名古屋市美術館
『画家五十年の軌跡 平松礼二展』(2011年)



ワタシの好きな日本画家・ベスト3に入る
平松礼二さん(1941-)の展覧会が、
氏のふるさと名古屋で始まりました~キラキラ

個人展を観るのは12年ぶりピンクハート
幅6m、7mといった大作も並び、圧倒されましたよ!目
(展示総数82点)


まず、今回のイチ押しは、、、


平松礼二
《月光の曲》
雲肌麻紙/岩絵具 屏風(四曲一隻) 
1990年 174×343
水野美術館

《月光の曲》……ベートーヴェンのピアノソナタですな音符

これ、もしも全体的に桜がきれいに浮かび上がっている作品だったら、ドビュッシーの《月の光》という印象になりそう…
画面右側の、花に濃い陰影がついて夜の闇と同化してるあたりが、《月光》第1楽章の底なし沼のような「深さ」を感じさせます。
(って、そんな単純な話じゃないんだろうけどタラー

【ベートーヴェン :《月光》】



で、初期の作品が こちらキラキラ


平松礼二
《近江山田寺 廃寺の庭にて》
鳥の子紙/岩絵具 額
1975年頃 91×65
個人蔵


平松礼二
《土―土まんじゅう》
鳥の子紙/岩絵具、水干絵具 額 
1980年 218.2×333.3
名古屋市美術館


平松礼二
《路―シンジュク・トウキョウ・JAPAN》
雲肌麻紙/岩絵具、箔 額 
1981年 193.9×112.1
個人蔵


平松礼二
《塔―NAGOYA》
雲肌麻紙/箔、墨 額 
1982年 175×85
刈谷市美術館


現在の作風にも通じる色彩豊かなもの。
殺伐とした暗く冷たい雰囲気のもの。

特に後者は正と負、
双方のすさまじいパワーに満ちてます!


And、そのほかのお気に入り~キラキラ

ニューヨークの街を描いた斬新なものもありますが、
やはり日本の風景はいいなピンクハート
やさしいところも、きびしいところも。


平松礼二
《路―波の国から巡りくる》
雲肌麻紙/岩絵具 屏風(六曲一隻)
1991年 190×512
成川美術館


平松礼二
《路―西湖にて》
雲肌麻紙/岩絵具、金箔 屏風(六曲一隻)
1989年 210×450
成川美術館


平松礼二
《さくら島》
雲肌麻紙/岩絵具 屏風(六曲一隻)
2005年 180×360
個人蔵


平松礼二
《帰帆》
雲肌麻紙/墨、金泥 額
2009年 80.3×116.7
個人蔵


平松礼二
《花と鳥》
雲肌麻紙/岩絵具 額
2010年 90.9×116.7
個人蔵


額、屏風 合わせて46点のほか、
平松さんが11年にわたって担当された
『文藝春秋』の表紙絵の原画36点が楽しめますよグッ


このひとの作品を観ていると、
「日本人に生まれてよかったぁ~~」って、
しみじみ思いますね桜
自然はおそろしい……
でも、それと同じくらい自然はすばらしい。

最後に、東日本大震災の被災地への鎮魂の一作を。


平松礼二
《2011311―日本の祈り》
雲肌麻紙/岩絵具、金泥 屏風(六曲一隻) 
2011年 180×420
個人蔵


ぜひ、実物をご覧くださいませキラキラ

そして、「日本画から世界画へ」……
日本画の魅力を世界に向けて発信し続けていらっしゃる平松さん。
今後のご活躍をお祈りいたします!


『画家五十年の軌跡 平松礼二展』
◆2011年9月13日(火)-10月23日(日)
 名古屋市美術館
・Twitter →

平松礼二さんのサイト →


名古屋市美術館 →
(名古屋市中区栄2-17-25 白川公園内)

町立湯河原美術館 平松礼二館 →
(神奈川県足柄下郡湯河原町宮上623-1)

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