨーハン・バルトルト・ヨンキント
《フリゲート艦》
キャンバスに油彩 1852-53年頃 54.6×80.6
クラーク美術館

帆船(特に軍艦)の絵には、なぜか心惹かれるんですよねピンクハート
海の男ホーンブロワー、
海の勇士ボライソーの、熱き世界がよみがえる~。
(どっちも英国海軍の話だけどタラー どっちも途中で挫折したけどタラー


クロード・モネ
《エトルタの断崖》
キャンバスに油彩 1885年 65.1×81.3
クラーク美術館


カミーユ・ピサロ
《エラニー、サン=シャルル》
キャンバスに油彩 1891年 81×65
クラーク美術館

ピサロの美しい点描画。


エドガー・ドガ
《稽古場の踊り子たち》
キャンバスに油彩 1880年頃 39.4×88.4
クラーク美術館


次の2点は「青」がステキラブラブ


アルフレッド・ステヴァンス
《公爵夫人(青いドレス)》
パネルに油彩 1866年頃 31.4×26
クラーク美術館


ジャン=レオン・ジェローム
《蛇使い》
キャンバスに油彩 1879年頃 82.2×121
クラーク美術館

背景の壁の上部に描かれてるのはコーランの一節だそうで。
細かい部分まで実物を正確に描写した作品に見えますが、
これ、架空の場面なのだとか。


おしまいは、
リアルかつ退廃的な薫りに包まれた一枚音符


ジェームズ・ティソ
《菊》
キャンバスに油彩
1874-76年頃 118.4×76.2
クラーク美術館


さすが目利きのクラーク夫妻というか、改修工事の賜物というか、期待を裏切らない内容でしたね。
バルビゾン派、印象派、アカデミスム…というジャンルなので、びっくり仰天するような斬新さには欠けるけれど、きれいにまとまっておりましたグッ

さあて。次に改修をおこなうのは、
いったいどこの美術館だ…?!


『奇跡のクラーク・コレクション―ルノワールとフランス絵画の傑作』
◆2013年6月8日(土)-9月1日(日)
 兵庫県立美術館
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(兵庫が最終会場です)


兵庫県立美術館 →
(神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1 HAT神戸内)

クラーク美術館 →

【奇跡のクラーク・コレクション】



こちらも同時開催されてましたよキラキラ


『マリー・アントワネット物語展』
◆2013年7月6日(土)-9月1日(日)
 兵庫県立美術館
岡山シティミュージアムに回ります)


【マリー・アントワネット物語展】


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