名古屋市美術館へ『ロバート・メイプルソープ展』(1993年)を観に行ってきました。

まあ、ゲイだとか猥褻だとか、表面に出てくる一般的な見解は、皆さんご存じと思いますが。
オイラにとっては、とてもいい時期にいいものを観た、ということ以上の収穫がありました。
なんせオリジナル・ヴィンテージプリントが持つ生々しさに圧倒されましたね。


ロバート・メイプルソープ
APOLLO
1988年
1


ロバート・メイプルソープ
ORCHID
1982年
2


でも、それらの中でも「静物」を撮った一連のプリントが、オイラ自身の見方というか、正確に言うと「脳の視床下部の一部」の働きを変えたようです。


ロバート・メイプルソープ
TULIPS
1988年
4


ロバート・メイプルソープ
CALLA LILY
1988年
3


ぱっと遠くから観た瞬間に、写真の「静物」じゃなくて、壁の向こうにまさにそのものが在る、そのまた先の空間を見てると、もうそこに自分が入り込んで見てる。
そのリアリティーが恐ろしいほどで、自分がおかしくなっちゃったんじゃないだろうか…って思うほど。
時間をおいて何度見ても、その感覚がなくなるどころか、ますます鋭くなって気分が悪くなるくらい。
みんなもそうなのかな?って、ほかの人たちの反応を観察してたんだけど、「いやあ、きれいな花だね~」なんて訳の判らないこと言ってるし…。

今でもこうして目をつむって、メイプルソープの「静物」を思い浮かべたあとで、パッと目を開くと、全然物の見え方が違うんですよね。
コーヒーカップを見てても、その構成している原子のひとつひとつが振動してるさまが判るっていうか、つまりリアリティーがまったく今までと違うというか…。


『ロバート・メイプルソープ展』
◆1993年2月13日(土)-4月4日(日)
 名古屋市美術館
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名古屋市美術館 →
(名古屋市中区栄2-17-25 白川公園内)

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・『ロバート・メイプルソープ展』②(1993年)


【2009年・追記】
すごいっすねぇ… 若気の至りとはいえ、こんなにオイラもとんがってたんですね。
恥ずかしいっす… でも、十数年経ってその時のことを思うと文章に手を加えるのもなんだと思い、そのまま掲載しました。
読みづらい点もありますが、ご容赦くださいくま


【ロバート・メイプルソープ作品集 : FLOWERS】


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