北朝鮮が電撃デノミ!日本のデノミ実例とデノミの本質
北朝鮮がデノミを突然断行し、市民が混乱しているそうです。
デノミとは?
デノミネーション(通貨呼称単位の変更)。
猛烈なインフレに見舞われた国で、ハイパーインフレにより、
通貨価値の大きな下落に伴い、金額の表示が膨大になり、
計算や支払いが困難になるのを防ぐために実施される。
直近では、アフリカのジンバブエがジンバブエ・ドルの単位を
切り下げています。
韓国政府によると、北朝鮮当局は11月30日、有線放送を通じ、
旧紙幣100ウォンを新貨1ウォンと交換するように呼びかけたとのこと。
(有線放送、というところが北朝鮮らしいです・・・)
その他の情報によると、デノミが行われると、
銀行で交換を行うわけですが、
今回のデノミでは、交換限度が設けられ、
世帯あたり、10万ウォンが限度であるとのこと。
つまり、それ以外は銀行に「貯蓄」しなさい、ということ。
いわゆる「預金封鎖」です。
また、北朝鮮は貯蓄を下ろすには、結構手間がかかり、
実質、資産が銀行に軟禁された形になるそうです。
恐ろしいですね。
資産を当局に把握されてしまうばかりか、
その使用権利も奪われてしまうのです。
そして、今回の北朝鮮当局が実施した
デノミの狙いは何でしょうか?
大きな理由として、北朝鮮は2012年を目標とした
富強国家「強盛大国」の建設を掲げており、
これに向けて動き出した可能性があります。
それまでに統制経済を強化するため、
闇市場等で暗躍するアングラマネーをあぶりだす
目的があると言われています。
北朝鮮では2002年に限定的に市場経済を導入しており、
それ以降、闇市場等で儲けた人や富裕層の不正に蓄えられてきた
資産が相当あるようです。
しかし、そういった人々は、事前に情報を察知し、
ドルや人民元といった他国通貨に変更し、
すでに一定のリスクを回避しているものと思われます。
いつの時も被害をもろに被るのは一般市民です。
こつこつ商店を営んでいたような市民は、
旧通貨を使われると困るし、そもそも値段設定を変更しないといけないため
交換期限の6日まで臨時休業を余儀なくされています。
こういった各方面にインパクトを与えるデノミや預金封鎖。
預金封鎖については、
過去に日本でも3度行われたことがあります。
※ただし、各回それぞれ時代背景あるいは主旨や手法は異なります。
1.大正12年 関東大震災時
2.昭和2年 金融恐慌時
3.昭和21年 戦後復興時
特に3.の戦後復興時は、第二次世界大戦によって、日本経済は
国富の25%を失い、生産水準も戦前の20~30%にまで落ち込み、
苦しんでいました。
そんな中、政府の巨額の財政支出が行われたため、
日本はハイパーインフレに見舞われました。
これに対して、政府は昭和21年2月に
「金融緊急措置令および日本銀行券預入令を公布し、5円以上の
日本銀行券を預金、あるいは貯金、金銭信託として強制的に
金融機関に預入させ、既存の預金とともに封鎖のうえ、
生活費や事業費などに限って新銀行券による払い出しを認める
(いわゆる「新円切り替え」)」
(日本銀行ホームページより引用)
という非常措置を実施しています。
これが近代日本における最も直近の「預金封鎖」です。
ちなみに近年、日本の財政を不安視し、
国家破綻論が巷をにぎわせています。
その中で「デノミ&預金封鎖」がセットで
不安材料としている場合が見受けられますが、
「デノミ」だけでいうと、そんなに恐ろしいものではなく、
冒頭に書いたように単なる「通貨呼称単位の変更」であるので、
理論的には、貨幣価値に何ら影響を与えず、
100円硬貨が1円硬貨になろうが、1万円札が10円札になろうが、
円建てで見ると全く価値は同じことになります。
ただ、デノミが行われる時は、通常ハイパーインフレ時なので、
「デノミ=恐ろしい」という誤解を生むようです。
なぜこんな誤解が生まれるか?
それは、デノミが問題ではなく、デノミが行われる前に、
通貨価値が「すでに」下がっているからです。
例えば、今まで100円で買えたボールペンはハイパーインフレにより、
物価が急上昇し、
「すでに」1万円出さないと買えない、という状態になっています。
ですので、物価に対しての通貨価値は
100分の一に下がっていることになります。
そして、この状態でさらに100分の一のデノミが行われるので、
デノミのせいで、通貨の価値が1万円→100円になっちゃった、
と勘違いするようです。
もちろん、デノミですから額面はそうなりますが、価値は変わっていません。
(デノミ前1万円=デノミ後100円)
つまり、ハイパーインフレで貨幣価値がすでに下がっていることが問題で、
デノミが行われてもボールペン価値はデノミ前の1万円のまま。
(価格は新100円となる。)
しかし、もしハイパーインフレがなく、デノミにだけ行われた場合は
1万円を100円と読み替えるだけなので、
ボールペン価格は理論上1円となるはずです。
このようにデノミだけの場合は、
全くボールペンも通貨も価値は変わらず読み替えだけなので、
デノミ自体は恐ろしいものではないのです。
ただ、デノミは今回の北朝鮮もそうですが、
同時に貨幣交換が行われる場合がほとんどです。
実はこれが曲者で、交換が行われるということは、
一旦、銀行へもって行かないといけない、ということです。
これが預金封鎖や資産が把握される→資産税課税につながったりするので、
セットで語られることの要因のひとつとなっています。
私も日本国財政には、不安視しており、
破綻の可能性もあるとは思っていますが、
一方的な情報に煽られるのではなく、
しっかり本質を見ていく必要があると思います。
北朝鮮のデノミ事件は、
ちょうどこういったことを見つめなおすキッカケになる
良い機会ではないでしょうか。
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