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路地裏の横綱;オールド・ダマスカス

私は海外に行くと路地裏に吸いこまれます。カイロに1年住み路地裏やマーケットを彷徨したものです。非常に面白かったのですが、24年前、写真が手元にありません。手元にある写真から路地裏の横綱を指名すればダマスカスじゃないだろうか。ウィキペデアに「世界一古くから人が住み続けている都市」とあることだし。

裏山に旧約聖書においてカインが実の兄弟アベルを殺したとされるカシオン山があってそこからダマスカスを望む。


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しかし、全然面白くない写真だ。山を撮ったって土砂剥きだしの山。旧約聖書の時代には草木があったのだろうな。羊が食ってしまう前は。

生活感があるオールド・ダマスカスの路地裏が一番。

紀元前から存在した都市だけに傾いた家の壁、水飲み場、城壁どれをとってもその表面のぬくもりと質感は比肩するモノが見当たらない。

今日は水飲み場の写真だけ公開しよう。狭い路地の至る所にあってデザインが凝っています。私の撮影技術の未熟さが残念でならない。


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下の写真は雨の日でレンズが曇っていて左端が水飲み場。非常にいい感じではあります。


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路地裏には必ずといっていいくらい、つやのいい猫がいて、テーブルの下でなれなれしく足に絡んできて昼飯をおねだりする。


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中東を砂漠にしてしまった羊のカバブがうまい。


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まっすぐなペルシャ国の末裔がインド経済を牽引する

820日、新たなブログの旅立ちの日、新しい概念の宗教をも創造する現代アートの国イランを思い出した。


Times of India朝刊紙上(朝刊しかないが)、7,8世紀にイスラム教徒の迫害を受けてペルシャ(イラン)からインドに逃げたパールシー教徒(ゾロアスター教の前身)がデリー首都圏にたった734人、パールシーの新年を祝ったという記事。パールシー教徒に関して言えば、「インド経済に与えるインパクトの大きさと人の数は反比例する」と書いてある。少子化日本も将来、「世界経済に与えるインパクトの大きさと人の数は反比例する」と言われて欲しい。

イランでは19世紀にもバハイ教という新しい宗教が誕生し迫害され逃げ延びた信者がイスラエルに本部を持っています。迫害されてもまっすぐに布教活動を行い、デリーに立派なロータステンプルを持っています。現在信徒数は世界で約六百万人。わずか一世紀余りで、キリスト教に次いで、世界で最も地理的に広まった世界宗教だといわれていながら、イランでは今でも白い目で見られているそうです。

かわいそうに、写真の左Miss O Vさんは、信者さんで、私の報告書を校正してくださった上品できれいな英語を話す方。兄とテヘランに住み、兄妹共に独身。少数宗派なのでお相手がいない。


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Tangeh Savashiというテヘラン郊外の峡谷、バドミントンを楽しみ一休み。2008年の夏、からっとしたいい天気のイラン、好きだな。

ついでに峡谷の様子です。


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すれ違いざまに若い男から野原で摘んだ紫色のブーケをもらい照れています。イランは、ホスピタリティにおいて素晴らしい国です。

峡谷を縦走するとその奥には桃源郷が待ち受けています。ゴミが気になりますが。


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なおバハイ教は、旧約聖書のアブラハム、ヒンドィーのクリシュナ、仏陀、モーゼ、キリスト、モハメットら世界の主要な宗教の教祖、聖人は、同じ一なる神が、それぞれその時代と地域の発展段階にふさわしい教育をするために遣わした「聖なる教育者」だと教えていて、非常に合理的で説得力がある。創造的なイラン人の解釈は当時イスラムの聖職者を震撼させ迫害の道へまっしぐら。現イラン大統領マフムード・アフマディーネジャードは、かつて彼が若かりし頃、イラン・イラク戦争でイラクを援助したアメリカを恨みイラン革命に乗じてアメリカ大使館を襲撃、これまたまっ直ぐ、現在でも大使館は封鎖されたままです。アメリカが制裁を加えている国の因縁の男が現大統領なわけです。まっすぐな国だと思います。


紀元前の話。まっすぐなペルシャ軍は大将を奥に鎮座させ、これを守るように先陣を組み、一方、アレキサンダー大王は先頭に立って闘い、ペルシャ軍を左右から揺さぶって勝っています。組織が天才に敗れました。天才大王は、ギリシャ神話の英雄の闘い方と同じ。その後の歴史では、組織力が天才に勝つようになりました。「山を動かさない」という戦略は近代の組織戦・情報戦の基本中の基本、ペルシャ人って昔からモダンだったんですね。

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