愛知県美術館
『生活と芸術―アーツ&クラフツ展 ウィリアム・モリスから民芸まで』(2009年)



19世紀後半、産業革命ただなかのイギリス……
街には工場が建ち並び、
巷には機械で生産された品々があふれ、
自然環境は悪化する一方でありましたタラー

こうしたなか、思想家のジョン・ラスキン(1819-1900)と、詩人でデザイナーのウィリアム・モリス(1834-1896)が中心となって、
手作りの良さを見直し、
自然や伝統の美しさを再発見し、
シンプルで美しいライフスタイルを提案するデザイン運動が興ります。
これが「アーツ&クラフツ」と呼ばれるもので、
日本でも「民芸」という名のデザイン運動が生まれたのでした。


それでは装飾芸術の殿堂、
ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館との共同企画による「生活の中の芸術品」をご紹介~キラキラ
(展示総数約280点)


ジョージ・フランプトン(イギリス)
彫刻《母と子》
ブロンズ、銀メッキ
1894-95年 102×65×45
ヴィクトリア&アルバート博物館

銀メッキが施されたブロンズ像。


ケイト・フォークナー(イギリス)
皿《スター・フラワー》
無地陶器、釉薬表面に青で手描き
1880年 径45
ヴィクトリア&アルバート博物館

色に ややムラがあるものの、斬新なデザインの大皿。


次はウィリアム・モリスのコーナーより、
タぺストリーと内装用ファブリック(布地)。


ウィリアム・モリス、ジョン・ヘンリー・ダール、フィリップ・ウェッブ(イギリス)
タぺストリー《森》
羊毛と絹のタぺストリー織り
1887年 121.9×452 
ヴィクトリア&アルバート博物館


ウィリアム・モリス、ジョン・ヘンリー・ダール(イギリス)
タぺストリー《果樹園》あるいは《四季》
綿の縦糸にウール、シルク、モヘアのタぺストリー織り
1890年 221×472
ヴィクトリア&アルバート博物館


ウィリアム・モリス(イギリス)
内装用ファブリック《いちご泥棒》
綿にインディゴ抜染、木版刷り、植物染料
60×95.2
ヴィクトリア&アルバート博物館


ウィリアム・モリス
内装用ファブリック《マリゴールド》
シルクに木版刷り 97.5×55
ヴィクトリア&アルバート博物館


どちらも手の込んだ、刺繍画とステンドグラス。


アン・マクベス(イギリス)
刺繍画《聖エリザベス》
絹、綿糸、銀糸、金色ビーズ、ピンク色の透明な石の刺繍
1910年頃 41.2×20.9
ヴィクトリア&アルバート博物館


クリストファー・ウォール(イギリス)
ステンドグラス《聖アグネス》
鉛、着色ガラス片
1901-10年頃 79.4×31.1
ヴィクトリア&アルバート博物館
風景写真 レンズ8


コロマン・モーザー(オーストリア)
ベッドとベッドサイドテーブル
栗の木ほか木材、金属による象嵌、大理石
1904年頃
ベッド : 120×120×220
サイドテーブル : 119.5×40×35.5 
大阪新美術館建設準備室

寄せ木細工で装飾されたベッドと
大理石のサイドテーブル。


コロマン・モーザー
アームチェア [肘掛け椅子]
ブナ、籐 1903年頃 71.3×67.3×65.7
豊田市美術館

シンプルな市松模様が目を引くアームチェア。


お次はワイングラス。


オットー・プルッチャー(オーストリア)
ワイングラス
ガラス 1907-10年 (各)21×8.6
ヴィクトリア&アルバート博物館

左側のグラス……
デザインは面白いけど、なんか飲みにくそうタラー


民画 文字絵「義」(朝鮮半島)
紙本着色
朝鮮時代・19世紀 本紙 : 97×56
倉敷民藝館

個人的にウケてしまった、朝鮮半島の民画「義」の文字絵。


そして、そして、、、
アイヌと琉球の装束は超かっこいい!


アイヌのアットゥシ [厚司織](日本)
楡の樹皮繊維、綿布のアップリケ、綿糸の刺繍
1825-75年頃 128.5×128
ヴィクトリア&アルバート博物館


琉球装束 [小袖](日本)
綿、型絵染 [紅型] 19世紀 132×128
ヴィクトリア&アルバート博物館


……というわけで、作品数は約280点。
内容めっちゃ濃いですよ~~!グッ


あと、昭和初期に建てられた「三国荘」(みくにそう)の再現展示もすごいんですがー…、
室内に置かれている品物の数が多くて、
見ていて落ち着かなかったわタラー


『生活と芸術―アーツ&クラフツ展 ウィリアム・モリスから民芸まで』
◆2009年6月12日(金)-8月16日(日)
 愛知県美術館
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愛知県美術館 →
(名古屋市東区東桜1-13-2)

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